認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

私は居宅介護支援事業所のケアマネジャーです.
私の住む町は交通の便が悪く,唯一の公共交通機関は1日に2〜3本のバスのみです.買い物に行くのも,病院にかかるのも自家用車が欠かせません.
現在,私が担当している80代の男性は要介護1で,パーキンソン病により身体が不自由です.最近は,もの忘れの症状も出始めていますが,それでも通院や買い物のために月に4〜5回は40km以上離れた町に車で通っています.ご本人は,「運転は怖いけど,やめたら生活ができない」と話しています.確かに,この地域では車がないと極端に生活が制限され,自宅にこもりがちの生活になってしまいます.自治体や地元NPO法人等が行う移動支援もありますが,利用時間や距離の制限,料金などの問題もあるため,満足に利用することがむずかしい状況です.
運転ができないという理由だけで,住み慣れた家を離れ,施設や都市部に引っ越さなければならないのでしょうか.みなさんはどのように考えますか.

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投稿:男性 30代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2017/02/27 9:45:18

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編集委員会より
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コメントをくださったみなさま,ありがとうございました.相談者にとっても参考となる意見があったのではないかと思います.
高齢者に限らず,移動に制限のある人はとても多く,どうすれば医療や行政,教育,または買い物や趣味の活動などにアクセスできるかを考えなければいけませんね.さまざまな制度をしっかりと理解して活用することはもちろん,地域ケア会議等の場で行政を巻き込んで問題提起をすることも非常に大切な取り組みであると思いました.
日々の業務に追われ,毎日を忙しくすごしていると,どうしてもいまある制度に頼ってしまいます.困っている人の立場に立って,周囲の人に理解を求め,解決に向けた動きをつくっていくことは,われわれ支援者の大きな役割であり,もしかしたら福祉の原点かもしれません.
今回みなさまからの意見を拝見し,支援者として大切なことに気づくことができました.本当にありがとうございました.


投稿:男性 20代  その他 東京都 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2017/01/06 0:54:10

生活が出来ないと言われても、交通事故を起こしたら元も子もありません。高齢者に限らず、買物弱者は世の中に沢山いらっしゃるようです。経済産業省では高齢者も含めて買物弱者として問題提起しており、今でも地域の生活インフラ改善に向けて取り組んでいる様子が伺えます。「経済産業省」「買物弱者」で検索するとヒットしますので、参考までに。
しかし現実問題として、一人の高齢者が買物等へ行くことがやや困難な状態。移動手段を解決出来そうな一つの可能性として、身体障害者手帳の申請を行い、1〜3等級くらいになれば多くのサービス(タクシーの割引)を受けられることがあります。現在、車両を運転出来ていることから、もしかしたら該当しないかも知れません。二つ目の可能性として、各自治体によってはタクシー利用助成制度もしくは外出支援サービス事業を行っている自治体があるようです。対象者の条件もあるため、自治体の窓口で相談してみるのも良いかも知れません。最近では運転免許を自主返納した高齢者にも助成する自治体も見かけられます。しかし、片道40km以上の距離数だと、助成額だけでは充足されないかと思います。
三つ目の可能性として、生活用品や食品関連を定期的に配達してもらえる業者を探すか、通販で注文して自宅まで配達していただくか。もしくは、介護サービスが使えれば、本人と同行して買物支援へ出かけるか。
では、通院手段をどうするか。病院によっては通院が困難な患者さんを訪問診療の対象にしているところもあるようです。パーキンソン病だと神経難病の部類でしょうか。現在のかかりつけ医に訪問診療が出来るかどうかを相談してみるのも良いかも知れません。
最後に、預金の引出をどうするか。社会福祉協議会の日常生活自立支援事業で日常的金銭管理サービスというのを行っているようです。1回につき1000円程度の手数料がかかってしまうのが難点ですが、預貯金の引出を代理で行っていただけるようです。
本人が自宅を離れたくないと思っていれば、早急に引っ越しする必要は無いと思いますが、少なからず、手数料的な金額はかかってしまう状況は考えられます。身内の親族親戚がいれば、生活基盤を支えるための金銭的支出や買物支援への協力が行えれば理想的かと思います。


投稿:女性 50代  介護福祉士 奈良県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2016/12/25 23:35:41

自家用車が無いと不便な地域はたくさんあると思う。死亡事故に自分は関係無いとか想像もしていないと病気で無くとも思いがち。老若男女関わらずついついそう思ってしまう。車無しでどう利便性を確保するのか?遠隔治療や宅配、生活パターンを変化させる。元気な若者でも変化を楽しむには、発想の転換や自ら納得することが必要。これで良しと思わなければ自動車運転から離れるのは難しいと思う。経済的なことも含め課題は山積みのような気がする。個人の問題と思うところを、みんなの問題とし解決策を探ぐる必要がある。解決に助けとなりそうな人との繋がりも必要。その辺りを誰が担うのか?難しいと思いますが、先ずは声を上げるところから。


投稿:女性 40代  その他 新潟県 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2016/12/10 22:32:33

薬局勤務の薬剤師です。認知症治療中の方が、月150人ほどいらしています。(約4割の方が本人来局)

「車がないと病院通いができない。怖いけど運転せざるをえない。」と言っている方も多くいらっしゃいます。しかし、本人が、自分が危険かどうか?わからないで運転している方のほうが多い気がしています。
本人がどういう状態か?自分で判断できる方法があるといいのに…と思います。
実際、医院の近所に路駐していた車にぶつけてそのまま帰ったとか、受診後に近所の家の車庫に突っ込んだとか…ということが、たびたび起こっています。(幸い人身事故には至っていませんが…)

認知症の治療中でも、自分で運転してきている方も多くいらっしゃるので、投薬時に「今日は車で来たの?怖いことない?」など尋ねたりしています。何か考えてもらうきっかけになれば…と思っています。
医師からは、運転に関する指導がなされていない人が多いようです。

市の支援だと思うのですが、この辺では最近、免許返納した方には、一時的には無料タクシー券or無料バス券の支給、その後にはタクシー・バスの割引制度ができたようです。車の使用頻度や維持費を考えるとどちらがいいのか?考えてみるよう話してみようかと思っています。

この辺ではありませんが、予約制の乗り合いタクシーを近所の人同士で利用することでうまくやれている地域もあるようです。タクシー会社と市の支援により行われている制度らしいです。


投稿:女性 30代  社会福祉士 福岡県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2016/12/03 23:00:11

地域がら車の運転ができないと、受診や買い物、区役所まで行けない銀行まで生活費を下ろしに行けない等の様々な理由で、生活に制限をうける高齢者の方が増えてきていることと、運転事故を防ぐためにも快く運転免許を返納できるまち作りということで、地域ケア会議の開催を行政に申し立て、地域の事業所や民間企業を巻き込んだ買い物や移動手段の問題を緩和するための会議を行った事があります。形になるまでは約一年ほどかかりましたが、賛同してくれる地域の民間企業や事業所等が無償とバス料金程度の金額で送迎サービスを行う新たな資源が出来た事例があります。また、バスの運行時間についても地域でアンケートをとり、運行時間を調整したり、時間帯によっては巡回回数を増やしたりすることで、バスの利用者も増えました。交通不便さについては一人の問題ではなく、地域の問題点として捉えることで、出来るだけ在宅での生活を継続したいという利用者の思いを実現できる環境を整えることができるのではないでしょうか。



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