認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

私は,老人保健施設に嘱託医としてかかわる医師です.
他施設より移動してきた88歳の認知症の人について,お聞きしたいことがあります.
入所当初は向精神薬が多く処方されており,過沈静,嚥下障害などがみられたため,薬を徐々に減らしました.その後はすっきりして,食欲,睡眠ともに1〜2か月は安定していましたが,ここ1か月ほどで不眠やトイレ誘導を求める頻度が増えてきました.ひどいときには5分おきに「おしっこ,行かせて」と訴え,スタッフがすぐに行かないと叫ぶようになりました.ここ1週間ぐらいは昼夜を問わずそういった症状が出現しています.
認知症の程度としては中等度〜高度であり,歩行は介助レベル,トイレはパットを使用しています.簡単な日常会話は問題ありません.落ち着いているときには世間話はできますが,すぐに「先生困っとるんよ」と心気的になります.もちろん内科的には大きな問題はありません.
当施設は,夜間は介護士1人となるため,個別の対応はむずかしく,他入所者からの苦情も増えてきました.
精神科の医師にも相談していますが,単に薬を戻すのではなく,なにかよいアイデアはないものかと思っています.
みなさまからのご意見をお待ちしております.

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投稿:男性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2014/09/05 19:45:11

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編集委員会より
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編集委員会からのコメントの代わりに,今回は相談者からのコメントを直接記載します.

みなさんお忙しいなか,さまざまなご意見をいただきありがとうございました.私自身は認知症の専門医ではありませんが,日々認知症の患者をみており悪戦苦闘しています.
相談したケースも施設の看護師,介護士を含め何度も話し合いをもちながら対応しておりました.
このようなケースはまれではなく,われわれも日々経験していることであり,みなさんもきっと同じではないでしょうか.しかし,「○○メソッド」といったスタンダードな治療法はなく,個々のケースに合わせて対応を工夫するのが現状かと思います.
私としては,「こんなやり方もあるのか!」といったアイデアを期待していました.みなさん専門的にケアに携わっているためか,やや常識的・教科書的な意見が多く,「〜はしたのか?」「原因はなにか?」といったコメントが多かったように思います.
ご意見にあったとおり,時間の経過とともに生活リズムやスタッフ・入所者との関係が安定し,現在は落ち着いてきました.ありがとうございました.


投稿:女性 50代  介護支援専門員 新潟県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2014/08/22 20:59:12


その現場にいたら、ご本人が「困っとるんよ」と言われた時に何に困っているのかよく聞いてみたいと思います。ご本人に一度話したいだけ話をして頂き、話の最後に不安が軽減され落ち着くところまでいくと体調が悪くて困っているのか、不安が大きくて困っているのか、妄想的になり困っているのかがわかると思います。
ご本人が話したいだけ話をして落ち着くのなら泌尿器系の病気ではなく、不安が大きいのだと思います。簡単な返事ができるのでその人の生活暦や現病から考えられる体調、気持ちなど簡単な返事で答えられるような質問をいくつか重ねて聞いていきます。その中でご本人の変化を見つけることが大事だと思います。落ち着いた時の会話を大事にし、不安になった時にそれに対応するよう会話をしてみると良いと思います。


一度は精神的に大きな混乱がみられ精神薬の服用があり、そして老健に入所し精神薬を徐々に減らしていった、いったん落ち着いて過ごしていたけれども現在は頻尿でトイレ誘導の回数が多いということですが、認知症の中〜重度で介助で歩行ができる方ですとトイレに行きたい場合、普通はだまってトイレに行こうとして転倒のリスクが高くそのほうが心配です。この方は叫ぶように介助者を呼ぶので確かに心気的な面が伺えます。寂しい部屋でなく、現在の部屋より少し人の気配のある部屋に移動するのもよいかもしれませんし、
夜間、他の利用者より就寝時間を遅くすることはたくさんの施設で行っているのではないでしょうか。
また精神薬服用中に浮腫がみられ利尿剤を処方されていて、精神薬が中止になり、利尿剤をそのまま服用していると効果が強く出るように思うときもあります。


