認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

私は東京都内にある病院の精神科に勤めている看護師(30歳代)です.外来患者である若年性認知症のAさん(50歳代,男性)について相談があります.
Aさんは現在,奥様と暮らしており,基本的なADLは保たれていますが,症状は確実に進行しています.しかし奥様はがんで余命6か月の宣告を受けており,今後は入退院を繰り返すことになりそうです.奥様の入院中,Aさんは一時的な入院などで生活していけそうですが,ほかに身内がいないため,奥様が亡くなったあとの生活をどのように支援していくのがよいか検討しています.
Aさんはまだ若く,とくに目立つBPSDもみられず,認知症病棟への入院はしのびありません.しかしながら,若年であることや地域の問題などにより,グループホームなどよいところが見つかりません.
ケアマネジャーやソーシャルワーカーと,今後定期的に会議を設け検討していく予定ですが,その際の参考にしたいので,みなさんのご意見や情報をお聞かせください.

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投稿:女性 60歳以上  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2014/01/06 13:13:24

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編集委員会より
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みなさんお忙しいなか貴重なご意見をお寄せくださいまして,ありがとうございました.
みなさん同様に,Aさんが地域でより長く生活していけるために,介護保険サービスの利用や特定非営利活動法人(NPO)への相談,成年後見制度の利用を提案しています.このなかで,介護保険サービスや成年後見制度の利用については,地域差が比較的少なく現実的なのではないかと思いました.しかし,若年性認知症に関していえば,NPOはもとより,デイサービスなどの事業に地域差があるのが現実で,利用はむずかしいかと思います.
現時点では,「ヘルパーや配食サービスを利用して,やれるところまで在宅でやってみましょう」ということになっています.ただし,奥様の希望もあり,実はA氏に奥様の状態が告知されておりません.この点についても,みなさんに相談すればよかったと思っています.
若年性認知症の人に限らず,このような問題は今後も増えてくると思いますので,また機会がありましたらご相談させていただきたいと思います.


投稿:女性 50代  介護支援専門員 新潟県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2013/11/23 20:58:13

11月初めに東京都内の精神科のMSWと同じ会話をしました。

その時他の専門職も含め4名で話をしていたのですが、若年の認知症の方はその地域に他にもおられます。区、市町村等を通してその地域の方々が苦労の中、どんな工夫をされてきたか伺うことがその地域の社会資源に繋ぐには最も良いのではないかということになりました。

テーマを読んで感じたことですが何時から発症して認知症の診断は何か、理解力判断力はどうか、どんな薬を飲んでいて現在落ち着いているのか不明ですので一般的に考えられる認知症症状と考えました。

ご本人が実際自宅にいてその方は何ができるのかを知ることが大切であると思います。できること、できないこと、ゆっくり行えばできること、自宅だったらできるが場所が変わり施設や病院ではできないことがあります。

認知症の方は自宅を離れ、長く入院入所すると自宅に戻っても混乱し生活を取り戻すことが難しいと思われます。例えば自宅にいた時はトイレの失敗がなかったが、施設や病院に行ったらトイレの場所がわからずスタッフに声賭けをしてもらってて退院退所して自宅に戻ったらトイレの位置がわからなくなり、自宅での生活が混乱してしばらく自宅で落ち着かないということもあります。

成年後見制度については皆さんが言われている通りです。今年認知症の方に手帳がいろいろな地域で考えられ、実際使用する段階になってきています。この方にとってもご本人の状態や希望等も含め、認知症の手帳の用意は後まで役立つと思います。

奥様が亡くなられた時に独りになるということですが、6ヶ月は短い期間です。ご本人、奥様の意向を伺い、施設サービスに独りになるまでに慣れていただくほうが良いのか、自宅での生活を送ることが可能なら今から訪問介護や訪問看護の利用にご本人に慣れていただき、生活上の不安を軽減していくことも大切であると思います。


投稿:男性 30代  介護福祉士 沖縄県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2013/11/20 23:54:42

難しい相談内容ですね。余命6ヶ月あまりの奥様と最後までの時間をどのように過ごされるのか? 若年性認知症のAさんの今後の生活についても考えていかないといけない大変な時期であると思います。生活相談員など専門職と今後についてじっくり話をしていく必要があります。奥様の医療的な疼痛コントロールをしながら、Aさんの治療や環境整備をコーディネートしていき、意志表明がしっかりできる期間内に後見人制度(任意)を検討することが1つ。 若年性認知症を対象にした福祉施設を検討していくことが2つです。地域で認知症の方を支える環境があれば親戚や知人、近隣住民(認知症キャラバンメイトを含む)、民生委員、訪問介護サービスや小規模多機能施設などを利用した方法も検討することが、住み慣れた地域でその人らしい生活が継続できると思います。実際問題は難しい面もありますが、コーディネートできるところまで会議にのぞんでください!


投稿:女性 20代  看護師・保健師 兵庫県 大学・研究機関 家族介護経験なし 投稿日: 2013/11/12 13:57:16

若年性認知症の方への支援はその年齢の若さゆえに本人に合うものが少ないのが現状です。しかしながら、高齢発症に比べると、陽性症状が目だったり、進行が速かったりと、支援を要する方々です。
「あんな年寄りと一緒にされたくない」という声を聴くことがありますし、デイサービスで働いていると、やはり認知症の程度が同一でもその年齢差でデイサービス内でも孤立化してしまうケースをしばしば見かけます。

では、どのような支援がAさんに適しているのか。問題なのは、若年性認知症の方が今後独居生活となること。そして、奥様の死に一人で向き合わざるを得ない可能性があること。
経済的余裕があるのであれば、在宅で様々な訪問型サービスを組み合わせて個別ケアを提供することがひとつ、考えられます。身内がほかにいないのであれば、経済状況に関わらず後見人は用意しておく必要があるかもしれません。

また、奥様の死去によってもたらされる困難は単なる喪失のみではありません。男性の場合の配偶者の死は、家事役割の困難に直結します。
現在でいる生活支援としては、奥様から家事役割を獲得して頂く事。余命6か月であれば、まだ話すこと、伝えることは十分に可能だと思いますし、それが介入の使用によっては奥様の生きがいにすらなり得ると考えます。
また、奥様がなくなられた後、全てをフォーマルサポートで固める必要もありません。今から、地域にインフォーマルなサポートがどの程度あって、利用できるかなどの情報収集と、連絡調整もできるかと思われます。NPO団体や家族会なども支えになると思います。

ただし、ひとりで全てを支援調整することは難しいと思いますので、他職種やチームに相談して、皆で考えていくことから始めるのは、とても素敵だと思います。



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