認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

Aさん(83歳・女性)は,20年前に夫を亡くしてからひとり暮らしです.数年前から認知症の症状がありますが,週2回ヘルパーに家事を頼み,何とかひとり暮らしを続けていました.
ある日,遠方に住んでいた弟のBさん(80歳)が民生委員とともに突然やってきました.そしてAさん宅への転居手続きをしていましたが,Aさんに事前に連絡があったかどうかは不明です.Aさんは突然現れたBさんを弟と認識できず,「見知らぬ男がやってきた」と怖がり,別室にこもって出てきません.Aさんの担当ケアマネジャーは,Aさんの認知症の症状が悪化していること,Bさんにも記憶障害が認められること,Bさんのものと思われる失禁した形跡のある衣類が室内にたくさん放置されていることなどから,対応に困って地域包括支援センターに相談しました.
地域包括支援センターは,Bさんの転居前の所在地の地域包括支援センターに連絡をとり,Bさんの状況を確認しました.すると,「独居であり,訪問しても敷地に入れてもらえなかったので,具体的な生活状況は分からなかった」とのことで,介入はしていませんでした.結局,Bさんは精神科病院に入院,その後施設入所となり,Aさんは在宅での生活を続けています.
みなさんは,このようなケースにどのように対応しますか.認知症の人どうしで在宅生活を送るための支援や,転居に伴う問題などの経験について教えてください.

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投稿:女性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2010/08/25 17:28:08

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編集委員会より
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今回は,地域包括支援センターの担当者から,「どのような対応をしたらよかったのか考えさせられたケースであり,みなさんが類似のケースにどのようにかかわっているのか知りたい」と相談を受けたケースでした.お2人から実際の体験や意見をいただきました.貴重なご意見をありがとうございました.
相談者には「認知症をもつ高齢のAさんのところにもどってきた弟のBさんは,おそらく年をとり,認知症もあって生活が成り立たず,故郷にもどることになったのであろう.それを決定したのは本人か周囲かははっきりしないが,Bさんのなかに望郷の思いがあったのではないであろうか.それにもかかわらずBさんは施設入所となり,Bさんにとってこれでよかったのか」という思いがあったそうです.
一方,Aさんにとっては,見知らぬ男性が突然やってきて同居させられるという体験となり,大きな恐怖を味わったことでしょう.このケースから,高齢化,核家族化が進んだ日本においては,家族としての共同体が成立しづらくなっていることを踏まえて,ケアマネジメントをする必要があることを感じました.しかし,コメントをいただいたお2人の経験にもあったように,理想にはほど遠い現状があるようです.相談者も「行政の認知症についての理解やマネジメントの踏み込み方には地域格差があると思う」と話していました.
むずかしい問題も多いと思いますが,試行錯誤して対応した事例から学んだことを,次のケースに生かしていくこと,1つひとつのケースの問題を浮き彫りにし社会に問いかけていくことはできます.このネットカンファレンスや『認知症ケア事例ジャーナル』がそのために活用されることを願っています.


投稿:女性 50代  看護師・保健師 愛知県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2010/07/15 0:24:55

なんだか日本の介護行政のお粗末さを感じます。もっと大人の社会になって欲しと思います。自己決定に対するサポート体制、人権擁護の問題などどこにあるのでしょうか。たとえ親近者といえどもAさんに与えたのは恐怖心だけです。認知症になったら金銭的なことばかりでなく、人権を守ってくれる体制ができる社会はいつのことでしょうか?今在宅が抱えている問題ほど、深刻で多くの救いがないのも現状です。この問題は急務だと感じていますが解決のために一体どこが動けばいいのでしょうか。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 広島県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2010/07/05 16:12:36

虐待等もある可能性があるので、行政もしくは地域包括センターに対応してもらい、親族を探してもらう必要があると思う。何故、姉の所に来たのか?わからないのに援助できないのが、現状だと思う。
 老夫婦がともに認知症の方への援助はしたことがあるが、結局は、場あたり的なことしかできない。在宅で、生活できなくなった場合は、施設入所されていることが多いし、今の在宅生活のためのサービスは、ある程度、介護できる家族がいての居宅サービスである。(小規模多機能居宅介護がそれにあたると思われる。)同居されている方が、ある程度、介護にあたれないと限界があると思います。
 一人暮らしの認知症のある方が転居する際に、親族の近隣の本人の身体、心理状態にあったグループホームの入居がベストなのに、居住地の住民でなければすぐに入居できないという問題があったので、住民票を移動し、約3ヶ月ぐらい、施設等に入所してもらい、それから、グループホームに入居してもらったケースがある。



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