第16回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【I A-14】

症状学

老年期発症の運動ニューロン障害を伴う痴呆
  
 

宮崎医科大学精神医学講座  山下直子 三山吉夫
  

 運動ニューロン障害(MND)を伴う痴呆の臨床症状の特徴は初老期発症,進行性の前頭-側頭葉型痴呆を呈し,発症して1年以内に筋萎縮性側索硬化症(ALS)や進行性脊髄性筋萎縮症(PSMA)等のMNDが併発,全経過は3〜5年とされる.国内において老年期発症例も散見されるようになったので,老年期発症の同疾患と考えられる症例をまとめ,若干の考察を加えた.全症例とも老年期の発症で,上肢の筋萎縮・筋力低下を中心とする神経症状および特徴的な痴呆症状(末期まで高度痴呆には至らないが,言語障害,人格障害,自発語の減少を主とする)を有した.老年期発症例でも初老期発症例の精神-神経学的特徴がみられた.

2001/06/13


 演題一覧へ戻る