認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私は老人福祉施設(100床)に就職して2年になる介護職員(22歳,女性)です.
私の施設では,離床を目的に全介助が必要な入所者に車いすに座ってもらっています.入所者は朝食前に車いすに移され,そのままホールで何時間も座ったままの状態ですごし,ひどいときは,夕食後にやっとベッドに戻ります.排泄のケア(オムツ交換)はホール近くの部屋のベッドを使用して行っています.
長時間の座位に抗議もできず,車いすで崩れるように眠っている入所者は,本当はつらいのではないかと思います.私は,そんな入所者の苦しそうな顔を毎日みるのがつらいのです.
休憩のためにも,入所者をベッドで横にしてあげたいと何度か他の職員たちに話しましたが,多勢に無勢で状況は変わりません.私は今後,どのように職員たちに働きかけていったらよいでしょうか.

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投稿:男性 30代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2011/09/01 12:40:09

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編集委員会より
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たくさんのご意見をありがとうございました.入所者の声にならない抗議の声を受け止め,悩んでいる介護職員が全国的にも多いことが分かり,「悩んでいるのは私だけではない」と,勇気づけられた人も多いことと思います.
今回のテーマは長時間座位の問題でしたが,ほかにも「やっぱり,おかしい(まちがっている)」と思うことは多くあります.みなさんのご意見のなかにも,日常の介護業務に慣れ,「まちがっていること自体に気づかない」同僚,「おかしいことを指摘されると逆ギレする」上司など,介護職員がおかれている現状についての指摘がありました.たとえば,「自分自身が車いすに座ってみて座り心地はよくなく,長時間座るのは苦痛に感じた経験から,上司に言ったところ,『忙しいのに,無理だ!」の一点張りでした.だんだん,私に対するいやがらせというか反発が強くなり,仕事を辞めることにしました」というコメントがあり,1人の力では現状を変えるのがむずかしいことがうかがえました.その一方で,「がんばって職場で改善することも重要ですが,あなた自身がこの仕事に対しての夢や希望がなくなり,つぶれてしまうのが心配にもなります」と,介護という仕事そのものに魅力を感じなくなる現実について指摘しているご意見もありました.
共感してもらえると,前に進む力になります.相談者は,「離床を“何のため”に行うのか,そして“だれのため”に行うのかを職員皆で考えることが必要になります.離床は,あくまで手段であって,それ自体が目的ではないのです」というご意見を受け,なにを目的に離床するかを同期職員数名と考える時間をつくりました.これが,利用者のすごし方を工夫するきっかけになり,共感してくれる職員が少しずつ増えていったそうです.そしてこの取り組みにより,画一的なケアに風穴を開けることができると実感したとのことでした.
 今回のテーマは,「自分のケアが適切ではないかもしれない」と疑うことと,周囲からまちがいを指摘された場合に素直に受け入れるしなやかさをもつことが大切であるということを,教えてくれるものでもありました.みなさまのご意見を参考にしながら,自身のケアについて改めて考えてみてはいかがでしょうか.


投稿:男性 30代  介護福祉士 沖縄県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/25 19:40:51

確かに、離床することは寝食分離や自立支援介護の観点からみてよいと考えます。また、離床することによって長期臥床による廃用症候群の重症化予防や生活リズムがつき昼夜逆転防止になるでしょう。しかし、離床や食事、排泄、入浴やおむつ交換等の生活には、看護・介護ニーズ的な課題とそのケアは重要であると考えますが(意思疎通が困難な利用者に対しても)、生活のすべてに(最大限に)利用者の自己選択と自己決定を大切にしていくことが質の高い介護サービスかと考えられます。介護職員が利用者を管理的・指導的にみていくと利用者の生活を支配していきやすくなるでしょう。こういう状況に陥らないためにも、職員間で利用者には選ぶ権利や意見や苦情を述べる権利もあるし、それに対し速やかに対応をしてもらう権利があることを話し合うことも一つの方法でしょう。話し合いの場で、必要に応じて権利擁護の講師や心理学専攻の講師をお招きし、利用者の権利や職員の自己覚知、倫理的なことや介護現場で起こっている民事裁判の事例をあげて、ちょっと深く入った話し合いもいいかもしれません。


