認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私は,内科医院で勤務している看護師です.
この内科医院にも,地域で暮らしている認知症の方がご家族につき添われて受診にやって来ます.
そのなかに,アルツハイマー型認知症と診断されている女性(83歳)がいらっしゃいます.1年ほど前から受診していて,主治医の処方で抗認知症薬と睡眠薬を服用しています.
服用を始めてから半年ほどでよく眠れるようになったということで,先日の受診時に主治医が「そろそろ睡眠薬を飲まなくても眠れるようになっていると思うので,だんだん睡眠薬を減らしていきましょう」と提案していました.ところが,ご家族が「先生,それでまた眠れなくなったら困るので,睡眠薬をやめるなんて言わないでください.睡眠薬を出してもらわないと困ります」と言い,結局は睡眠薬の服用を継続することになってしまいました.
これからのことを考えると,睡眠薬は中止する方向のほうがよいと思い,医師にも意見を伝えましたが,「睡眠薬や抗不安薬といった薬が必要なくなっても,中止することを不安がる患者や家族が多くて困る.でも,患者と家族の安心がいちばんだから」と言うだけで,なにも解決しようとしていません.
このような認知症の方とご家族に対して,みなさんはどのように対応していますか.アドバイスをお願いします.

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投稿:女性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2016/08/18 13:17:53

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編集委員会より
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皆さま,ご意見をありがとうございました.
わが国では,睡眠薬を含む多くの向精神薬が高齢者に処方されていることが問題視されてきました.しかしその背景には,主治医が向精神薬の減量や中止を勧めても,高齢者と家族介護者が不安を感じてその提案に応じないという状況が少なからずあることが,皆さまからのコメントで分かりました.
今回のご相談は睡眠薬の減量・中止についてでしたので,高齢者や家族介護者の立場に立って,眠れないつらさや眠ってもらえないことによる介護負担感をしっかりくみ取ることが,第一に専門職に求められていると思います.そのうえで,副作用や二次障害・合併症の危険から高齢者を守ることも必要ですから,気持ちよく眠ることができてスッキリ目覚められるようになるために,日常生活の工夫としてできることを高齢者,家族介護者とともに考える,できていることを認め,励ましていくこともできると思いました.しかも,これらは在宅ケアチームが実際に機能しているからこそ,できる支援です.
今回は訪問などによって支援している薬剤師の人からもコメントをいただきました.薬の処方に関する高齢者・家族介護者とのやりとりは診察室のなかで主治医と高齢者・家族介護者の間で行われることが多いと思います.しかし,薬の減量・中止のプロセスを高齢者や家族介護者とともに多機関,多職種で構成される在宅ケアチームで支援していくことが目標達成への確実な道となります.そのことを実感することができたネットカンファレンスに感謝いたします.


投稿:女性 40代  その他 新潟県 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2016/07/31 17:47:44

家族の理解がまず必要ですね。
当薬局では、睡眠薬などの向精神薬の使用継続による弊害について、家族にきちんと伝えて理解していただくようにしています(本人が理解できると思っている方には本人にも)。また、薬以外の睡眠を誘導するための工夫について具体的にどうしたらいいか?相談にのっています。本人に合った方法が見つかるまで相談にのることが必要なので、時間がかかりますが…。
急になくす…では不安でしょうから、まずは使う回数や量を減らせるか?家庭で工夫してみることからお勧めしています。

お近くに信頼できる薬剤師はいませんでしょうか?医師・看護師とは違った視点で話をしてくれるかもしれません。


投稿:男性 50代  その他 北海道 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2016/07/26 0:22:50

そういったケースは、よく見かけられます。医師からの服薬指導に関して信用しなかった方も実際にいらっしゃいました。
「睡眠障害の対応と治療のガイドライン第2版」[2500円]には、睡眠障害対処12の指針が掲載されております。
著作権がある為、そのまま投稿は出来ませんが。。。
普段の生活の中で安眠に繋がりそうな事柄(非薬物的な対処として)を家族側にアドバイスしても良いのではないでしょうか?


