認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私は,地域包括支援センターに勤務しているソーシャルワーカーです.
専門職の連携を図るために,定期的に連携会議を開催することにしました.開催し始めたころは意見交換が盛んに行われ,とてもよい雰囲気でした.しかし何回か繰り返していくと,意見交換や事例について話し合うだけでは行き詰まるようになり,参加者が減っていきました.また,参加している老人保健施設の相談員から,「連携会議を始めてから相談が増えてしまい,休憩時間がとれないほど仕事が増えてしまった」と,苦情を言われてしまいました.
私は,連携会議をどのように展開すればよいのでしょうか.また,「連携」とはどういったものなのでしょうか.みなさまのご意見をお聞かせください.

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投稿:男性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/07/06 22:13:05

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編集委員会より
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コメントをお寄せくださいましたみなさま,たくさんの貴重なご意見をありがとうございました.ていねいなアドバイスや共感的な励ましの言葉は,相談者に勇気を与えたのではないかと思います.
連携については,いまから約23年前に策定された「高齢者保健福祉推進10か年戦略」(通称,ゴールドプラン)でもうたわれていました.その後,介護保険の時代に入り,現在では,連携は当時とは比べものにならないほど進み,保健・医療・福祉の連携の必要性をだれもが認め,多くの専門職は連携を推進していこうと努力しています.そして,Netカンファレンスをご覧いただいている,連携を推進しているみなさまの多くは,同じような悩みや問題を抱えているのではないでしょうか.
連携において,クライアントを中心にどのような支援を行うことができるのかを他職種間で協議する際,思っていたよりもうまく連携が進み,連携の必要性やその達成感を感じることがあります.しかし,先のように明確なクライアントが個別のケースとして存在する場合とは異なり,今回の相談のように“連携”というテーマが先行し,「何のために」「だれのために」といった本来の目的や,連携によって求めることが具体的にみえていない際には,それぞれの職種の専門性の主張だけになってしまったり,業務上の多忙さだけを訴えてしまったりするのかもしれません.
今回の相談ように,他職種で連携を行うには,連携からなにを得たいのかなど明確な目的を相互に理解することに加え,自身の専門性が他者の専門性にどのようなメリットをもたらすことができるのかを,それぞれの専門職が認識することが重要です.そのためには,自身の専門性についての理解はもとより,他者の専門性についても理解する必要があります.
「相手を理解することとは,自分と相手の違いを理解すること」と,加藤諦三(早稲田大学名誉教授)は述べています.みなさまのご意見を通じて,私たちが連携をしていくとき,自身の専門性と他者の専門性を理解し相互に貢献していくことが,より強固な連携となっていくのではないかと考えることができました.
連携についてはさまざまな意見があります.みなさまとともに,連携とはなにかを引き続き考えていきたいと思います.


投稿:男性 30代  社会福祉士 大分県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2012/06/26 22:37:02

会議を繰り返していくうちに参加者が減っていく、大変になると言うようなことは、よくありがちなことだと思いました。しかし、人数が少なくても、同じ思いを持っている人がいれば、それで連携はとれているのではないかと感じます。同じ思いを持っている人が一人から二人、二人から三人と増えていくように継続することが大事じゃないですかね。連携なくして、介護や看護などは成り立たないと改めて実感しました。お互い、頑張りましょう!!


投稿:女性 50代  介護支援専門員 千葉県 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2012/06/26 21:17:25

連携とは?と行き詰まってしまったようですね。もちろん最初は同じ職種であるだけに悩みや問題意識もほぼ同じようにお互いが共感を持ちながら「うん、そうそう、、」といった具合だったことでしょう。
でも、私から見ると「どうして同じ職種だけが集まって連携が必要なの?「連絡会議」なら分かりますが。
連携が必要なのは同じ職種ではなく、他職種こそが必要なのでは?
目的は何のためでしょうか?誰のためでようか?連携会議のその向こうに何を、誰を描いていますか?
その対象は利用者であり、一人の人間ではないですか?
一人の人間を支えるためのものであるならば、同職種だけでどんな解決に繋がるのでしょうか?
「連携」の目的がどんなものだったのか分かりませんが、その目的をしっかり持って目的のためにはどんな連携が必要かをもう一度考えたほうが良いのでは?地域包括支援センターが動いたことは素晴らしいと思いますが、もう少し先を見据えて計画的にお願いしたいですね。


投稿:女性 60歳以上  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/06/21 5:57:28

私は現在90歳の母親の介護をしています、認知症の診断を受けてから5年目ですが介護度4で特養に月半分はショートステイとデイサービスでお世話になっています、母の状態はほとんど昔のことは記憶がありませんが、車椅子で食はほどほどであり言葉はまだまだ元気そうです、先日認知症について調べていたら下記のような全く違った論文がありました、なぜこのような違いがあるのか?世の中を大変混乱させると思いますが、認知症に関する専門家のご意見をお聞きしたいと思います。