排尿障害は男性と女性と疾患、対応が異なるように思います。この方は男性でしょうか、女性でしょうか。女性より男性の方が夜間頻尿の方は多いです。男性なら前立腺肥大によるものもあるで、その可能性が高かったら専門医に看てもらい適切な服薬を開始することも考えられます。女性ならどちらかというと朝方の頻尿が多いです。女性の頻尿は膀胱炎か、尿道閉鎖が疑えると思います。膀胱炎は高齢だと熱発や痛みが少なく発見しづらいです。専門医にかかるまでに時間がかかります。尿道閉鎖ですとある時までトイレに頻繁に行っていてしばらくすると腹部膨満となり高熱が出たり歩行できなくなったりしてから病院に行くということもあります。


今回の問いから少し離れますがレビー小体型認知症の方は夜間せん妄がみられるということですが、頻尿でトイレに頻繁に通う方が多いように思うのは私だけでしょうか。夜間覚醒するということもありますが初期〜中期のレビー小体型認知症の場合、パーキンソン症状が伴うので夜間ご本人が体の動きが悪く、汚染しないようにトイレに間に合うようにしたくて回数が増えるということも考えられます。他の認知症の疾患の方で尿漏れが心配で頻尿ということでしたら認知症が軽度な方は下肢筋力upや失禁予防の筋力upというのも考えられます。

もっといろいろなことが現場では考えられているのではないでしょうか。


8月のテーマでこの問いがあると疾患のみではなく、長く家を離れ施設に入っていてもお盆を忘れずなんとなくこの時期不安になったり、寂しそうな様子がみられたりして時期を過ぎればまたいつの間にか落ち着くということもあります。
また、夏になり冷房が入ると活動量が少ない高齢者はお腹の冷えの為に頻尿になることもあります。現在の私の利用者で100歳を越える男性で歩行できる方ですが排泄面での不調の訴えが多く腹巻を使用して保温していただき、特に訴えのある時は腹部に温熱効果のあるものを実施して様子をみている方がいます。冷たい飲み物も高齢者にとって腹部の冷えにつながることもあると思います。


コメントをしばらく続けていましたが、少しお休みします。



投稿:男性 30代  その他 兵庫県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2014/08/19 1:36:41

非薬物的な対応について、ということで。

1 一般的な不眠であれば、日中の活動量を増やして、日内リズムを整えていくことが普通かと思います。太陽にあたったり、外の作業を行うなど。ただ、睡眠障害に影響される生理現象や夜間の騒音、認知症などの影響によって、日中の活動量を増やしてもなかなか深い睡眠にならない場合も考えられます。後はお風呂に入ってスッキリするとか、食事をする時は良く噛んで食べるとか、一般の人のように脳内のセロトニンを増やして、安眠に繋げるみたいな習慣が続けられるように。

2 トイレの頻回を少なくするにも、日中の水分摂取量を調整したり、腰痛運動や歩行を促して、下肢筋力の向上を図る、汗をかくなどの対応方法も考えられます。寒ければ、温度のコントロールを調整するなど。

3 スタッフ側も、入居者側にしっかりと落ち着いて説明すべき対応が必要なのではと思います。
例え、すぐ行動出来なくとも、関わる姿勢も本人の世界にとって不可欠なのかも知れません。

3 ちょっと気になること
実際に、5分おきくらいで「排尿」されているのでしょうか?
ご本人様の愁訴内容で、一体何に困っているのでしょうか?
実は関わってもらいたいための、訴えなのでしょうか?
向精神薬が多く処方されていた理由について?

