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認知症基本法に関する検討会への意見

 
 2020年3月26日に行われた「認知症基本法に関する検討会」において, 別紙のとおり日本認知症ケア学会の意見を述べてさせていただきましたことを報告させていただきます.
 
一般社団法人日本認知症ケア学会
理事長 繁田 雅弘
2020年3月30 日
意見内容(書類より一部抜粋)
  1. 昨年6月18日に発表された『認知症施策推進大綱(以下 大綱)』においても重視された認知症の人の意思決定の支援について、本法案でも基本理念として掲げられていることを大変に心強く思います。今後の法案検討におきましても、引き続き意思決定支 援が重視されることを願っております。
  2. 本法案には『大綱』には出てこなかった「合理的な配慮」の記載を認めます。『障害者権利条約』には、「合理的配慮の否定」も「障害に基づく差別」であると書かれていま す。すなわち認知症のある人に生活上の困難を減らすための配慮を、できるのにやらないことは差別となります。今後の本法案の検討におきましても、認知症の人に対する合理的配慮が重視されることを願っております
  3. 都道府県認知症施策推進計画において、「都道府県は、都道府県計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、認知症の人及び家族等の意見を聴くよう努めなければなら ない」との条文があります。しかし、市町村認知症施策推進計画においては、「認知症の人及び家族等の意見を聴くよう努めなければならない」といった記載がありません。市町村ではマンパワーが十分ではなく意見を聴くことが難しいかもしれません。しか し認知症の人とその家族・関係者の支援は、地域の医療・福祉環境(人的・物的資源を含む社会関係資本)に大きく依存し、地域で可能な支援は市町村によって著しく異なります。当事者のニーズと要望に合った支援を行うためには、支援の直接の提供者である市町村におきましても意見聴取が重要と考えます。どの程度まで時間をかけて広く意 見聴取するかは市町村の事情に応じた可能な範囲とすることで実行可能性は担保できるのではないかと考えます。
  4. (相談体制の整備等)について記された第一九条では、「認知症の人同士及び家族等同士が支え合うために交流する活動に対する支援を行うものとする」との記載や、「認知症の人の状態に応じた対処についての学修の機会の提供その他の必要な施策を講ずるものとする」との記載があり、ともに認知症の人と家族を支える重要な方針と思われ、本人・家族・関係者がたいへん心強く感じると思います。これらの支援や施策におきましては日本認知症ケア学会や同学会が認定する認知症ケア専門士が大いに活躍できる 場面と考えます。3 万人を超える学会及び会員が活躍できる機会を与えてくださいます よう伏してお願い申し上げます。
  5. 認知症の人は、認知症という病名(診断名)が引き起こす偏見に苦しんでいます。それは周囲の偏見だけでなく、自分自身の病気に対する偏見も重なり、自信を失い将来に絶望する人が少なくありません。ぜひとも、「国民の責務」に認知症に関する正しい知識を持つことの記載とともに、「偏見の払拭に努めなければならない」ことを記すことをご検討いただきたいと考えます。
 
以上
 
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