認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

私はデイサービスに勤務する20代の作業療法士です.近年,デイサービスが増えており各事業所間の競合も多いようです.私が勤務するデイサービスの経営者も,「利用者の新規獲得と継続利用は経営上の課題だ」と話しています.そのようななか,先日,利用者にある行動を促した途端,トラブルに発展しました.それは…….
77歳のAさん(男性)は,左半身に軽いまひがあります.玄関で靴を履くのが困難で,送り出す奥さんもその介助にひと苦労です.そのため,Aさんに私は「靴を脱ぎ履きする練習をしましょう」と勧めました.すると,「そのようなチマチマしたものでなく,歩く練習をさせろ!」と言うのです.またある日は,入浴時の介助量が減るように,体を洗う練習を勧めると,「それは,あんたたちの仕事だ」と,お金を払っているから介助を受けるのが当然と言うのです.
Aさんは経営者に苦情を持ち込み,結果,われわれは介助をもっと増やすように指示を受けました.納得がいきませんが,みなさんのまわりにこのような利用者や家族はいるのでしょうか.また,今後どのように対応していったらよいのでしょうか.

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投稿:男性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2015/04/02 10:38:36

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編集委員会より
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貴重なご意見をありがとうございました.相談者はみなさまからのご意見を読むうちに一方的な見方に陥る怖さを自覚していったようです.相談者からコメントをいただきましたので紹介します.

みなさま,ていねいなコメントをありがとうございました.Netカンファレンスに投稿した作業療法士です.1つひとつのコメントを何度も読ませていただきました.そこで,大きな気づきがありました.それは,「サービスを受けることを主張しているのではなく,いまの自身の気持ちを受け止めてほしいのでは?」と指摘してくださった点です.Aさんは入院中のリハビリテーションでは身体機能訓練が中心でした.それも短期間で退院したので,障害に対する受容がむずかしい時期だったのかもしれません.Aさんが日常生活の困難に対して困惑しているときに,私は一方的な見方をしていたのであろうと反省をしました.本人とのコミュニケーションが大切であり,日々の会話のなかに支援の手がかりがあることも再確認できました.
一方,苦情を言いつつ利用を続けるAさんについて,「事業所に期待し,問題定義をしてくれた人と理解し合うほうがよいのでは?」というご意見をいただきました.この言葉は,私にとって胸が痛みました.「苦情ばかり言うから,会いたくない」とまで思っていたのです.そこで,数日前から避けていたAさんとしっかり向き合うようにしました.今朝,笑顔で話してくれるAさんに,「いままでごめんね」と伝えることができました.


投稿:女性 50代  介護支援専門員 新潟県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2015/03/28 19:45:11

先に書かれたコメントにたくさんのヒントがあるように思います。

本人の希望が「(以前のように)歩けるようになりたい」、プランの内容が「靴の脱ぎ履き、洗身の練習」となると希望(本人のニーズ)とプランの内容が違うように感じるのではないでしょうか。
奥様がたいへんだから「靴の脱ぎ履き」、入浴の介助量を減らす為に「洗身の練習」ではあなたがいくらご本人の為だと思っても伝わらないと思います。
ご本人が「歩きたい」、それなら日々どんな訓練が必要で、その中で靴の脱ぎ履きも大事なのだという道筋があれば良いと思います。

あるいはご本人にとってなにか達成感のある内容をプランに盛り込んで成功体験を積んで頂くというのもひとつではないでしょうか。

以前もこのような内容のテーマがあったように思います。
今介護保険で生活動作の訓練のことが言われています。この動作ができなくなったら現在の生活の継続が難しいということは高齢者や障がい者にとってとても大事な視点ですし、本人にとって時には目的を見失ってしまう可能性もあると思われます。それを意識付けてプランに盛り込んで伴走するということは大切だと思います。

また、介護サービスの契約、小規模多機能のような本人に合わせたサービスの契約も、一番最初の契約時にどういう契約をしたかが大切だと思います。まず自立支援が目的であることやどのようなサービス利用を提供するのかという説明があって、ご本人がどう取り組むかということになると思います。それにより過剰な介助を減らし、本来のサービス提供ができると思います。
しかし、なかなか難しいところがあります。本来の着地点から遠回りしながらご本人と必要性を一緒に考えるということも大事だと思います。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 神奈川県 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2015/03/26 17:17:54

利用者様が、介護保険について誤解している部分があるのではないでしょうか?
ケアマネージャーはケアプランを立てる時、本人としっかり向き合ったのでしょうか?
その方の性格にもよりますが、ケアプラン作成時に目的をはっきり示し、目標を立てて順番にリハビリする事をきちんと伝えないと、何かにつけて苦情をおっしゃるのではないでしょうか?
現在のケアプランではどのような目標を立てていますか?
あなたの勝手な解釈で、靴を履く練習を取り入れたのでは?
まず、利用者の話をよ〜く聞いて、十分理解してから、自分の意見を伝えてください。
もしかしたら、あなたの対応が悪かったかも。
利用者は自分より年長で、人生の先輩です。利用者によって対応は様々ですから、利用者が気持ち良くリハビリできるよう声かけを工夫するのも仕事の1つだと思います。
まずは傾聴ですね。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 神奈川県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2015/03/18 11:56:57