時間的にも体力的にも余裕があるならば、1〜3の事柄での対応は可能かと思います。


投稿:男性 40代  介護福祉士 東京都 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2014/08/09 0:47:56

大変ご苦労されていることとご心中お察しします。
先生は、認知症とおっしゃいますが、原因疾患はなんなのでしょうか?
一般的なアルツハイマーなのかレビーなのかいずれにも処方も変わってきますし
一度、コウノメソッドを勉強しては、いかがでしょうか?


投稿:女性 50代  介護福祉士 奈良県 老人保健施設 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2014/08/07 14:25:41

先の2件のご意見 もっともと思われます。 以前の服薬について、もう一度原因を見直すことも必要かと思います。また、落ち着いているときの興味は何か、何をしている時が落ち着くのか、探ってみることも必要かと思います。泌尿器系に問題はないのかどうかも確認の必要があるかもしれません。日中の活動性を上げ昼夜逆転にならないよう工夫が必要と思われます。家事作業やご自身のできることを見つけて生活にメリハリができれば 良い兆しが見えてくるかもしれません。一人ひとりに十分かかわりたいと介護職は思っていると思いますので、情報もお持ちかと思われます。どうぞチームで取り組んでください。


投稿:女性 40代  介護福祉士 神奈川県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2014/08/07 10:55:10

老健に移動してきた、という理由は何でしょうか?居宅への復帰を目指すことが目的でしょうか?
安定していた1・2ヶ月と現在とでは、活動量や食事量はどの程度の違いがあるのでしょうか?
職員の方々のケア方法はいかがでしょうか?
薬は医師のみが処方できる物ですから先生の判断が重要ですよね。
でも、お一人で悩むより実際にケアしている職員とディスカッションすべき、と思います。
夜間の職員体制や他入居者からの苦情を優先すると、この方のQOLは後回しになる感じがします。
ご本人の生活歴から日中の過ごし方を見直し、チームで取り組む必要があります。
精神科の医師にも相談した、との事ですが、実際にケアしている職員には相談していますか?
介護職は医師より知識が少ないかもしれませんが、アイディアは豊富かもしれませんよ。
医師と介護職が連携して、よりよいケアが出来ることを期待しております。


投稿:女性 40代  作業療法士 広島県 老人保健施設 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2014/08/05 15:29:16

職員の皆様の大変さ、お察し申し上げます。

私も老健に長く勤めました。
根底には不安感情があるのでしょうね。
とくに入所後3、4か月くらいは、一時的に非常に身体的にも精神的にも不安定な時期があり、その間生活のサイクルが定着するまでが一山あります。(という質的研究をしました。)

特に、向精神薬を減らしたあとは行動も活発になり、体力が戻る分、表出される行動のエネルギーが増えたように思います。
不安な感情が、体力の改善とともに表出しやすい形になっているパターンかと思われます。
(引きこもるパターンと、激怒するパターンというのもありますが。)

夜間の不眠について、私たちが薬以外で取り組んだのは、

@日中の運動量を上げる。
 日中リハビリ室で運動量をあげる活動を行ってもらい(チューブ体操、棒体操など)、グループ体操や歌に出 たり、午前中は光に当たるようにしたり、夜に入浴するなどしました。
 (リハは週に2回という原則を取っ払って、毎日来てもらいました。)
A睡眠導入剤のタイミングを調整する。
  様子を見ながら時間のタイミングをチームで決めてベストな時間を探りました。飲まなくても眠れるひが増  えてきました。
B寝る前に何か温かいものを食べる。
C寝る時間は夜12時頃までならOK、詰所の中や近くにパーテーションとベッドを設置するなど環境をかえる。

次第にほかの入所者さんや職員との関係性ができてくると、不安の訴えは収まると思います。

あくまでも一時的だと思えば、職員もなんとか頑張って、この大変な時期を乗り越えることができると思います。
とりあえず、今だけでもやってみようと先生がチームをリードしてくださると、職員の皆さんも協力してくださると思います。







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