第15回日本老年精神医学会 演題抄録 |
【TB-20】 |
神経心理 |
アルツハイマー型痴呆の初期症状と経過に関する |
浜松医科大学精神神経科 星野良一,森 則夫 |
アルツハイマー型痴呆(以下DAT)は発症の時期が特定できにくく,緩徐に進行するため家族が痴呆に気づいたときにはかなり進行した状態であることが少なくない.DATの初期症状としては記憶障害が重視されてきたが,実際にはそれにさきだって実行機能が障害されていることが少なくない.このようなことからわれわれは痴呆の初期症状としての実行機能の障害に注目し,生活歴のなかでそれまでみられなかった仕事や家事能力の低下,状況判断能力の低下などが記憶障害や痴呆の周辺症状の発現に先行してみられているか否かを家族から詳細に聴取している.今回は約1年間の経過を追跡したDATの症例を対象に,認知機能の衰退や痴呆の進行と実行機能障害の発現時期の関連性を検討した. |
2000/07/05 |