本来の自立支援の観念がお持ちではないのでしょう。サービスを受けているのだから介助を受けるのは当たり前になっていると思われます。
CMには上記の事は伝えているのでしょうか? ケアプランの位置づけはどうなっているのか知りたいです。

歩行練習も行いつつ、生活全般でのリハビリの重要性を今一度話い合う必要性があると思います。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 神奈川県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2015/03/17 23:55:24

A様の麻痺という障害が苛立ちの要因になっているような気がします。今までできていたことができない、人に手伝ってもらわなければできない、障害を負ってから受容の過程を辿っているようです。このような時に家族や医療、介護の専門職がどのようにサポートしていくのかが問われると思います。A様は本当はサービスを受けることを主張しているのではなく、今の自身の気持ちを受け止めてほしいのではないでしょうか?
怒りの時期では私たちからの提案よりA様自身の言動や行動を観察して潜在的なご要望を引き出すことのほうが大切です。本人の意向が反映されたサービスの提供が継続利用にもつながるような気がします。


投稿:女性 50代  介護福祉士 奈良県 老人保健施設 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2015/03/12 13:22:03

ご利用者やご家族の課題をしっかり観察なさっていると感じました。残念なことにご利用者の課題認識と専門職としての課題認識に差が生じてしまったかと思います。どの訓練も大切なものです。共有された課題認識を持つことで、継続的訓練が実施できると思います。サービスを利用する側と提供する側では、微妙な差でも大きくなる事が有ります。共有できるようご利用者やご家族とのさらなるコミュニケーションをいろんな職種の方々と共に摂られる必要を再確認させていただきました。


投稿:男性 30代  介護支援専門員 東京都 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2015/03/10 2:30:22

介護サービスを受ける権利を主張する利用者さんは確かに存在します。
麻痺の状況ではございませんが、たとえ、御本人様が認知症と診断されていても、自分で出来ないことに対して、苛立っているような態度で「あなた達の仕事なのに、なんで、私を苛めるの」というような発言や、更にマイナス思考発言、被害妄想に発展してしまうことがよくあります。
 あまりにも、介護側がラクしているような取り扱いにしないよう細心の注意を払い、本人が自立できるタイミングや促せられるタイミングを見計らって行い、最後は上手くできたことを褒めることが大事でしょう。それ以前に、ケアプランの内容として、どのような目標計画を立てているのでしょうか?
 例え経営者が運営上の問題点を現場まで引っ張り出してきたとしても、利用者からの苦情に発展してしまっては元も子もない。ということは、経営者が現場の状況をしっかり把握した上で、どのような取り扱いを行って対応すれば、利用者のためになるのかをしっかり話し合ったほうがいいのではと思います。ワンマン経営やお金だけの意識が強いと、矛盾した取り扱い?混乱経営?それってもしかして理不尽?な要求なのかもしれませんね。
 悪い言い方すれば、経営者が介助を増やす指示をしたならば、その指示通りに業務をこなせばよいと思います。ただ、利用者さんのためにならないことが増えたり、また事業不振に陥っても、仕事に使えている人達に責任が及ぶことはないでしょう。
何を以て介護サービスと言えるのか、こういった厳しい状況だからこそ、原点に戻る必要があるのではと思います。


投稿:女性 50代  介護福祉士 大阪府 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2015/03/09 0:54:34

Aさんは左半身マヒがあるため、思うように出来ない事が多く、苛立っておられる時期なのではないでしょうか。
でも、拒否ばかりではなく、歩くことに意欲が見られますし、苦情を言っても継続利用しておられるのは、相談者さんの事業所に期待をしているという事だと思います。クレーマーと取るか、問題定義をしてくれたと取るかです。
本人のニーズと、専門職として必要なケアの提案を調整する場として本人・家族を含めたカンファレンスはしておられないのでしょうか。
しっかり思いを聞き、自分の事を真剣に考えてくれる人がいると伝われば、徐々に信頼関係が築けるのではないかと思います。

私もデイの生活相談員をしていた時は、新規獲得と継続利用は大きな課題でした。
営業にも行きましたが、スタッフ皆と相談し、今いる利用者を大切にする事から始めました。気持ちよく過ごしてもらえるよう、取り急ぎトイレをピカピカにしたり拭き掃除したり(笑)
利用者は良く見ておられます。喜んでいただけるようになると口コミで知人を連れてきてくださることもあります。
相談者さんのデイに<ハマる>利用者がふえると良いですね。



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