第18回日本老年精神医学会 演題抄録 |
【U2−65】 |
高齢者の認知機能に対する睡眠健康の影響 |
国立精神・神経センター精神保健研究所老人精神保健研究室 白川修一郎 水野 康 駒田陽子 筑波大学臨床医学系精神医学 片野綱大 朝田 隆 広島国際大学人間環境学部 田中秀樹 吉岡リハビリテーションクリニック 松岡恵子 |
高齢者の睡眠障害の発生頻度は本邦でもほぼ30%を超えると推定されている.夜間睡眠が分断され日中に強い眠気の混入する睡眠時呼吸障害の患者では,注意(attention)機能,短期・中期記憶が障害されるとする報告が多い.長期不眠患者で記憶,集中力,課題遂行力や人間関係を楽しむ能力に障害がみられたとの報告もある.さらに,長期不眠高齢患者では,社会に対する協調性の低下や自己の生活に関する満足度などの意欲が低下することが判明している. 近年,痴呆性疾患の前駆症状と考えられるmild cognitive impairment(MCI)に注目が集まっている.記憶を主とする認知機能の障害がMCIの主症状であるが,症状の発現は安定していないという特徴をもつ. 本研究は,このMCIと睡眠健康の関係に焦点をあて,睡眠健康が高齢者の認知機能に及ぼす影響を検討することを目的とした.
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2003/06/18 |