第18回日本老年精神医学会 演題抄録 |
【U2−76】 |
日本語版MMSEにおけるSerial 7,sの代替問題についての検討;単語逆唱と数字逆唱を用いて |
藍野病院臨床心理 小海宏之 藍野病院精神科 東真一郎 |
【目的】Mini-Mental State Examination(MMSE)は,Folsteinら(1975)によって考案された臨床的有用性の高い認知機能検査である.そして,MMSEの検査項目には「記銘」の次に,「注意と計算」としてのSerial 7,sがあり,その次に「再生」がある.したがって,Serial 7,sにおける早い段階での無答および誤答の場合は,その後の遅延再生が無効になる.そこで,遅延再生を有効にするために,Serial 7,sには代替問題の単語逆唱がある.しかし,原版も含めた日本語版のいずれも,Serial 7,sと単語逆唱との相関関係については,未検討なのが現状である.さらに,臨床現場においては,Serial 7,sの代替問題として単語逆唱はむずかしすぎるために,数字逆唱を用いるのが適切という意見も散見されるが,この点についてはいまだ実証されていないのが現状である.そこで今回は,MMSEのSerial 7,sにおける代替問題として単語逆唱と数字逆唱を用い,それぞれの相関関係を数量的に明らかにすることにより,日本語版MMSEにおけるSerial 7,sの代替問題としてどちらが有用かについて検討する.
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2003/06/18 |