投稿:男性 30代  その他 北海道 大学・研究機関 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/20 10:17:52

倫理的な側面で考えて、利用者の意に反した一方的な長時間の離床は、虐待に近い不適切なケアだと思います。まずは、離床を“何のため”に行うのか、そして“誰のため”に行うのかを職員皆で考えることが必要になります。離床は、あくまで手段であって、それ自体が目的では無いのです。何を目的に離床するかを考えると、おのずとその時間や過ごし方が決まりますし、画一的なケアでもなくなります。
また、頑張って職場で改善することも重要ですが、あなた自身がこの仕事に対しての夢や希望が無くなり、つぶれてしまうのが心配にもなりますし、何よりそのように疑問に感じ利用者様のためにと思える模範介護職員が模範にならないのが、介護教育に携わる者として残念です。どうか、同じく考え共に行動できる仲間をつくってください。そして、少しずつでも改善していけることを願っています。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 東京都 老人保健施設 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/17 13:00:48

入所者の苦しい顔を見ながら仕事を続けるのは本当につらい事ですよね。また、他職員から賛同を得れない状況に中での仕事は本当につらいと思います。当施設では、施設サービス計画書に基づき、食後やリハビリ後、入浴後等体力面や本人がやりたい行事等前後等を考慮し離臥床を実施しています。また、褥瘡委員会からも長時間の同一体位を回避でるよう指導があります。介護支援専門員や支援相談員、看護師長等に相談し「業務改善委員会」等を設立し「利用者の生活改善」について話し合う機会をつくってみたらどうでしょうか!他の職員もきっとあなたの意見は違うと思っていないはずです。あきらめないでください。


投稿:女性 30代  その他 広島県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/14 18:31:04

私の以前働いていた老人福祉施設でも、同じことがなされていました。
早い人は、朝の4時過ぎに車椅子に座ってもらっていたため、朝食時には、座面からずれて、眠っているのは、ざらでした。それから、夜寝るまで座りっぱなしの方も多く、やはり、疑問に感じていました。
自分自身が、車椅子に座ってみて、座り心地は、あまりよく、長時間座るのは、苦痛に感じた経験から、上司にいったところ、「忙しいのに、無理だ!」の一点張りでした。だんだん、私に対する、嫌がらせというか、反発が強くなり、仕事を辞めることにしました。
利用者さんがいらっしゃって、老人福祉施設を利用してくださって、私たちの仕事が成り立っていると思いますが、どうしても、忙しさにかまけて、こちらの都合に利用者さんを合わせている体質は、どうにかしたいと思いますが、難しいですね。
事故などが起こってからでは、遅いと思いますが、より良い介護ができるよう、悪い方に流されないよう、初心を忘れず、仕事をしていくしかないですね。


投稿:男性 40代  作業療法士 大分県 デイサービス・デイケア 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/12 11:54:08

下の質問に対して、当人ではありませんが、正しい考えと言う文言に引っかかりました。

夜寝ないから、昼間に起こす…、別段、間違った考え方ではありません。ただ、それを生理学的な視点でNsとしてお尋ねなのか、社会的な視点でお尋ねしているのか、そこだと思いますが。

高齢者の睡眠リズムは多相性で、昼寝ても、夜は眠れます。昼寝は15分程度というのは、単相性の状態が続いている場合です。なので、日中覚醒させたからといって、夜間良眠かというと、それは大半がそうかもしれないのであって、必ずしもそうとは言い切れないのです。

社会的というのは、極論で言えば、昼間は皆起きているので対人交流できるが、夜間は一人起きていても皆が寝ているので、ヒトとして孤独な状態が続くということです。

要は、日中覚醒を夜間良眠へ促す正論と言うなら、漠然とした理解ではなく、日中に運動等で適度な疲労感を与えて、休息をとるために夜は寝るといったほうが、無難です。


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/10 17:47:11

大阪府の特別養護老人ホームの看護師・保健師さんに質問なんですが、
「夜寝ないので昼起こす」のは誤った考えだと書かれていらっしゃいますが、
私は今までそう思ってやってきました。
どのように考えるのが正しいのか教えてください。


