認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私は施設で働いている介護福祉士です.
入所中のAさん(82歳,女性,血管性認知症)のご家族への対応について困っています.
Aさんは自力歩行がむずかしくご家族のことをやっと認識できる高度認知症ですが,「腰が痛い」「頭が痛い」「手がしびれる」といった身体的愁訴が多く,そのたびにご家族が専門医の受診を希望します.受診しても身体的愁訴の原因となる疾患は見つからず,医師がAさんの訴えに対して鎮痛剤や安定剤を処方するため,服用薬が以前より増えています.
施設の介護にも問題があるのかもしれませんが,Aさんはもともと神経質であったこと,訴えが一時的であり精神的に不穏となることはないことから,このままようすをみてもよいのではないかと思っています.しかし,ご家族は面会のたびに専門医の受診を希望するため,どのように対応してよいか苦慮しています.
みなさんのご意見をお聞かせください.

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投稿:男性 30代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2011/02/09 20:24:17

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編集委員会より
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みなさまお忙しいなか,貴重なご意見をありがとうございました.
認知症のなかでも血管性認知症(Vascular Dementia;VaD)の場合,いわゆる「まだら認知症」といわれる特徴があり,アルツハイマー型認知症(Alzheimer’s Disease;AD)と異なり,一様に認知機能が低下しているわけではありません.また,健忘があるわけでもなくしっかりしたことを話すため,まわりの人も「認知症」であると気づかない場合があります.今回のテーマの場合も,日常生活動作(Activities of Daily Living;ADL)自体は低下しているが一見会話がしっかりしているため,家族も本人の訴えを,認知症の症状や精神症状であるとは思わなかったようです.
高齢者の場合,身体疾患は背景に隠れていることが多いために,スタッフもはっきりと否定できなかったのでしょう.しかし,訴えに応じて受診し,服用する薬が増えても身体的愁訴がなくならないこと,経過をみる限り身体疾患があることは否定的であることから,おそらくは精神症状であったのだと思います.
みなさまのご意見にあるように,スタッフと家族,場合によっては本人を交えて,現状について何度も話し合うということが重要なのだと改めて考えさせられました.
認知症の人のなかには,惰性的に薬を飲んでいる人も多いのではないでしょうか.今回のテーマやみなさまからの意見が今後の参考になれば幸いです.


投稿:男性 20代  その他 青森県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2011/01/26 0:10:13

基本的に家族側が要望している対応を行いましたが、結局は、本人や家族との関わりがどの程度まで親身になって行っていたかどうかで、本人の不隠状態からくる身体的愁訴や家族側の不安というものは減少する結果に至りました。実際に、病院受診しても、医師からは特に異常はないと何度も診断されたことで、まずは関わっているみなさんと話し合って、処方されてくる精神系の薬物は意味が無いものだと理解し、本人と関わっていく内容をどのように行っていけばよいのかを考察しました。実際に内科のドクターも困り果てた状況にあり、家族側にあっても本人の入居生活の現状というものは100%理解されていないのが本音です。例え、専門医を受診して不隠状態からくる身体的愁訴は一時的に消失したとしても、再度、同じ状況となった場合は、専門医受診が必要となり、経営状態によっては採算が合わない状況などに繋がってしまうこととなります。その為に、関わっている人達が自信を持って、本人が安定した生活が送れているなどの現状報告を行い、実際に家族側が面会に来られたときにその真実を確認していただき、それでようやく納得したことがあります。
日々介護のプロが取り組んでいるのであって、それが信用できないようなら、他の施設などに移ってもらってもバチは当たらないと思います。
また、本人の経過観察的な状況を家族側が容認していけば良いのですが、本人が神経質なら家系もそういった性格の方々であることを予測して対応を行い、出来るならば、不隠状態を打ち消す為のプラス感情を高められる日々の工夫やスキンシップなどへの取組を行っていく項目をケアプランなどに反映してみてはどうかと思います。
悪く言えば、本人を騙している事もありますが、本人が安定した状態で、尚かつ、不穏状態が軽減し、家族側が安心していれば、それはそれで良い結果ではないかと思います。
それ以前に、何故、家族側が専門医受診を強く希望しているのかが気に掛かります。


