第16回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【I B-3】

疫学

島根県出雲市における高齢者睡眠アンケート調査について(第2報);抑うつ尺度との関連
    
 

島根医科大学精神医学講座
助川鶴平 糸賀基 妹尾晴夫 稲垣卓司 上垣淳 宮岡剛 百瀬勇
笠原恭輔 大城隆太郎 清水予旨子 三原卓巳 安川玲 松原啓 堀口淳
  

【対象と方法】本調査に同意の得られた出雲市在住の65歳以上の高齢者を対象に,Geriatric Depression Scale(GDS)とPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)に関する自己記入式のアンケート調査を郵送法により実施した.性別・年齢・GDS項目に記載もれのない3,907人の回答を今回の分析対象とした.対象をGDS得点10点以下の正常群と11点以上の抑うつ群とに分け,性・年齢別に抑うつ尺度と睡眠関連項目との関係について,c2値およびφ係数を算出した.


【結果】
抑うつ群では正常群に比較して睡眠状態が不良であり,GDS得点は高齢の女性で有意に高かった.睡眠関連項目のなかでは,集中力維持の困難感,就眠時の痛み,自覚的な睡眠状態の悪さ,入眠困難感,就眠時の寒気の5項目が抑うつととくに高い相関を示し,この傾向は男女とも75歳以上で顕著であった.さらに,75歳以上の女性では,抑うつと就眠時の痛みとの関連が目立った.

2001/06/13


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