投稿:女性 40代  介護福祉士 鳥取県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2011/07/07 20:16:43

長時間の座位であるとするなら、言語だけでなく姿勢の崩れ、皮膚の発赤、浮腫、等言語に代わる身体面での観察を十分に行い他職種や新人職員等皆が共感し休息の必要性が大きい方から初めてみては…一度に変える事は難しいですが、まずは臥床する事でQOLに変化が見えやすい方から行い、変化を他の職員に感じてもらい仲間を増やしてみては。また、共感目的で同じ時間を車いすで過ごす「入所者体験」とかもよいかも。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 鹿児島県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/07/07 14:37:58

あなたの施設での、離床の明確な目的は一体何なのでしょうか。見守りを集中化するためなのでしょうか?トランスファーの手間を減らすためなのでしょうか?介護職員の方は、人員が足りず、やむ負えずやっている状況なのでしょうか?部屋にいると転倒の危険があるため?けれど、それではユニットケアや、個別ケアを進めている今の介護に逆境していますよね。個人の尊厳も何もない状況で、大昔の収容施設と変わりがないのではないのでしょうか。もしかして、少しでも動ける利用者さんには拘束ベルトや、車いすにテーブルをつけて、自分では、動けないようにしているとか・・・。
 一介護職で、これはおかしいと思うことを、周りの職員に伝えていくことは本当に難しいことかと思います。けれど、きっと職員の中にあなたと同じ考えを持っている方もいるはずです。信頼できる上司の方などに、自分の意見を聞いてもらうことはできないでしょうか。それでもどうしても無理なら、、他の方の言うように、保険者に訴えるということもありかとも思いますが、まずは、自分の施設を良い施設に変えたいと思われているでしょうから、自分の考えをわかってくれる理解者を見つけてほしいと思います。
たとえば、こういった外部の意見もあった、とネットカンファレンスの意見を提示してみてはいかがでしょうか。狭い中で、慣例となっておりそれが常識と思っている人たちにとって、なかなか新しい考え方を受け入れにくいとは思うのですが、どう考えても、それはおかしいことを伝えていくべきです。


投稿:男性 30代  介護支援専門員 熊本県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/07 1:44:34

大きな施設で意見を訴えることは、とても勇気のいることだし、あなたは偉いと思います。
他の方のコメントの中にもありましたが、スタッフ会議などの中で、議題に挙げてみてはどうでしょうか?他のスタッフの中にもあなたと同じ気持ちを持つ人がいるかもしれません。なかなか、施設の慣習となっていると、変えるのは難しいと思いますが、本人様はなにも訴えることができないということでしたので、その方の気持ちを真剣に考えてくれる介護士のみなさんが代弁するしかないと思います。
頑張ってください。


投稿:女性 40代  看護師・保健師 埼玉県 病院 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/06 22:34:44

今までの慣例を崩すのは、一人だと大変だと思います。
私の場合 職種上 プランニングに関われたので、
30分のベッド上ROMから入りました。

心配は二つ。
ベッドに戻して 夜ではないから すぐに起き上がって 転落、転倒するのではないか・・・
もうひとつは、昼間軽い休憩をとることによって、夜間熟睡しなくなるのではないか・・・です。


経験上 どちらもありえます。また、どちらも起こらない場合もあります。
ひとつめは マットセンサーや離床センサーを駆使して早期発見につとめます。
5分で起き上がって ホールに行くわ・・・という人も多いです。
でも横臥させる行為は5分でも無駄ではないと思います。

二つ目の例では、今までは熟睡していたのに、朝食後と昼食後の1時間休息を取り始めたら、夜間熟睡しなくなった方がいました。その結果、ベッドからの転落が起こり、脳挫傷してしまった方がいました。そのあと、スタッフが皆怖がって また 起こしっぱなしになったのは言うまでもありません。事故が起きるのも嫌ですし、責任問題になるでしょう・・・。潜在的にそう考えているスタッフが多いと思います。だからといって、起こしっぱなしがいいとは言えません。その人たちの考えも肯定して受け入れてからでないと、話し合いにならないと思います。つらい経験をされた方がいるかもしれませんよね。虐待よね〜の一言で話し合う機会はなくなると思います。

