認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

以下は,グループホームに勤務するスタッフ(福祉士)からの相談です.

私が勤務するグループホームでは,現在,ターミナルケアを行う方向で話が進められています.対象となるAさんは意思を明確に示すことができず,家族からは「ここでの生活が長いから,できれば最期までここでお願いしたい」という意向が示されているのみです.その意向も踏まえ,スタッフミーティングを幾度か開き議論しています.「Aさんは,長くここにいるから,できれば看取りまでケアをしたい」「なじみの関係,なじみの環境のなかで最期を迎えるほうがAさんは幸せ」という意見が多数を占めています.しかし,私個人としては他のスタッフの気持ちも理解はできますが,福祉士などの介護職員しかいない状況で,なにかあった場合やなにか大事なことを分からずに見逃してそのままにしてしまったらどうしよう……など,正直怖いという思いが強いです.そもそも,福祉士などの介護職しかいないグループホームでどこまでできるのでしょうか.また,Aさんとは1人の人間として接していると同時に,福祉士という専門職としても接しているため……そのあたりも整理がつかなくなっています.
みなさまからのアドバイス,よろしくお願いします.

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投稿:男性 30代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2010/04/06 20:54:40

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編集委員会より
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貴重なご意見,ありがとうございました.

今回のテーマは,グループホームにおけるターミナルケアについて,実際にかかわるであろうスタッフ(福祉士)からの相談です.グループホームに勤務するスタッフ(福祉士)も含め,ターミナルケアは多くの介護従事者が直面している問題のひとつであり,相談者と同じように戸惑い,悩んでいる,あるいは過去に悩んだことがあるという人も多いのではないでしょうか.みなさまからの意見は,ターミナルケア,看取りについての考え,過去の経験に基づく見解など参考になるものばかりでした.
今回の相談内容は,ターミナルケアをする・しない,できる・できない,どのようにやればよいのか,という議論ではなく,その前にもっと考えなければならないことがあるのではないであろうか,という率直な疑問をわれわれに投げかけています.
介護に携わる人は,利用者の人生に少なからず影響を与えているということを認識しなければなりません.われわれの判断や行動がその人の人生,ときには生命に影響を与えているという緊張感をもちつつ,実践しなければなりません.相談者のように,自身の誤った判断により重大な損失を与えてしまうのではないか,という危機感をもって注意しながら実践することが大切です.
さらに,対象者Aさんの家族の意向,それを踏まえたスタッフの意向で話が展開され,当の本人であるAさんの意向がないがしろにされていることに気づく必要があります.家族の意向はあくまでも家族の意向であり,決して本人の意向ではありません.スタッフの意向も同様です.この事実を深く認識したうえで話し合い,適切なケアが検討されなければなりません.その際,福祉士などの介護従事者として行うことが許されていること,施設の状況やスタッフのスキルなどから確実にできること,できないことについても留意しつつ,自分たちの「こうしてあげたい」「このほうが利用者も幸せにちがいない」という想いが大きくとも,冷静に判断していかなければなりません.
グループホームは,制度化された当初に比べて入居者の要介護度も重度化し,実態を後追いする形で幾度かの法改正がなされてきました.グループホームを含めた介護施設でのターミナルケア,看取りケアについて,時代の流れといったあいまいな形でなし崩し的にではなく,倫理的側面,養成教育の課題,資格制度そのものも含めた議論の展開が望まれます.


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2010/03/27 15:05:54

私は、望ましい死とはその人にとって様々だと思いますが、できるかぎり身体の苦痛がなく穏やかに迎えられる最後を援助していくことが大切と思います。
「自然死を創る終末期ケア」川上嘉明著 現代社 を読んだときに最後に看取るものとしてのケアの在り方や身体管理の仕方などとてもよくわかりました。
一読してみてください。


投稿:男性 40代  その他 京都府 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2010/03/26 12:02:49

