認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私(44歳,女性)は,認知症専門病棟で看護師長をしています.先日,認知症の患者さんが不穏となって暴れ,ある男性スタッフをたたき,そのスタッフが患者さんの胸ぐらをつかんで恫喝する騒ぎがありました.当然,このことは院内で問題となり,病院側は患者さんと家族に謝罪し,そのスタッフを1か月間の自宅謹慎としました.その後,彼は復帰しましたが,患者さんと接点のない事務部に移りました.
認知症ケアに携わる人が増えてきている一方で,この事例のように,これまでは想像もつかなかった,基本的なことが欠落している場面が増えているように思います.
今回の事例を例にした場合,事後処理をして終わらせるのではなくそのスタッフの将来性を考慮した際,どのようなアドバイスを行えばよいでしょうか.また,今後このようなことが起こらないように,どのような対策を行っていけばよいでしょうか.
みなさんなら,どのようなアドバイスや対策を行いますか.

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投稿:男性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/04/04 21:59:44

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編集委員会より
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みなさんお忙しいなか,貴重なご意見をありがとうございました.
今回のテーマのような介護スタッフの行為は,職業的倫理の問題とする以前に,社会的常識のレベルで考えても問題とすべきことだと思います.しかし,寄せられたコメントにもあったように,介護スタッフは,現場で日々の業務に追われているとストレスが溜まり,知らぬ間に粗雑な対応をしてしまうのかもしれません.
最近では,介護スタッフは認知症の基本的な知識をすでに習得していると思いますが,認知症ケアの知識を習得することと実践することは異なった作業になるでしょう.アルツハイマー型認知症の方にもさまざまな方がいるように,介護スタッフも多種多様です.みなさんのコメントにもあったように,スタッフどうしで悩みを相談し合える場やディスカッションできる場をつくることも,このような問題を解決する1つの方法かもしれません.
認知症ケアにかかわる介護関係の人たちが今後も増え続けるなかで,介護スタッフのケアにも注意を向けていく必要があるのではないでしょうか.


投稿:女性 50代  介護福祉士 大阪府 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/04/02 23:46:07

続きです。
ひとりでもいいから認知症を理解し、利用者を大切に思って仕事をしてくれる人が増えたらうれしいですね。
暴力の出る利用者も、旅行の話などすると穏やかな笑顔を見せてくださる時があります。またあの笑顔が見たいから頑張れるのでしょうか。
彼も少しずつではありますが、利用者の心のそばに近づいていってるようです。
即効性はありませんが、利用者も職員も大切な人として扱う職場作りを心がけています。


投稿:女性 50代  介護福祉士 大阪府 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/04/01 0:20:10

認知症対応のデイサービスで働いていますが、同じ経験があります。
専門学校で介護福祉士をとった実務経験のない26歳の男性職員が、男性利用者にたたかれて胸ぐらをつかみました。すぐに違う職員が代わって対応しましたが、少人数でやっているので配置転換はできません。
話し合って認知症の理解を深めようとしても、解決はなかなか難しかったのですが、ちょっとしたきっかけで彼の気持ちに変化がみられました。
女性の利用者で、ほとんど反応のないの方に対して、声かけをしてから介助をするように教えたら「何にもわからないのに意味がない」と彼は反論しました。その利用者の前で。失礼な事です。
利用者の方には私が隣に座ってゆっくりとお詫びを言いましたが、いつものようにほとんど反応はなく穏やかに座っておられました。
ある日、その利用者をご自宅に送る車中で、隣に座っていた彼が自分で背中を掻いていたら(彼はアトピー性皮膚炎)その利用者が彼の背中に手をのばして掻いてくれたそうです。
送迎から戻って、いつになくやわらかい表情でその事を私に報告してくれました。「やさしいねー。お母さんの気持ちになっておられたのかな」と言うと、「はい」と素直に答えてくれました。
後日の送迎のときには彼の髪が目にかかっているのをなおしてくれたらしいです。
相変わらずほとんど反応がない方に対して笑顔で接するようになった彼の様子をみて、私たちは介護してあげているのではなく、利用者に育てていただいていると実感しました。
ひとりでもいいから認知症を理解し、利用者を大切に思って仕事をして


投稿:男性 30代  介護支援専門員 北海道 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2012/03/24 4:39:18

