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編集委員会より
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今回の相談は，今後の介護がどうなるのか心配している娘さんからのものでした．6人から，本人のニードを考えることやかかわり方のアドバイス，精神科を受診し薬物治療を行うことで暴言暴力の軽減が可能ではというご意見，施設での介護のお勧めなど，さまざまなご意見をいただきました．ていねいなアドバイスをありがとうございました．
直接介護をしていない家族からの相談では，本人，介護者，家族（相談者）の，それぞれの立場に立って考える必要があります．そのためさまざまな意見が挙げられたのだと思います．主なものは，本人の立場に立ってかかわり方を学ぶこと，症状を緩和するための薬物治療を行うこと，介護をしている夫の負担を減らすために今後の施設入所も視野に入れて介護サービスを活用することでした．
「信頼できる病院，医師を選ぶ」というアドバイスもありましたが，残念ながら，相談者の地域では選べる状況にはないとのことです．認知症への医療・ケアにはまだ地域での違いがあるようです．地域の特性を生かしつつも，認知症の人と家族が安心できる医療・ケアが広がっていくことを期待したいと思います．

たぶん最初は、何を言っているんだ？と思います。自分の親ですからいつものように、会話をし存在を変えずにいるのだと思います。ここで、おかあさんの視線に立ってみませんか。一旦、第三者になり、おかあさんが何を訴えたいのか、考えてみませんか。

相談内容だけでは生活状況がはっきりわからないのですが、お父様がお母様のお世話をしておられるご様子、通院や服薬、食事等生活全般お父様が介助されているのでしょうか。そうであれば負担も大きいと思います。暴言や罵声はお薬の調整で軽減できるかと思われます。主治医に相談して薬の調整してもらいましょう。またケアマネジャーにサービスの利用やお父様のことも心配ですので、金銭面のことや今後について相談されるほうがいいかと思います。
施設等の申し込みや情報提供してもらいましょう。

暴言暴力があると施設入所は困難で精神科病院以外行き場がないとは、ちょっと極端過ぎるように思います。

もちろん程度にもよりますし、施設の種別や施設個々の方針にもよるでしょうが、状況を詳しく調べもせず暴言暴力がみられたら一律に利用を断る、あるいは向精神薬服用を迫るなどという施設があったら、その見識のほうを私なら疑います。逆に、ご家族にそのような心配をさせてしまうような施設の実態があるなら、同業者として大変面目ないことです。お母様の場合について断言はできませんが、認知症の症状として現れる妄想あるいは暴言暴力といったものなら、多くの場合、施設職員の関わり方次第で、少なくとも大した問題にならない程度にまではおさまってしまうものだという印象を受けています。

差し当ってのことでは、真夏に毛皮を着込むなど、殊にご家族はびっくりなされるでしょうが、脱がせるにしても少しばかりコツがありまして、まずは「まあいい毛皮ね」などと褒めてみてはいかがでしょう。そして「でも、暑いし湿気で傷むといけないから、今はしまっておきましょうか」といった具合に、ご本人が納得しやすいように促すと、案外すなおに同意していただけることもあるようです。あるいは、ご本人がその毛皮がお気に入りでとても機嫌が良く大した実害もなければ、お好きなようにしていただく、という選択もあり得ると思います。

また、ヘルパーに嫉妬妄想をもったとのことですが、それだけお父様のことを愛していらっしゃるのではないかとも思われます。ならば、男性のヘルパーを頼んでみるとか…。このような場では根拠薄弱な想像になってしまいますが、もしもの場合には備えつつも、現時点で、特に悲観的な結果のみを想定する必要もないように思います。

とても混乱している状況が伺えます。対応での促し等の結果として暴言や暴力へ発展している様子もあり、認知・判断等の中核症状から周囲への強い行動・心的症状（BPSD）が出現しているように思われます。また、本人の性格や強み（ポジティブな部分）と家庭や介護等の本人を取り巻く環境が相互に影響していると考えられます。
内容には、夏に毛皮を着ける、ヘルパーを夫の浮気相手と思い込む等がありますが、ここでもう一度再アセスメントを行い、日中の活動から夜間の睡眠状況、栄養・水分状況、排泄状況、既往歴やＡＤＬ評価をしていただき、その上で本人へ認知・判断を理解させる工夫（リアリティー・オリエンテーション＝ＲＯ）として、夏に着ける服と毛皮を着ける季節を絵カードで教えてみるとか、ヘルパーの氏名・仕事・関係性をうまく演技を使って本人の世界へ少しずつ入っていく介入を試みてはどうでしょう？それでも日常生活に暴言暴力が持続する場合は、精神科受診での薬物療法による軽減化を図る必要があると思われます。また、食事や排泄は促せば自力での見守り必要という身体への直接介護がない分、夫に対し促し等で拒否がなければ夫婦の関係性を保ちつつ、在宅での生活を継続させていくことも残存機能を維持する重要なポイントであり、夫への介護休暇（レスパイトケア）も考慮しつつ在宅での見守りが困難の場合は、短期入所（急激な環境の変化を避ける）を利用したり、子ども宅へお泊りしたり、家族マンパワーで出来るところまで付き合っていく、それも困難になればＧＨや施設入所の検討が必要でしょう。

6年間の介護でお父様も、疲れているのではないでしょうか？やはり施設等の入所されることが望ましいと思います。また、年金生活の夫婦で入院や施設に入所は、金銭的にも苦しくなると思いますので、生活保護の対象にならないか、一度役所に相談されてみたらいかがでしょう。
　そして暴言暴力の原因は、色々あると思いますが、今後施設等に入所され、家族と違う人たちの居る中で生活していくことを考慮すると薬の力も必要かと思います。
再度アルツハイマーの診断をされたところに受診され、薬の調整をしていただいたらよろしいかと思います。穏やかなお母さんになることで、生活活動範囲も広がり、楽しい施設生活を送れるようになると思います。ご両親の為にも、早めに手続きをされますように。

精神科病院での受診をお勧めします。暴力暴言がひどくなると、周りの方々への影響が大きく各施設で受け入れが難しくなります。精神科での薬で廃人になったとの事ですが、廃人になるまでの過程をご存じなのでしょうか？薬は精神科だけではなく、内科で処方された薬でも服薬の仕方や様子観察をせずにいたら怖い物になります。薬は飲み方を間違えば毒にもなるのです。しかし正しい飲み方、様子観察をしっかりすることで、病気を治してくれる物でもあります。ですから、信頼のおける病院、医師を選び、正しく投薬し注意深く様子を観察していけば良い方向に向かうのではないでしょうか？暴力暴言は介護だけではケアは出来ませんので、介護と医療の二つを上手く繋げて行く事をお勧めします。