投稿:女性 50代  看護師・保健師 愛知県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/01/23 14:55:31

認知症の方の身体的訴えは、注意しないと見落とすこともあるので日頃の観察や経過的な観察も重要です。この方の場合は医師の診断も受けているので、大きな問題もないと考えられます。しかし問題は、それを納得できない家族の方との対応ですね。認知症の方の訴えばかりでなくその言葉の裏の気持ちにどんな思いがあるのかをつかむことが重要ではないかと思います。自力歩行が難しく思うように動けなくなっているその方の訴えは、どんなときに起こるのか? 訴えがないときはどんなときなのか? 家族の方は面会に来ても何もしてあげられないつらい気持ちが「専門医の受診を希望する」ことになるのではないでしょうか。もし日常のケアの中に関わり方のヒントがあれば家族の方に話してあげてみるのもよいと思います。受診時に家族の方に一緒に付き添っていただくことも良いかもしれません。お互い情報交換しながら家族の方の支援もケアの中に上手くとりいれていけると良いですね


投稿:女性 50代  介護福祉士 山口県 病院 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/01/20 20:44:33

ご家族の面会頻度、面会時間などを調べ、又面会の時などご家族との会話の様子をご家族に了承を得て、その様子などを踏まえて、ドクターやスタッフと、話会いご家族とのカンファレンスを行い、ご家族のご意見ご要望を聞き、ケアプランに取り組むべきだと思います。また患者さまが精神的に落ち着かれるまで、ご家族に、面会の回数を、少し増やしていただくのも一つの案と思います。なにはともあれ、ご家族との連絡を密にする事は必要と思います。患者さまとのコミュ二ケーションは絶対必要です。


投稿:女性 40代  介護福祉士 東京都 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2011/01/20 15:51:55

時々しか面会されないご家族に納得していただくためには、何らかの行動に対しての理由付けが必要かと思います。まず@服薬されているときの利用者の状況、精神面の変化、行動の変化を項目をいくつか記入して明記します。A服薬されていない時の同じ内容に対しての記入を行います。服薬がされていてもされてなくても違いがなければ診察はもしかすると影響がないかもしれないですね。
ご家族がどのくらいの頻度で面会に来ているかわかりませんが、体調不良を訴えるとみんなが自分を見てくれることを期待しているのかもしれないということと、面会後は経験上利用者が余計に寂しさを実感されていることが多くみられることも配慮すべき点かもしれないです。ご家族も他者に依頼しているという後ろめたさや申し訳なさなどを軽減する行動として診察をこまめに受けてもらいたいのかもしれません。支援の行動を明確にすることで解消されるのであれば納得されるかもしないと考えます。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 広島県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2011/01/15 14:18:27

主治医の判断で、専門医へ受診したほうが、よければ、行くべきだと思う。バイタル面に異常がなければ、単に、ご家族の面会頻度が少ないために、「寂しい」と言うことの別な表現で、言う場合も多々あると推測される。メンタル面のケアについて、ご家族に伝えて、話し合ったら、どうですか?


投稿:女性 50代  介護支援専門員 愛知県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2011/01/13 18:44:52

スタッフの対応を検討すべきではないでしょうか。まずは、ご本人様の話をよく聴いて、訴える原因が身体的なことではなく、スタッフの対応に問題があるのではないかを考えるべきかと思います。また、ご家族様には、認知症の方の中には、身体的には問題がなくても、「からだが痛い」と訴えることもあるということをご説明し、スタッフの対応の仕方を変えることで様子を見させていただきたいと、ご説明されればよいのではないでしょうか。



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