認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私は介護の仕事に携わって2年になります.
申し送りのときなどに,先輩スタッフから「Aさん(認知症の人)への対応は……」「Aさんへの対処は……」「Aさんへのケアは……」という説明を受けたり意見を求められたりします.私は「対応」「対処」「ケア」の意味の違いが分からず,同期のスタッフとなにがどう違うのか話し合ってみたこともありますが,よく分かりませんでした.また,本で調べても講演を聞きに行ってもよく分かりません.
「対応」「対処」「ケア」という言葉をどのように使い分けたらよいのか,使い分ける必要があるのかなど,みなさまのご意見をお聞かせください.

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投稿:男性 30代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2011/02/02 10:06:11

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編集委員会より
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貴重なご意見をありがとうございました.
今回のテーマは,認知症ケアの実践場面でよく使われる言葉について,介護の仕事に携わって2年目のスタッフが感じた疑問です.
このスタッフが指摘するように,認知症の人への「対応」「対処」「ケア」という言葉は,発する側も受け取る側も,あまり意識せず使用していることが多いのではないでしょうか.みなさまからいただいた意見のなかにも「確かに,あらためて言われると……」とありましたが,同じように思った人も少なくないでしょう.
今回のテーマは,われわれが認知症の人に専門職としてかかわる際の前提となる姿勢や視点といった,より根本的なところまで問うものではないでしょうか.みなさまからの意見のなかに,言葉の意味の違いを踏まえながら考えを深めるものが多かったのもそのためでしょう.
では「対応」「対処」「ケア」では,なにがどのように違うのでしょうか.ここでは,われわれが専門職として認知症の人にかかわろうとする行動のレベルで考えてみます.
「対応」「対処」は,「起きたこと」「起きていること」,つまり結果に対して適切に行動することであると考えられます.これに対して「ケア」は,「なぜ起きたのか」「なぜ起きているのか」などを明らかにし,結果だけではなく原因を考え,適切な行動をとることです.さらに,専門的な知識や技術を用いながら原因と結果を考え,相手の利益を高めるためにもっとも適した行動をとること,ということもできます.このように考えると,「対応」や「対処」もケアの一部,あるいはケアの一側面であるといえます.
以上を踏まえて今回のテーマを振り返ると,普段なに気なく使っている言葉のなかに,われわれ認知症の人にどのような考えやスタンスでかかわろうとしているのか,あるいはかかわっているのかがみえてくるように思います.それと同時に,普段なに気なく使っている言葉や,なに気ない行動を立ち止まって考える,ということの大切さも教えてくれます.
今回のテーマは,われわれのスタンスも含めた幅広い議論の入り口になるものです.みなさまの意見を参考にしながら,立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか.


投稿:男性 30代  介護福祉士 北海道 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2010/12/23 16:06:31

困った時には、国語辞典を調べる事をお勧めします。
言葉の意味を正確に知ることが出来ることに加え、誤って認識していたのだと思い知らされることも多いものです。それをもっとに、日常起こりうる様々な状況に適した言葉を選択して頂ければ幸いです。

さて、今回の「対応」「対処」「ケア」ですが、以下のようになるのだと考えます。
「対応」=相手(自分と対する人)の応答を行うこと。つまり、相手と均衡が保たれるようにうまく調和を取りながら、状況の変化に応じて適切な行動を行うこととなり
一方「対処」は、対応に非常に近い意味合いを持ちながらも、人ではなく物事に対して処理する事を示します。
「ケア」は、生活支援等の総合的な意味合いを含む言葉です。
※ぜひ語源をご確認ください。


投稿:女性 50代  看護師・保健師 愛知県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2010/12/18 15:30:43

う〜ん、考えてみるといい加減に使いやすい言葉ですね。改めて考えてみました。こんな事例はいかがでしょうか?「Aさんの最近の暴言暴力には、職員は本当にこまっています。」このことについての「対応」は、マニュアル的な意味合いも含んでいて皆が共通して基本となる姿勢みたいなこと、つまり暴言暴力に対するマニュアル。「対処」はその解決のための行動レベル的なこと、少し事務的な臭いを感じます。しかしそれらは、いずれも介護者側からの視点の割合的が強いような感じがします。「ケア」は、「対応」や「対処」のすべての意味を含みながら、それでもまずAさんの気持ちにたって考える事から始まることが、前の2つと違うような気がします。認知症の方の介護を専門職とする私たちは、常に行動の裏の認知症の方の本当の気持ちとはなんだろうと想像力を働かせながら、お年寄りの一人ひとりが個性的な特別な存在であると受け止め、そのかたの気持ちに添うにはどのようにしたらよいのかを、沢山の視点から考えていく姿勢をもつ「ケア」をめざしたいです。う〜ん、どうでしょうか?


投稿:男性 30代  介護福祉士 島根県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2010/12/18 1:01:45

書き込み失礼します。自分の考えとしては、
個人的な考えとして使い分ける必要と言われれば、問題(ニーズ)が何かによって変わるのではないかと考えます。

対処・・・普段あまりない緊急時や特変時・周辺症状の一次的悪化などの問題が起きた場合。
対応・・・ケアプランなどに上がっている日常生活での問題(ニーズ)に対しての表現。
ケア・・・支援・援助の総合的な表現ではないかと思います。

かぶりますが自分の場合で言うと
対処や対応は”問題”に対して使う場合。
ケアは具体的な場合よりもどちらかと言えば全体的(総合的)・抽象的に表現する場合に使う事が多いと思います。

意識をせずに使うよりも、きちんとその時の状況を自分でも考えて使う方がよろしいかと思いますよ。長文失礼しますた。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 東京都 老人保健施設 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2010/12/16 15:59:59

あくまでも私の考えですが…
対処は、なにか問題が起きた時に行う行為。
対応は、問題が起こりそうな状態から関わり、問題になった時に行う行為でその後もフォローする行為。
ケアは、対応を計画的に行い、その行為について評価し、その後の対応を計画に反映していく。


投稿:男性 30代  介護支援専門員 熊本県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2010/12/14 21:31:41

こんばんは。私は、グループホームで管理者をケアマネを兼務している者です。言葉の選択は難しいものですよね。私は、別に対応・対処・ケアで言葉を使い分ける必要はないのではないかと思います。たぶん、先輩スタッフの方も使い分けているわけではなく、言いやすい言葉を使っており、意味は同じように使っているのではないかと私は感じました。

ただ、私個人の意見を言えば、対処と言う言葉はあまり好ましくないのではないかと思います。何となく、認知症高齢者の方の周辺症状に対しての対処だけして終わる様なイメージがわいてしまうからです。
私は、記録や申し送りなどするときには、「ケア」や「関わり」と言った言葉を使うようにしています。何となく、その方の気持ちや想いに接しているような気がするからです。
本当に、一個人の勝手なこだわりをお話しして申し訳ありません。一意見として参考になれば幸いです。



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