論文名 | 認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)への医療介入に関する実態調査 |
著者名 | 中野正剛・宮村季浩・平井茂夫・大澤 誠・川嶋乃里子・川畑信也・高桑光俊・高瀬義昌・田北昌史・楢林洋介・八森 淳・平原佐斗司・池田惠利子・元永拓郎・安田朝子
・木之下 徹・朝田 隆・池田 学・小阪憲司
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雑誌名 巻/号/頁/年 | 老年精神医学雑誌,22(3):313-324,2011 |
抄録 | 【目的】BPSDは,認知症のケアや医療のうえでの大きな問題となることが多い.今回,BPSDの実態を明らかにする目的で調査を行った.【対象および方法】在宅でのBPSD医療に積極的に取り組んでいる医療機関15施設を選び,134人の受診者に関して調査票による調査を行った.【結果】対象の80.6%に身体合併症がみられた.認知症の診断別のBPSDでは,レビー小体型認知症で幻覚,睡眠障害,不安の出現頻度が高かった.また,担当医が考えるBPSD悪化関連要因は,前医処方薬の影響が25.4%,身体合併症によるものが12.7%,双方によるものが11.2%であった.【考察】BPSD医療においては,認知症だけでなく,身体疾患と広範囲の領域にわたる薬剤への対応が高度に求められる.BPSD対応の地域資源が不足しているなか,今後,地域資源の有効配置や地域連携を考慮した医療環境整備とその活用が急がれる.
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キーワード | 認知症,BPSD,BPSD医療,身体合併症 |