認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

私は特別養護老人ホームに勤務する職員です.
私の施設では,最近,寝たきりで意思疎通ができない認知症の利用者が増えており,その利用者の多くが胃ろうや経鼻経管栄養によって栄養をとっています.一所懸命に介護していますが,利用者の笑顔をみることや,「ありがとう」と言われることがほとんどないため,なんとなくむなしさを感じてしまいます.このことについて同僚はどう思っているのかを聞いてみたところ,「深く考えないようにしている」という答えしか返ってきませんでした.
このような利用者の介護を行っていくなかで喜びややりがいを感じるには,どのようにしたらよいのでしょうか.

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投稿:女性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2011/03/09 10:00:42

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編集委員会より
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相談者といっしょに考えてくださいましたみなさま,本当にありがとうございました.相談者はみなさまから寄せられたコメントから,自分がなにに悩んでいたのか,これからどのようにしていったらよいのかに,改めて気づくことができたそうです.
その内容のいくつかを簡単に紹介させていただきます.
1つ目は,利用者から「ありがとう」「あなたのおかげ」と言ってほしい,介護したことで笑顔をみせてほしいと思っていたけれど,認知症の終末期になると喜怒哀楽を言葉で伝えることがむずかしくなり,笑う能力も失われてしまうということを改めて意識できたということです.そして,声や言葉,表情で表現することができなくなった利用者からも,心から感謝してもらえるように日々の介護を続けていこうと思ったそうです.
2つ目は,言葉や笑顔だけでなく,体の力の入りぐあいを感じたり,手を握り合ったり,さすったりすることも大切なコミュニケーションであることをすっかり忘れ,胃ろうや経鼻経管栄養をしている利用者の体に触れることをしてこなかったように思う.また,認知症の終末期だからなにも反応がないとあきらめていた自分に気がついたとのことです.そして,利用者に心地よさや安心を感じてもらえるようにチャレンジし続けることが大切であると分かったそうです.
3つ目は,「ありがとう」という言葉や笑顔のほかにも介護の効果や意義を見つけることによって,やりがいを感じられることに気がついたとのことです.つまり,最期の瞬間まで褥瘡ができていない,口臭がない,肺炎が起こっていない,寝姿が整っているなど,介護を一所懸命やることで利用者が心地よく生きることを支えていると実感できると思ったそうです.
4つ目は,終末期の状態にある認知症の利用者が,胃ろうや経鼻経管栄養を行っていることに対し,自分でも言葉にできない違和感をもっているのかもしれないと感じ,このことについては自分の死生観を問いながら,また利用者と家族の意向を尊重しながら,これからも考え続けていきたいとのことでした.最後に,今回気づいたことについて,職場のみんなはどのように思っているかを話し合ってみることが大切であると感じたとのことでした.自分と同じように感じている職員がいるかもしれないし,逆に自分では気がつかなかったさまざまなことにやりがいを見いだしている職員がいるかもしれない.まずは話し合うことで,広い視野をもつことができるのではないかと思うとのことでした.
以上のことなどから,相談者はこれまでとは違った姿勢で利用者と向き合うことができそうだとのことでした.
たくさんのご投稿をありがとうございました.


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 病院 家族介護経験なし 投稿日: 2011/03/08 23:46:30

私は東京の大学病院で救命救急センターに勤務しています。突然の不良の事故や虚血を起こし低酸素脳症の患者様で意識障害を起こし、心肺停止で心肺蘇生法(しんぱいそせいほう、CardioPulmonaryResuscitationCPR)で心肺再開後、意識が戻らず寝たきりで言葉は発することなく経過されています。(年齢70〜80代が多い)
私も実際相談者さんと同じ気持ちになりました。「やりがいってなんだろう?」でも今、私よりも、この患者様の人生の中で、家族に愛されていたり、身寄りが無かったり、様々な環境に追い込まれています。
せっかくのご縁で今の患者様に出会え何をして差し上げられるか?今の状態をいかに低下させない(床ずれを作らない、残された残存機能の維持)かを考る事にしました。お話しないからこそ、私たちのケアが問われるんですね家族がいたら、状態を報告し、一緒に笑ったり、泣いたりします。いらっしゃらない方がいたら、ホームでのお友達がいたら協力していただいて、その方に声掛けたり、職員でいろんな話をその方にしてみてもいいと感じます。だって、生きていらっしゃるのだから、物ではないんです。介護、看護する立場の感情だけで、自分を見失なわないでほしい、声がでなくても、なんらかの反応はあります。命が絶えるまでケアができる最後の看取りが自分にあたえられたら、この患者様は自分を選んでくれたと考えます。とてもやりがいがあると思います。


投稿:女性 40代  介護福祉士 北海道 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/03/05 21:39:04

