論文名 | 精神科病院に入院中の認知症高齢者における睡眠とBPSDの実態調査,およびBPSDに対する看護介入の検討 ─ アルツハイマー型認知症,血管性認知症,レビー小体型認知症の比較より ─
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著者名 | 片丸美恵・宮島直子・村上新治
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雑誌名 巻/号/頁/年 | 老年精神医学雑誌,21(4):445-455,2010 |
抄録 | 【目的】精神科病院に入院中の認知症高齢者の睡眠とBPSDの実態を調査し,それらの各認知症疾患における特徴とBPSDへの看護介入の検討を目的とした.【方法】精神科病院に入院している60歳以上の認知症と診断された高齢者を対象に,睡眠薬の使用の有無,睡眠状況,BPSD 13項目に対して質問紙調査を病院スタッフに実施し,Kruskal-Wallis検定,Spearmanの順位相関係数とx2検定にて分析した.【結果および考察】研究協力が得られた17施設より,質問紙565部を回収した(回収率66.1%).そのうちアルツハイマー型認知症(DAT),血管性認知症(VaD),レビー小体型認知症(DLB)の診断名が確定している374例を対象にした.各疾患において,睡眠障害および,BPSD出現の割合が高かった.睡眠状況と睡眠薬の使用において,DAT群とVaD群は類似の傾向を示していた.DLB群のBPSDの出現では,「妄想」「幻覚」「不穏」の割合が突出していた.BPSDへの看護介入では,DLB群ではとくに行動症状の背景に,妄想や幻覚だけではなく不穏をアセスメントの視点にいれることが重要である.
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キーワード | アルツハイマー型認知症,血管性認知症,レビー小体型認知症,BPSD,睡眠 |