対応方法はみなさんがお書きですので、お一人の心構えとしてご参考までに、書かせていただきます。三年家族介護で仕事をやめ、夜も隣で眠り、トイレ介助、食事介助をしてました。とても怖かったのは、孫の僕が、父がダウンした後、主たる介護者になりましたが、叔母たちのいない僕だけの時間帯、つまり夜間になくなったら、どうしよう。対応が悪いとなじられるのでは、まだやれることがあるのでは?と、毎日不安でした。しかし、死はあっけなく訪れました。叔母たちが集まり、僕が不在の時でした。安らかな顔で誰にも知られず、亡くなりました。たくさんの人がいましたが、気がつけば冷たくなってました。白寿でした。病院でも、寿命は防げません。グループホームに転職したのは、介護の遣り残し、最後まで安らかに見送りたいと願ったからです。暖かい美味しいご飯を食べてもらい、ゆっくりと風呂に入り、気持ち良く眠り、心の通う会話で日々過ごして頂きたいと。ご家族の方との信頼関係が一番大切です。延命処置をするのかしないのか。職員の意識の共有化。そして、死はあなたの責任ではないこと。医者でも、無理です。


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 大学・研究機関 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2010/03/23 22:30:09

今月のテーマで相談されている問題の焦点についてですが、これはグループホームの体制作りや
医療との連携、家族へのグリーフケア、スタッフの満足や後悔などではなく(これらももちろん
重要な点ではありますが)、普段接している介護職として本人の状態を確実にアセスメントし、
必要な判断(医者を呼ぶ、救急車を呼ぶ、必要な処置を行うなど)を適切な時に行えるかどうか、
まだ生きられる命が自分たちの誤った判断によって(言葉は悪いですが)短くしてしまう結果に
なることはないのだろうか?との悩みではないかと思います。

介護職の仕事として、これらの仕事が範疇にはいるのかどうか(命を扱う・判断することは、
看護師にも許可されていません。だからといって病院に全員が入院する必要もないでしょう)、
家族やスタッフが「よかったよかった」と後で感じることで、重要な点を見過ごしている、
または見ないふりをしているのではないだろうか?という疑問や恐怖を感じる力があることが
まずは重要なのではないかと思います。


投稿:女性 40代  介護福祉士 東京都 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2010/03/23 2:03:55

私は、12月にグループホーム管理者に就任し、ホームでは《看取り》が契約条件にあるため、どうしたらより良い状態で看取ることが可能なのか毎日考えています。 現在併設の小規模に非常勤の看護師が日中一人と、正直この状況で看取りなど無理だと思っています。 そこで、ご家族の延命に対する意向を再確認し、文面にて緊急対応のシステムを作り同意のサインを頂きました。 また、終末期の方については《在宅総合診療》と契約して頂き、夜間の急変時には電話での指示をいただいたり、場合によっては夜間の往診、死亡診断が迅速にしていただけます。  ただ、ご存知のとうり看取るということは生半可な気持ちで出来ることではなく、スタッフ一同の気持ちがひとつにならなくては後々トラブルや後悔となります。 ご家族・管理者・医者・スタッフで繰り返し話し合いをし、最後はホームの居室でご家族に過ごして頂くなどお互いに協力してはどうかと考えます。 グループホームでは、私たちも家族の一員だと思って最後まで精一杯の支援をすることも大切な支援だと私個人考えています。 手を握ったまま息をひきとって頂ける介護が私にとっての理想の支援です
 (私の理想論になってしまいました・・・。すいません)


投稿:女性 50代  看護師・保健師 愛知県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2010/03/16 21:46:05

私は看護師ですが、今まで沢山の方の病院での看取りを経験してきました。グループホームで介護として認知症の方をまだ看取った経験はありませんが、家族の方が望むなら、家族の方と一緒に看取ることを条件に、緩和ケアを医師と相談しながら協力して行うことにこれからの大きな意義を感じています。医療は、治療することが無くなったらおしまいという、浅はかな医者も多いです。人が生きること死ぬことについて、日本の医者はもっと勉強してほしいです。さて私たち介護は、何ができるでしょうか?特に安楽に対するにはどんな方法があるのかを、プロとして充分に身につけるように訓練をすべきでしょう。勿論研修もすべきです。感情だけでなく、それらの理論や技法を介護は、もっと見極めてゆくべきです。そこで初めて介護が専門職として認められる時代がくると思います。介護でできることできないこと、私たち介護は、こういうやり方で、最期を看取るという学問の確立を願っています。介護はこれからのまだ未分化な学問です。人が死ぬことに向き合うのは、看護師だってこわいですよ。けれど私は、自分が認知症になったら、人間らしく介護で死を看取られたいと願っています。