良くも悪くも、入居者様はスタッフの感情の動きを敏感に感じ取っていらっしゃると思います。
「ありがとう」「笑顔」を超越したところに介護の仕事の醍醐味があるのかな、と最近感じています。
「1+1=2」にならない私たちの仕事、ご自身で納得のいく答えが見つかりますよう、北海道から応援しています。


投稿:女性 30代  介護福祉士 埼玉県 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2011/03/04 10:09:39

「ありがとう」を求めないことも大事だと思います。
(意思疎通が出来る方でも、私は求めません)

排泄ケアや、整容で、柔らかい表情が見られたり、気持ちよさそうにされたり、
普段声の出ない方が「ア〜」と声を出したり、
目をじっと見つめてきたり

自分のしたことで
少しでも相手の方が気持ちよさそうに感じられたら
それをやりがいと捉えています。

「今日は声出してくださるといいな〜」
「左と右、どちらから声をかけたら反応があるかな」
などなど考えながらケアに当たってもいいかもしれませんね。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 東京都 老人保健施設 家族介護経験なし 投稿日: 2011/03/02 11:56:13

確かに、利用者から「ありがとう」等の感謝の言葉を言われたり、笑顔がある時は、疲れが吹っ飛びますよね。でも、寝たきり状態、認知症等により、本人からの意思伝達が思う様にできないことを理解してください。
本当は感謝の気持ちを伝えたいのに疾患等により意思伝達が思う様にできない利用者の気持ちを。
また、客観的にみて、褥瘡や拘縮、肺炎等のリスクを回避でき、安心で安楽で快適な生活を送っている事について評価できることではないでしょうか!「やりがい」は、職員の「自分の目標」にどう努力していているかではないでしょうか。


投稿:男性 30代  介護福祉士 北海道 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2011/02/25 10:33:15

人間の価値観は人それぞれですから、「やりがい」を見出したり、感じたりすることも違うので、一概には言えませんが、自分は、ある種自己満足のようですが、声で感謝の意を表してくれる方もそうでない方も本当に感謝して頂けるように、配慮しながら対応しています。

そのちょっとした積み重ねもあってか、ここ最近は利用者やご家族からご指名していただけるようになりましたし、何より利用者のコミュニティーと繋がっている実感や自分自身の人生観・人間性を育てて頂いているように思えるようになりました。

実は、介護(ケア)されているのは私達介護者なのかもしれませんよ・・・


投稿:女性 60歳以上  介護支援専門員 愛媛県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/02/23 20:19:02

コミュニケーションは言語だけではないと思います。私は、気持をご自分から表現できづらい方の場合、手を握ったり、此方から話しかけて表情の変化を返事として捉えています。それで、今日もお元気でと、願い対応しています。


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 老人保健施設 家族介護経験なし 投稿日: 2011/02/16 10:59:57

ありがとう。。を求めたいのか・職員のやりがいに着目したいのかを明確にすべきだと感じました。
なぜならば、前者は意思疎通ができない。とされている中で、感謝の意を望んでいいのだろうか?望むならば同様に本人が嫌がることも範囲にいれて考えた方がいいでしょう。自分も含めて人は自分がやっている事の評価を言葉で図りたがるものですね。他のコメント者も言われているように、言葉だけが意思伝達ではないと思いました。

 
 今回のテーマの本質は、社会現象になった経管栄養の選択は本人にとって望む事だったのか?から始まると思います。受けたくもなかったと想定した中で、感謝の意を示すことは非常に難しいことだというのが理解できます。しかしながら、現状をしるすべはなく、覆す事も不可能なので、前者においては感謝を望まず、苦痛に関連することは極力回避できるよう努め、その中でご本人からのメッセージがキャッチできた時(非言語的コミュニケーション)初めて、後者のスタッフのやりがいにもつながると思いました。

やりがいはいくらでもあると思います。問いかけた人の中でも、(あるからこそ今ここに私がいるんだけど、どうしてそんな水をさすことを聞かれてしまうんだろう?私のやり方はもしかして、よくないのだろうか?)と不安を抱く人もいたのではないでしょうか?ADL低下の中でケアする視点は数多くあるので、それらが悪くなっていないということも、スタッフのやりがいになるでしょう。

まとめとして
両者に共通するやりがい・生きがいとは何か。。。を考える貴重なテーマだったと思います。
そして、言葉というキーワードも共通するものだと思います。
言葉は表現の一種と考えるならば、二つの問題は解決していけそうです。人の表情がいきいきしたものに変わっていくことを前提にすると、いかなる場面でも悪い方向には進まないと思います。
このテーマから学んだ事は他にもありましたが、自身のことに置き換えてみることができ、とても感謝しています。社会現象になった長寿。職員でもそんな葛藤においやられるのですから、在宅で介護するご家族は素晴らしいと尊敬するばかりです。実際自分も老いていく中で、将来像をも考えさせられました。

あまりにも深いテーマだったので、長々と書いてしまい、支離滅裂になっていないか?と心配しながら迷いつつ投稿させていただきます(>_<)(本題からずれたものであるならば、削除しても構いません)
最後まで読んでくださった方ありがとうございました。