<川崎高津診療所様の論文>

10) 認知症患者の予後
認知症の患者さんはどのくらい生きられるのでしょうか?Corey-Bloomらの報告(2007)のように2年〜16年とかなり幅がある報告もありますが、予後は対象患者の年齢とか重症度により影響をうける可能性があります。また、最初の症状が出たときからなのか、診断がついたときから考えるのかでも予後は変わってくるでしょう。Larsonらの報告(2004)では診断から4.2~5.7年、日本の大規模な調査の北村立らの報告(2009)では診断から5.8年といわれており、診断されてからの予後ということになると4年から6年くらいと考えるのが妥当でしょう。また、5年生存率は長谷川らの報告によれば13.7%であり、数字だけ見れば、胃がんのステージ4に相当するわけで、けっして予後がよいわけではありません。そこで、当院のアルツハイマー病の患者の予後をカプラン・メイヤー法で検討しました。その結果、1年生存率は74.6%でした(図10)。


<仙台星陵クリニック様の論文> 

老年期認知症という診断がされたあと、5年後に何%の人が生存しているかという調査では、KAYら(Kay DWK.Acta Psychychiatr Scand 1962)の報告によると82%、Goldfarbら(Goldberg AI.Arch Gen Psychiat 1969)の報告では、73%の人が生存していたといわれています。日本でおこなわれた調査でも、ほぼ同じ数値の結果(56.3〜86%)がでていますので、老年期認知症と診断されても、すぐ命にかかわる病気と認識するのではなく、5年かそれ以上の介護計画をたてなければならないことを意味しています。

                                     東京都北区 野津涼子


投稿:女性 30代  介護福祉士 大阪府 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/06/12 16:44:33

参加メンバーがその会議で何を目指すのか・・・目指すべき「連携」のビジョンを探すことから始めてはいかがでしょうか?漠然としてますが、目標を共有することは大切だと思います。休憩時間がとれなくなったほど相談が増えてしまいましたがそれは会議の成果だと思います。すごい成果ですよね!会議の目的、目標を参加メンバーが認識していれば、「大変」というだけではなく「成果」をしっかり受け止められるのではないでしょうか。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 岐阜県 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/06/08 16:53:13

参加者の中から、今後どういう連携会議にしたいのか、あるいはどんな内容をやってみたいのか意見を聞いてみてはいかがですか? 自分たちが関わる地域をよくするための会議という主旨を時々確認することも必要だと思います。
苦情を言ってきた相談員さんが、どこまで本気で苦情として言っているのかわかりませんが、愚痴のレベルでないのならば、それも連携会議に上げて改善方法を皆で検討するのもよいのでは?
相談件数が増えるのは良いことですし、直接顔を会わせる機会を持つkとで、いつもは電話でしか知らなかった相手のことをしっかり識別できることも重要な効果だと思いますよ。


投稿:男性 30代  介護支援専門員 北海道 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2012/06/08 10:52:53

まず、「仕事が増えてしまった・・・」というのは、それだけ潜在的なニーズを掘り起こしたということで1つの成果だと思います。
今後、どう連携会議を展開していくかについては、
地域性にもよりますが、事例を基にどう対応していくかだけでなく、
困難事例の対応を可能にするような制度創りや異業種のノウハウを学んだりするなどし、
ネットワークを構築することこそ連携なのだと思います。
行動=まずはやってみよう
考同=考えを同じくしよう
考動=考えて動けるようにしよう
というようなステップでやってみてはいかがでしょうか・・・・


投稿:女性 30代  作業療法士 埼玉県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2012/06/06 15:29:51

一口に「連携」という言葉の語彙の広さを日々感じています。
職場での「連携」、地域での「連携」、利用者様に対する個別ケアでの「連携」
連携がうまくとれない原因のひとつとして
実は専門職が「専門性」という言葉を使って、自身のキャパシティの狭さと
向きあえていない事も多いのではないかと思います。
なんのための専門性なのかを考えると、おのずと自分に足りない知識や技術、
または他職種からの学びも出てくるはずなのですが、
実は17年度からの介護保険制度の変更点もつかんでいないまま
仕事をしている人も多くいる状態です。
その状態で会議に出席してしまうため、結局前時代の
「こういう理由で、こうできない」という提案なきレッテルを
利用者様に貼ってしまうリハビリ職員が多い印象を受けます。

包括の職員の方は本当に大変な事が多いと思いますが、
なんのために介護保険制度はあるのか、そのなかで専門職に求められているものは
なんなのか意識付けできるような方法はないものなのかと願っております。
または、時間を取る事は難しいと思いますが、ロールプレイ式の
ミニ研修と合わせて全体的な共感能力を上げていく試みなどはできないでしょうか?



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