安全をどのようにして確保するのかは、限られた人数の中で管理をしている以上 永遠のテーマですが、常にケアされている人になって 考えるという姿勢を忘れなければ、車いすで爆睡させることはできないと思います。まずは 一人のケアからはじめてみては、いかがですか?
ベッド上マッサージでもいいと思います。気持ちいいと思いますよ。

あと 私の病棟では過去に スタッフに1日車椅子乗車体験をしてもらいました。
条件は動かない、こがない、トイレは休憩のみ。本当は昼食も車椅子のまま食べてもらいたかったのですが、虐待になるので それは控えました。そのあとから スタッフの意識が変わりました。


投稿:女性 50代  介護支援専門員 大阪府 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/06 18:53:12

離床目的だけでしょうか?見守り(監視)が多いにあると思います。ずっと座っている状態は一種の拘束だと思います。座らせられている状態のままの拘縮があるんじゃないでしょうか?寝ても車椅子に座った状態になっていませんか?要介護度も高いでしょうし、私たちも、食後昼寝をしたりすることもあると思います。もっと、物言わない人であっても、表情や態度で判るようになりたいですね。


投稿:男性 30代  理学療法士 広島県 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/07/06 16:46:21

いくつか意見を述べます。
@ 一般の車いすは、座る道具ではなくて移動の道具です。食事の時等は椅子へ移るのが介護の常識です。
A 長時間の座位は、下肢血栓症(いわゆるエコノミー症候群)の原因です。特に自分で下肢を動かせない人は
  リスクが高まります。
  また、大阪府の看護師の方が書かれているように浮腫の原因にもなります。
B 本人の意思で動けないようにするのは、身体拘束であり、このケースだと身体的虐待、精神的虐待、性的
  虐待に該当する可能性があります。
  介護職や施設には通知義務があるので、市町村に知らせなかったら、あなたまで罰を受ける可能性があり
  ます。
C ずいぶん昔に「寝たきりゼロ作戦」が実施され、寝たきりから座らせきりが問題となったことがありま
  す。今頃同じことをしている施設があるのはびっくりしました。
  座る本当の目的は何かを話し合うべきです。
D まず、施設に公式に意見を求めてください。(公式の会議等で課題とする、だめなら、施設長に文書ととも
  に話を持っていく等)施設に言ってだめなら、自治体の担当課に自分の名前を告げて、堂々と実態を述べる
  べきです。もし、あなたがお年寄りの喜ぶ姿を見たい、ご利用者の生活を豊かにしたいと思ってこの道に
  入ったのならば・・・


投稿:女性 40代  看護師・保健師 大阪府 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/05 12:22:23

老人福祉施設に勤務している看護師です。私の施設でも食事は食堂でとるために車いすやリクライニングチェアーなどを利用し全利用者を離床しています。利用者の平均年齢も高く、1日中座位姿勢は利用者にとって辛いことだと思います。特に認知症の利用者は自分で苦痛を訴えることができず、生活のリズムの調整を自己にて行うことが難しい現状があります。また、座位時間が多いことによって、尾骨に床ずれができたり、下肢の浮腫など身体的にも問題となることが多いです。利用者一人ひとりのケアプランで日中の臥床時間などを考慮したらいかがでしょうか。私の施設でも、「夜寝ないので昼起こす」という誤った考えをするスタッフもいます。担当者会議で、生活リズムの調整を他職種で行うことは有効だと思います。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 大分県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2011/07/04 15:38:12

大義名分掲げたところで、やっていることは施設あげての虐待に近いものがありますね。

離床促進はいいことですが、せいぜい食事時間の30分から1時間程度で、超過してまですることではありませんよね。

排泄にしても、プライバシーの観点や、空きベッド使用しているのか、他人のベッドで繰り返しとなると、衛生上の問題もありますよね。

働きかけるとしたら、保険者に虐待の兆候として、ダイレクトに通報して、検討してもらうしかありませんよね。

それでもダメなら、そこの施設は、どうしようもない事業所なので、どうすることもできませんわね。



以上は,新着順1番目から 15番目までの記事です.

 


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