第15回日本老年精神医学会 演題抄録

 

【TB-24】
心理検査
高齢者に適用容易なリュッシャーカラーテストの有用性
   

石田クリニック  石田行仁
    

【序論】8色のカードで被検者の好みに従い順列組み合せ(ペア)を作成.これからその人のA(願望と目標),B(現在の心理),C(抑圧されている心理),D(不安の原因),E(問題の本質)について知りうる. 内省力不十分でも.
【方法】裏に0から7までの数字をふってあるカード(順不同)を被険者に「好き」な順にとってもらい2枚組のペアをつくる.ペアの数字を原本の数字と照合してA・B・C・D・Eの具体的内容を知る.その適確度は主治医,臨床心理士,被検者の知人3者で決める.次に「嫌い」な順から同一の手続きを踏み,A・B・C・D・Eのぶれの程度をみる.
【結果】24歳と70歳の実例(情報量に差なし)を呈示.これを含め24例の適確度を,一般と病者に分けて検討.70%以上の適確度は両者ともに85%を超える.それで実用に耐えると判定.さらに「嫌い」な順によるものと比較.「好き嫌い」ともに項目内容不変なるものもあるが,A・B・C・D・Eの項目別の分析をする.38歳男性例では「好き」の場合100%当たりであると言う.これらを含め,24例を分析するとA・D・Eは20%を上限として変動する.B・Cは30%以上で変動する.この差も注目に値すべし.
【考察】症例を重ねて以上の点を確実にすべきであるが,高齢者に向いた個体分析法であると考える.

2000/07/05


 演題一覧へ戻る