投稿:女性 50代  看護師・保健師 愛知県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/02/12 16:52:53

とても難しい問題ですね。いろいろなアプローチはありますが、その部署での長い期間の勤務はやはり難しいかもしれません。働く方のことを考えると3年ぐらいの勤務でローテーションしてあげないと精神的にはつらい職場でもあります。しかし脳死ではない限り、どんな状態であろうと心は生きています。その方には、ただそれを伝える技や方法がないだけです。タッチングや音楽など考えられるいろいろな非言語的コミュニケーションを使って、その心に触れるケアの方法をスタッフ皆で見つけあってゆくこと。こんなことしたら、こんな反応があったという情報を皆で共有しあって、チームでアプローチしてゆくと、きっと何かが見つけだせるはずと信じています。私も以前、音楽をかけながら、アロマを使いゆっくりタクティルケアをしていたら「ムーンリバー」の歌のときに、なにも話せなくなっていた方が、突然目が真っ赤になりスーッと涙が流れました。何かがその方の心に繋がったのですね。とても感動しました。諦めないでください。そして皆で利用者さんの心のドアを開いてあげてください。介護の可能性はすごいですよ。


投稿:女性 30代  看護師・保健師 兵庫県 病院 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2011/02/10 9:22:22

特養に入所されている利用者さんへの関わりは、コミュニケーション機能が保てている方と違って手に取るように反応を得ることは難しいのでしょうね。。。

私自身は重度の認知症がある患者さんと関わる機会はほとんどありませんが、入院された場合は自分から患者さんに「ありがとう」と伝えています。患者さんにしろ利用者さんにしろ、感謝されなければ仕事ができない訳ではありませんが、なかなか援助する側って「ありがとう」って言わないんですよね。仕事をしていて、自分に余裕がない時,「ありがとう」に飢えている,心がささくれ立っている時は、少しホッとしますよ。

根本的な悩みの解決にはならないかもしれませんが、参考になればいいですが…お仕事が大変だと思いますが、少しでも充実されますよう。


投稿:女性 50代  看護師・保健師 千葉県 病院 家族介護経験なし 投稿日: 2011/02/09 23:58:19

特別養護老人ホームと病院は違いますが、病院には意識レベルが悪く、発語もない、反応も乏しい患者さまが多くいます。その中で私は、みんな毎日がんばって生きているなぁと思いながら、仕事をしています。しかし、私たちも1人の人間ですから、自分の心が折れるようなことがあったり、疲れがたまると仕事や介護に生きがいややりがいを感じなくなるのではないでしょうか。なにしろ、給料の割には、仕事の内容が奥深いですもんね。職場での人間関係はどうですか、スタッフの同志のコミュニケーションはできていますか、あなたと同じような思いの人もいます。素直に意見や、思いをカンファレンスやみんなに提示するのは良いことだと私は思います。そしてあなたは自分でどうしたらよいか考えられる人だと思います。こうしたらいいと、具体的なことがでなくても、あなたの心がやすめて、また介護に喜びややりがいを感じてください。いろいろな介護のサイトにも色々な人が書き込みをしています。のぞいてみるのもいいかもね。


投稿:女性 50代  介護支援専門員 広島県 病院 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/02/03 19:20:56

毎日が大変ですよね。
言葉が出ない方、出したくても何を喋ったらいいのか分からなくなっている方でも本人が一番辛いにではないでしょうか。自分のお家や家族が(自分をわかってくれる人)いない場所や環境で暮らさないといけないのです。自分の事に置き換えでみたらいかがでしょう。
私は毎日、日勤ばかりでないので時間がかかりますが、朝・昼・帰る前時間をとり(自分の休み時間なども)毎回自己紹介や00さんと名前を言うのを忘れないで、言葉かけをしに行きます(笑顔で)。部屋に入って00さんと話かけた瞬間ああと言わんばかりに表情が変わると、名前は覚えられない(認知症:短期記憶障害)が顔はなんとなく逢ったことが有るなあと思っていただくこと、顔見知りになることからゆっくり時間をかけることを、いとわないで頑張ってください。一つの例と思ってみてくださればと思います。


投稿:女性 30代  介護支援専門員 富山県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2011/02/03 16:55:51

はじめまして、コメントさせていただきます。
 
もし、自分が認知症で、寝たきりの状態になって、言葉を話すことも、言葉の意味もわからない状態になったとしたら、自分はどんな対応を望むだろうかと、しみじみ考えさせられました。
 
本当は感謝の言葉を伝えたくても伝えられないのではないだろうか。本当は笑顔を返したくても、笑顔を出すこと自体を忘れていて、返せない状態なのではないだろうかと考えると、とても胸が切なくなりました。
 
 まずは、自分に置きかえて考えてみる。
 
そうしたら、また、違う見方ができて、仕事にもはりが出てくるのではないかと思いました。



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