認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私は,特別養護老人ホームに勤務している介護職員です.
先日,入所者のA氏さんが,リハビリを一所懸命がんばったかいもあり,数歩ですが何とか自力で歩くことができるまでになりました.Aさんは,「生きていればよいこともあるのよね」「もう少しがんばって,トイレに行けるようになりたい」と,いままでにない笑顔を見せてくれました.
ところが,面会に来たご家族に,これを喜ばしいこととして報告したところ,「あなた方はなにもしなくてよいです.私の苦労などなにも分かっていない」と,激怒してしまいました(あとから,Aさんが在宅生活で3度の骨折を経験していることを聞きました).
以後,それまで毎日笑顔でリハビリに励んでいたAさんは,ベッドで寝る時間が長くなり,私たちがリハビリに誘っても,「よいわ……」とだけ言って断るようになりました.
私たち職員は,Aさんが自立へ向けてがんばっている姿や,喜んでいるのを励みに支援をしてきたため,この出来事によって,「自立支援なんて,絵に書いた餅」とまで言う職員も出てきました.
このままではAさんの思いにこたえられず,ご家族にもうまく説明できず,職員のモチベーションも下がるばかりです.
どのようにしたら,この状況を改善できるでしょうか.みなさんのご意見をお聞かせください.

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投稿:女性 40代  介護福祉士 岡山県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2022/03/29 22:13:51

投稿者さんの苦しいお悩みは、実は介護の現場において永遠のテーマだと思いました。施設に入居するまでのご家族にしかわからない数々の出来事。そのことはご家族にとって苦しくつらい経験だったのでしょうか。施設の役割、ご家族のこれからのかかわり方。今をチャンスととらえて、しっかりご家族と施設が話し合うときだと思います。
 ・私たちは、何があっても利用者さんの利益のために動いています。
 ・利用者さんの権利を守るために、利用者さんの代弁者です。
 ・家族の思いにも寄り添いながら、不安や苦しみを取り除いていきます。
私もご家族に「家で倒れたり外に出られたら困るので、何もしなくていい。」と言われたことがありました。その時も一番に大切にしたのは「利用者さんの気持ち」「家族の気持ち」のすり合わせです。どうか、お互いの思いが
すれ違うのではなく、近づくことを心から祈っています。投稿者さんの思い、本気は伝わると信じています。


投稿:女性 60歳以上  介護福祉士 千葉県 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2022/03/27 3:09:39

特養でのAさんに対する自立支援に向けた取り組みは、素敵な事だと思います。
Aさんの笑顔と職員の笑顔が目に浮かびます。
ただ、ご家族の言動はとても残念であり悲しいですね。誰も幸せになれないですもの。
Aさんが自宅での転倒・骨折により御家族が大変な思いをしてきたから、今回のような言動になってしまったのでしょう。そして、介護職員を信頼していないのでしょうね。

・特養の入居者に対しても自立支援に向けた取り組みをする必要性。
・骨粗鬆症も、寝ているだけだと更に状況は悪化する。
・歩行出来たとしても、特養を追い出すようなことはしない。
・職員が十分に安全に配慮したうえで、Aさんがリハビリを頑張っている(それでもリスクは常にある)。

Aさんには「歩けるようになったら家に帰れる」などの嘘は言わずに、上記をご家族に伝えてみてください。
特養の理学療法士、介護支援専門員、相談員、介護職員などの職員同士が情報共有をして、Aさん家族の不安を取り除くことから、始めては如何でしょうか。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 福島県 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2022/03/12 13:19:20

職員さんのお気持ちお察しします。
その中でご家族が発した、「私の苦労などなにも分かっていない」ということに対して
まずは、ご家族さんの苦労を丁寧に聴くことからはじめることが大事ではないでしょうか?
話を聴くことで、ご家族がわかってくれたと思うところから、これからの方向性について
Aさんも含めて一緒に考えていくことが必要かと感じました。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 北海道 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2022/03/04 11:46:16

私が経験したケースで恐縮ですが、利用者本人・ご家族(娘)互いに言い争いが絶えない・職員に対しても随分不愛想な家族だなあと感じていた所、娘が小さい頃は母親から娘に、本人が年老いてからは娘から本人に対して虐待があったご家族でした。
私達が今目の前にしている介護の現場というのは、利用者本人にとって、長い人生のほんの一瞬の場面でしかなく、家族関係も長い歴史の中で、他人(介護職員等)が介入して改善できる事と、介入しようとも出来ない事があるのだと感じさせられました。                                     少しでも自分で歩ける事でAさんが嬉しいと言うのは、今のAさんの人生の一瞬の場面でとても大切な事だと思います。例えそれが絵に描いた餅でも何でも、嬉しい事があるのは喜ばしい事です。それをしてはいけないという決まりもありません。                                           本人やご家族の想い等を背景に感じながら、介護の現場では介護の現場として接していっていいのではないかと感じました。



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