既に、このテーマで投稿されている方々の内容にも類似している内容ではありますが、
もし、私がそういった立場でしたら、
1 スタッフ個人に対しては、倫理観を高める指導教育を行うこと。
2 現場チームや部署の範囲として、担当医と相談、認知症対応に関するトレーニングや患者さんの情報共有を行うこと。
3 組織全体として、冷静な判断で対応できる体制の構築や雰囲気づくりの改善を行うことなどの対策が必要であると考えます。

スタッフご本人様は認知症専門病棟の中でお仕事をなさっている訳ですから、単純にプロとしての意識が欠落しているということが最大の要因だと思います。また、認知症状といっても、人それぞれで行動態様は様々です。その中で、スタッフ側へ危害が発生するであろうということも含めたリスクマネージメントなども教育に必要なのではないでしょうか?よく、KYT(危険予知トレーニング)を活用しながら、予防対策を講じていくことも将来的に大きな問題に繋がらない工夫であろうかと思います。
よく「最初に認知症者であると誰もが認識していたものの、次第にその意識が希薄化され、いつの間にか健常人と同じ感覚で接していることによって、認知症者側から受けた暴力や暴言に対して、スタッフ側が本気で腹が立った」という事柄は、たまにみかけられます。因みに、認知症患者側本人にしてみれば、何故、不隠状態に陥ってしまったのか、また、何故、スタッフを叩いてしまったなどの行為は分からないことなのかも知れません。病気の相手に対して、本気モードになるのは、ただの弱い者イジメにすぎないものであると思います。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 岐阜県 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/03/14 17:24:27

対応策についてはみなさんと同じ意見ですので、最近耳にして印象に残っている話を1つ。
県社協主催の研修で某大学の社会学部の教授より、障がい者施設にいる利用者からの声として紹介されたものの中に、「どうして上から目線なの?」「どうして勝手に私のことを決めるの?」「どうして子ども扱いをするの?」などの最後に「どうしてあなたはこの仕事を選んだの?」という一言がありました。
どんな職種にしろ選んだ過程があるので、何かの折にはそれを振り返って、自己反省してみることも大切ですよね。
この彼が、何年か先にでも自分のしたことをきちんと振り返り、何かの形で経験を活かしてくれると良いですね。


投稿:男性 20代  社会福祉士 岐阜県 デイサービス・デイケア 家族介護経験なし 投稿日: 2012/03/11 10:07:02

その職員の方には、認知症専門病棟で業務に当たっているにしては認知症というものを理解する気持ちが足りていないのかもしれません。そういった方は働いている方にも多いですし自分では気づかないことが多いのだと思っています。その為にも病院として、認知症専門病棟として、倫理観や知識の向上を図れるような場を設けてみるのもいいかもしれません。
病棟ということで症状は安定されていない方が多いのかもしれませんね。ただ、患者が暴力にでる意味を考える必要がありますし、患者の症状に関して患者にこちらの気持ちをぶつけてしまっては患者がかわいそうです。認知症は病気ですし、暴力を振るいたくて振るっているとは考えにくいのでパーソンセンタードケアなど参考になるような考え方はたくさんありますので病院としての考え方を示していくことが職員の理解と安心にもつながるのではないかと思います。


投稿:男性 30代  介護福祉士 大分県 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2012/03/08 23:00:21

当時の状況の詳細はわかりませんが、男性スタッフが日頃よりどのような倫理観を持って仕事に望んでいるのか気になります。今後の指導については、再発防止策として、今回の事故に至った状況を分析し、真の原因を見つけることが大切だと思います。また、男性スタッフの日頃の仕事の中に、今回の事例につながる予兆やサインがあったのではないかと思います。安心して仕事を任せられるように日頃の教育・指導が必要なのではないでしょうか?まずは、原因を追及することが必要だと思います。


投稿:女性 50代  看護師・保健師 北海道 病院 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2012/03/07 22:49:51

