第15回日本老年精神医学会 演題抄録 |
【II B-11】 |
神経病理 |
海馬歯状回のユビキチン陽性封入体はALS with dementia (=MND type of FTD)に特異的ではない |
東京都精神医学総合研究所神経病理・東京都立松沢病院 池田研二,秋山治彦 |
Lund & Manchester groupの提唱したfrontotemporal dementia(FTD)は,frontal lobe degeneration type(FLD type),Pick type, motor neuron disease type(MND type)の3タイプに分けられている.われわれは,濃厚な遺伝負因があり,変性・萎縮の程度が軽度にとどまるというFLD typeは,その本邦でのcounterpartと考えられるピック球を伴わないピック病群(Pick's disease without Pick body;PD without PBと略)とは異なる可能性が高いことを指摘した.この報告では,Lund & Manchester groupが,MND type(=amyotrophic lateral sclerosis with dementia;ALS with Dと略)の神経病理診断基準にあげ,MND typeに特異性が高いとされている海馬歯状回の顆粒神経細胞に出現するユビキチン陽性封入体が,はたしてMND typeに特異的なものであるかどうか,ということを検討した. |
2000/07/06 |