投稿:男性 30代  その他 千葉県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2010/03/10 20:10:00

現在、特養で生活相談員をしています。確かに夜勤帯でという気持ちもわかります。実際に夜勤を経験した時に朝の光が差し、早番の方が来たときの安堵感を感じました。そのことからも自分がその場に立ち会ったときにどうすればという気持ちになると思います。
その中で自分自身悩み、色々な資料を読みました。その時にふと「看取り」という言葉を調べてみました。そうすると、「そばにいて世話をしてあげること」という意味がでてきました。つまり、(現実としてはそういきませんが)最後の時にそばにいてあげる事が基本的な考え方なのではないかと。
そこで大切な事は、「看取り」は一人で行うものではなく・・・つまり、夜勤の方だけではなくサポートする職員がいて、ご家族の方がいるという形を行うのが本来の看取りなのかなと思います。
最期の時を安らかに過ごすための環境に配慮して、また、状態が不安定になったり、お亡くなりになった時のサポート体制を確認しておくことではないのかなと考えています。
また、2年ほど前に施設において、息を引き取ったご利用者がいらっしゃいましたが、その時にはご家族が付き添っていただき、最期の場所を施設で過ごされましたが、その時のご家族のお話では、息をひきとる前に、ふと、今まであらかった呼吸が整い、パッと目を開け、周りを見渡し、ゆっくりと目を閉じ、亡くなったそうです。また、その連絡を受け、すぐかけつけましたが安らかな顔でした。
介護職の方がいるからこそできる、病院ではできない看取りができるのではないかと思っています。


投稿:女性 40代  その他 大阪府 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2010/03/08 11:20:08

私は派遣で老健以外の施設で就労してまいりました。「何かあった時の事を考えると怖い…」その御気持ちは、良く分かります。特に夜勤をしている時は緊張感で一杯で仮眠も出来ません。しかし、各々の既往歴や源病歴、日常生活(表情や四肢の動き、視野狭窄の有無など詳細な動きも含めて)での詳細な様子を観察し、把握しておく事で、ある程度の危険予知はできます。一緒に施設で暮らしていると(勤務)その人の些細な変化は掴めると思うのです。何かあった時の対応マニュアルやカンファレンスは施行しておられるかと思いますが、普段から緊急にも対応できる沈着冷静さをもてるように医療従事者との連携も密にし、構える姿勢を意識しておく事が必要だと思います。案ずるより生むが易しと申します。どんなに手を尽くしても、その人には決められた運命や寿命があると思うのです。要は、生きている間に、どれだけ笑顔で満たされた時間を多く過ごせたかという事が大切な事だと思います。


投稿:女性 40代  その他 東京都 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2010/03/05 20:35:34

「怖い」わかります。以前勤めていたところでは、そのような希望が多く、夜勤では緊張していました。ですが、良い最後を迎えて頂くための仕事と、もっとこうしていればよかったのにと後悔しないための仕事をと心がけていました。また、お一人お一人のマニュアルを作り、予想される状態、そうなった場合の対応表・連絡先・連絡順などを確認し、訪室時間・間隔なども御家族様とも共有しました。
よくそういう場面に遭ったナースから、亡くなる方は夜勤者を選ぶと聞いたことがあります。専門職だけれども、一人の人間として、その方が看取ってほしいと選んでくださるということだと、私は思っていました。整理がつかないのも、心ある人間だからこそだと思います。その時に立ち会う準備をして、最後にご本人様もご家族様も「ここで良かった」と言って頂けるような専門職としての仕事をすることが必要かと思います。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 広島県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2010/03/02 12:35:56

ご家族が、消極的な安楽死を望むなら、かかりつけ医等の医療スタッフの了承がないとグループホームでのケアは、難しいです。必ず、ご家族の協力も必要になるので、本当の終末期には、付き添ってもらうようにお願いしなければならない。貴グループホームで、看れる、できる範囲を検証し、誰がどのようにして看るか、できるかをきちんと整理する必要がある。むやみに思いだけでやってしまったら、やった後に後悔が残ることが多いです。なにかあった場合は、どのように対処し、なにか大事なことを分からずに見逃してそのままにしてしまわないように医療スタッフのアドバイスを訊きながら、机上の空論にならないように、援助できるようになりたいですね。「人・金・物」が必要になると思いますよ。




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