認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

私は,地域包括支援センターで相談業務をしています.
先日,50代なかばの女性から,以下の相談を受けました.
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両親は2人とも80代後半で,現在2人暮らしをしています.
もともと両親の夫婦仲はあまりよくなく,好き勝手な生活をしていた父に母はいつも悩んでいました.
しかし,ひとり娘である私(相談者)が結婚したことを機に,父と母は話し合い「これからさき,なにがあっても2人で支え合ってゆっくり暮らしていこう」と決めたようです.
そのような想いを大切にしていこうと思った私は,嫁ぎ先から片道1時間半ほど離れた実家に毎週末帰っては,生活に必要なものをいっしょに買いに行ったり,掃除をしたりと,日常の生活を支えようとがんばっています.私としては,毎週帰ることは苦痛ではなく,両親が仲良く暮らす姿をみることがとても嬉しく,心地よい想いになります.
しかし,帰るたびに近所の方々から「弱っている両親をそのままにしていて大丈夫?」「夫婦2人で暮らしていて火事になったらかわいそう」「毎週遠くから帰ってくるのはたいへんでしょう」などと声をかけられます.
近所の方々が口にするその言葉は,心配からの言葉かもしれません.でも,私の心が濁っているせいか,私には「火事になったら私たちが迷惑だ」「家族ならちゃんとみて」と責める言葉に聞こえるのです.私はどうしたらよいのでしょうか.
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みなさんならどのようにこの娘さんの相談に対応しますか.みなさんの声を聴かせてください.

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投稿:男性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2016/06/28 18:56:45

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編集委員会より
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今回の事例はとてもむずかしい課題であったかと思います.
相談をされたソーシャルワーカーさんもどこから手を打っていったらよいのかが分からない状況にあったようで,手がかりになる部分を探していました.
私たちは「地域で支えよう!」と推し進めていっても,地域の中ではこうした感情が生まれてしまうのも現実にあることを知らされます.
先日,このソーシャルワーカーさんと同行訪問をしました.すると,ちょうど帰りがけに近所の人に会い,世間話ぐらいから娘さんを含めてお話を伺うと,近所の皆さんはご夫婦のことをほんとうに心配していることがうかがえました.
ただ,その心配をどのように娘さんに伝えたらよいのかが分からず,口ごもりながらの声かけや,問題と感じていたことを問題とストレートに言ってしまったことでお互いの誤解や行き違いがあったようです.話が進むにつれて,近所の人は「ひどいことを言うつもりではないのですが,受け手によっては責められているように聞こえてしまうものなのですよね.あとひと言つけ加わると優しい言葉になるのですね」と話をしていました.
今回のような,お互いの思いの行き違いは,直接語り合うことが増えれば理解し合える内容でした.
実践の現場では,相互の想いを伝え合う機会が少ないことで,ちょっとした行き違いから大きなトラブルへと発展していってしまう場面に出合うことがあります.言い換えれば,相互に想いを伝え合う対話が多くもてれば,想いの行き違いを防ぐだけでなく,支え合う関係を1歩前進させる機会は増えてくるのでしょう.
地域で支えるシステムづくりが進んできました.そのシステムの要は,そこに住む1人ひとりの住民です.その住民の意識をどう育んでいくのか.また,住民同士の語り合いの時間をどうつくっていくのか.
住民の意識を育む,具体的な行動へと促すためには,1人ひとりとの率直な語り合いと想いを話し合える場をつくっていくことがなによりも大切になってくると,今回ソーシャルワーカーさんと同行訪問する中でお互いに実感することができました.



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