投稿:女性 30代  介護支援専門員 兵庫県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2016/07/14 17:34:41

私は居宅のケアマネージャーです。現在、在宅での生活をなさっているのであれば、介護保険を利用し、試しにショートステイを利用してみてはどうでしょうか。環境が変われば認知症状が進行してしまうリスクもありますが、家族の介護負担軽減と、ショート先で睡眠薬無しでも眠れている事が確認されれば、少しは家族様も睡眠薬への依存が減らせるかもしれないと思います。費用の問題や本人の環境変化への戸惑いもあるかとは思いますが、提案の一つとしてと思いました。
日中の状況がよく分からないのですが、もし日中何もしておらず、お昼寝等をされているようなら、デイサービス等を利用し、日中は活動、覚醒する事で、夜間の睡眠を促せるのではないかと思います。いずれも費用問題がある事が前提ですが・・・


投稿:女性 40代  看護師・保健師 兵庫県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2016/07/05 7:56:37

看護師としてお気持ちはすごくわかります。現状、必要ないと思われる薬を飲みつづけている方が多いのではないでしょうか? 施設や病院等の職員は一時だけの付き合いですが、家族はずっと一緒に過ごすのです。それに、施設を利用しようと思っても、寝なかったりBPSDの様な症状があれば、介護負担の軽減といってショートステイを利用しても家族は何かあって連絡が来るのでは?続けて使えるのだろうか?と不安なお気持ちを抱かれることもあります。ご家族の立場に立って考えると先生の言われるように「安心」を提供するために薬を処方し続けることも、必要な事なのではないかと思います。寝れなければ家族が起こされて、家族の睡眠も保証はできないのですよ。
それより、こうしたら睡眠を促せるかもしれないという方法を助言して差し上げることが大切かと思います。そういう代替えになる方法があれば、ご家族も薬を減らすことに同意頂けるのではないでしょうか?


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 病院 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2016/07/05 2:02:11

私は認知症を専門とする病院の病棟看護師です。
この事例からは、患者さんの日中の様子がわからないので何とも言えませんが、書かれてない事から、睡眠薬のために翌朝の覚醒が悪かったり、歩行にふらつきが出て転倒の危険がある、と言った睡眠薬をどうしても減らさなくてはいけないといった症状はないように思います。今の睡眠薬でしっかり眠れて、覚醒が良く日中の活動に問題がないのならば、医師が言うように、今は介護されている御家族の安心を重視するのはいい判断だと思います。これからの事を考えると中止したほうがいい、と書かれていますが、むしろこれからの事を考えて昼夜のリズムを維持する事と、安心して御家族が介護を続けられるようサポートする事が重要だと思います。そもそも外来で処方される睡眠薬は入院患者と比較しても、さほど強い物は出さないと思います。そこまでナーバスにならなくてもいいのではないでしょうか。


投稿:男性 30代  その他 千葉県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2016/07/04 18:35:11

薬局で薬剤師をしている者です。
認知症グループホームや個人宅で、認知症の方のお宅に毎日訪問しております。

看護師さんから医師にこのような提案をしていただけるのは、とても心強いですね。
なかなか意見を聞いてもらえないこともあり、ご苦労だと思います。

睡眠剤は、すぐに効果の出るものもあれば、2〜3カ月の服薬後にようやく効果の出てくるものがあります。
遅く効果が出る代表的な薬剤は、ラメルテオンなどですね。

文章から、半年の服薬後に効果が出てきたようなので、もしかしたら遅効性のラメルテオンのような薬剤かもしれませんね。
このような薬剤は一旦服薬中止して、必要になって後から再開しても、同様の効果が得られるまでに時間がかかってしまうことがあり、医師としてもなかなか中止しづらいのではないかな?と思います。

私がいつも提案しているのは、中止ではなく、まず頓用から。です。
いきなり睡眠剤がゼロになると、ご本人や介護者さんも不安になってしまうので、眠れなかったら飲める薬剤を常備しておくことで、これらの不安を解消できることが多いです。

そして大事なのは、頓用にする時にはラメルテオンのような遅効性の薬剤は不向きだということです。
血中濃度の立ち上がりが早い、即効性のある薬剤が頓用には向いています。

このようなことを医師、薬剤師と相談して、なるべく減らしていく方向にもって行けると良いですね。
頑張ってください!
薬剤選びも大事になってきます。





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