第15回日本老年精神医学会 演題抄録 |
【II B-10】 |
神経病理 |
進行性失語で発症し前頭側頭型痴呆と診断されたが, 異なる病理像を示した3剖検例 |
積善会曽我病院・横浜市立大学医学部精神医学教室 加藤雅紀 |
【はじめに】前頭側頭型痴呆(frontotemporal dementia;FTD)は近年,臨床ならびに病理学的診断基準(The Lund and Manchester Groups,1994)が示されて以来,わが国でも臨床診断名としてしばしば用いられている.しかし,現在の時点では,FTDを臨床・病理学的特徴と病態機序の共通した一疾患単位とすることはできない.本研究では,進行性失語を初発症状とし,画像上は前頭・側頭葉優位の萎縮を認め,FTDと臨床診断されたが,異なった病理像を示した3剖検例を呈示し,臨床・病理学的疾患概念としての問題点や位置づけについて考察する. |
2000/07/06 |