【方法】DLB の病理診断が確定している剖検脳12例(平均年齢76.3 歳,男9例,女3例)を用いた.McKeith らの病理基準では,limbic type は4例,diffuse neocortical type は8例に分類され,High-likelihood が8例Intermediate-likelihoodが4例に分類された.後部帯状回,頭頂葉下部,内側後頭葉(Brodman 17 : BA 17),外側後頭葉(Brodman 19 : BA 19)の各部位について抗β アミロイド,抗リン酸化τ,抗リン酸化シヌクレイン各抗体を用いて免疫組織化学的に検討を行った.それぞれの部位において,病変を強く認める3視野でImage Pro Plus software を用いてイメージ解析を行い,定量的評価を行った.同様に各領域において,Kluver-Barrera 染色を用いて,神
経細胞数,神経細胞の面積について定量的に評価を行った.
【結果】60 ms PPI は,最遅発性群,若年発症群,アルツハイマー病群で,それぞれ31%,14%,23% であった(F(2,65)=4.129,P=0.021).多
重比較にて,最遅発性群と若年発病群でのみ有意差があった.120 ms PPI については,最遅発性群,若年発症群,アルツハイマー群,それぞれ24%,26%,22% で有意差はなかった(F(2,65)=0.245,P=0.784).最遅発性症群と若年発症群のROC曲線より,特異度と感度はそれぞれ75% と57%であった(60 ms PPI のカットオフ24%;AUC=0.77;SE=0.09;P=0.024).それ以外の組み合わせのROC 曲線では,有意な結果は認めなかった.
【目的】認知症の行動心理症状:BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms ofDementia)が増悪した場合は,施設での介護が困難になる.その際に検討されるのが,認知症疾患治療病棟等を有する専門医療機関でのBPSDに対する入院治療である.そこで介護老人施設が専門医療機関へ入院治療の依頼をするBPSD の内容と程度を明らかにすることを目的とした.
【方法】大阪府下の老人保健施設協会,社会福祉協議会施設福祉部老人施設部会・大阪認知症高齢者グループホーム協議会に所属する全977施設を対象とした.日本語版Inventory in Nursing Home Version(NPI-NH)をもとに,12 項目の各BPSD がどれくらいの頻度,重症度,介護負担感になれば,専門医療機関に入院の依頼を行うかのアンケートを作成し郵送した.また過去1年間に各施設で専門医療機関に実際にBPSD のための入院治療を依頼した件数を調査した.