私は療養病棟に勤務している看護師です。患者様の大半は認知症です。患者さまが不穏になったり、暴言、暴力をすることもあります。なぜそのような行動に出るのかスタッフが問題意識を持ってほしいのですが、感情で対応してますます興奮してしまうことが見られます。その場面だけでなく、患者様の体調不良の時や、とても気になることがあったり、しつこく言われたり、言葉など原因があると思います。患者様になぜそのような行動するのか問いかけたらどうでしょうか?(後からだと忘れてしまいますが)。話せない患者様はどのような時にそのような行動に出るのか情報交換されているでしょうか。スタッフは業務に追われていませんか? 笑顔を忘れて働いてませんか?わが病棟では全員が集まる勉強会や情報交換時にどうしたらいいかアドバイスなど行っています。問題を起こした男性スタッフだけの問題ではないではないのでスタッフ全員で情報の共有をして、皆がケアの仕事に自信と誇りを持って働いてほしいものですね


投稿:男性 30代  介護福祉士 広島県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2012/03/07 17:33:01

私も認知症専門病棟で8年ほど勤務していました。その間私も患者さんに対し予期せず腹が立つことが時々ありました。専門病棟である以上、認知症についての知識・対応をわからないということは考えにくいですね。たくさんの人数をケアしていくうちにルーチン化が生じ、不穏の強い患者さんをとりわけ問題視し、対応も「ケアをしてやっている、してやっているのに」というように変化していたため、腹が立ちやすくなっていました(私の体験談です)。 今回の男性スタッフにもこうした背景はなかったでしょうか? 私の場合は「自分なりのケアの目的」を立てることで乗り切ってきました。入院中に「患者さんの家族に楽をさせてあげる」「周辺症状の原因と対応を明確化する」などの目的を持ち、不穏になった際などは「家族も苦労されていたんだ」「未然に防げなくて申し訳ない」という姿勢で応じるようにしていました(自分で自分を納得させることのできる理由付け)。それを続けるうち、どんな事象に直面しても「自身の未熟」と感じるようになり、例えば今回のように暴力を受けても自然に「ごめん」と思えるようになり、同時に「何でこうなった?」と知的好奇心へのすり替えが行えるようになりました。
今回のケースを今後防いでいくには、現場スタッフが不穏な患者さんと接する際、どういう気持ち、姿勢でいるのかを明確化し、全体での共有または見直しを行うことが望ましいと思います。そうした上で勉強や研修等への参加をしていけば、スタッフの質も向上しやすいと思います。 施設を人に喩え、「忙しい」という中核症状に「患者さんの不穏」という刺激で「スタッフの粗暴」という周辺症状が出たと考えればいろいろ対策も考えやすくないでしょうか? 個人よりな意見ですがお役に立てればと思います。


投稿:男性 30代  介護福祉士 沖縄県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2012/03/05 17:28:44

この問題は何らかの原因により突発的な出来事であったと考えます、患者が不穏状態で粗暴等する場合は必ず原因があり、結果として男性スタッフに手をあげた。しかし、ここで男性スタッフが患者の不穏状態を受け止め、たたいてきた行為が何なのか原因を探りながら共感的態度で接し、他の職員へ協力を求めながら不穏時の対応ができていればこのような事態へと発展しなかったと思います。ただし、患者の粗暴等の行為で職員の心身へ危害が及ぶ場合は、患者の身体を保持し、他の職員へ協力を求め(女性の患者の場合は、必ず女性の職員を配置すること)、患者・職員ともに身体に危害が及ばないよう注意が必要です。また、対応時の記録も明確に作成しておき、万が一の保険賠償や労災認定での証明に必要になってくる場合もあるかと思います。
今回の事例の男性スタッフへは、個別面接にて今後もケアの仕事を続けたいのか?、あの時の言動をどう考えているのか?事後の自分の評価と今後の自分の目標等を話し合っていく必要があると思います。その後に高齢者虐待防止法や認知症専門職の倫理的なことを研修等で学んでいくことが大切になってくると思います。実際に職員同士で不穏時のロールプレイングを通して、適切な対応の仕方と不穏時の理解をさらに深めていく教育も取り入れていくべきでしょう。また、職員間で実際の勤務中に「虐待」っぽいように感じたことはないか?患者の対応困難事例等を通して患者への職員の気持ち等をグループディスカッションで話し合えるコミュニティーの場も検討するものよいでしょう。感情業務と言われるケアの仕事で普段言えない気持ちをどう表現し、参加者がどう受け取るのか?ブレーンストーミングで現場の声を出していきましょう!失敗から学ぶことは多いこと、みんなであの時(問題)の言動の裏側が共有できるかもしれないですねぇ。



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