第15回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【UA-4】
社会的対応
精神科老人専門外来通院患者の病状と介護認定

順天堂大学浦安病院神経精神科  一宮洋介,辻 昌宏,植田由美子,稲見理絵
馬場 元,江渡 江,飯塚美乃
     

 平成6年6月,順天堂大学浦安病院に老人性痴呆疾患センターが設置されて以来,老人の痴呆相談や診察希望が増加している.このため平成8年9月から月2回の老人専門外来を開設してサービスにつとめている.
 平成12年4月から介護保険制度の運用が開始されるが,これにさきだち平成11年度から介護認定の作業が開始され,かかりつけ医の意見書を求められるようになった.外来での精神医学的評価と実際の介護認定との関係はどうなっているのか興味がもたれるところである.
 そこで今回,当院老人専門外来通院中の患者の病状と要介護認定度について検討してみた.
 対象は,現在当院老人専門外来通院中の患者で,かかりつけ医の意見書を作成した20名である.全員独歩または車椅子にて外来を受診可能で,寝たきり状態の者はいない.
 年齢は52歳から89歳にわたり,平均年齢は75.5歳であった.性別では男性7名(35%),女性13名(65%)と女性が多かった.
 臨床診断はアルツハイマー型痴呆15名(75%),脳血管性痴呆3名(15%),体感幻覚症1名(5%),うつ病1名(5%)であった.
 介護状況は在宅が17名(85%),入所が3名(15%:老人ホーム2名,ケアハウス1名)と在宅が大部分を占めた.
 現住所は浦安市8名,市川市4名,船橋市3名,江戸川区3名,習志野市1名,千葉市1名であった.
 介護認定は現在も作業中で,現時点ではまだ一部の症例でしか認定作業が終了していない.これまでの結果では,要介護認定度は要支援から要介護4までと幅広い.発表当日には,さらにデータを増やし検討を加えたい.

2000/07/06


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