論文名 | 健忘型軽度認知障害からアルツハイマー型認知症への進行に関する研究 |
著者名 | 児玉直樹・川瀬康裕 |
雑誌名 巻/号/頁/年 | 老年精神医学雑誌,22(6):717-722,2011 |
抄録 | 本研究では,地域に根ざしたクリニックに受診する軽度認知障害(MCI)患者の経過について調査し,MCIからアルツハイマー型認知症への移行状況についてまとめた.対象は,もの忘れを主訴として2006年4月〜2007年3月までに川瀬神経内科クリニックを受診し,Petersenらのamnestic MCIの診断基準を満たし,3年の経過観察を終えた32症例である.全対象者に対して,MMSE,かなひろいテスト,WMS-R,ADAS,SDS,MRI撮影を初診時に実施した.3年の経過により,32人中17人がMCIからアルツハイマー型認知症に移行し,年間の移行率は17.7%であった.また,移行群および非移行群の初診時において,VSRADは移行群で有意に高い値であったが,認知機能検査においては両群の間で有意な差は認められなかった.これらのことから,VSRADはMCIからアルツハイマー型認知症への進行予測として高い予測パラメータであると考えられた.
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キーワード | 健忘型軽度認知障害,アルツハイマー型認知症,VSRAD,進行予測 |