認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

私はケアマネジャーをしています.担当するAさん(女性・77歳/要支援2)について相談させてください.
Aさんは息子と車で1時間ほど離れた所に1人で住んでいます.2年前にアルツハイマー型認知症と診断され,現在は改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)が10点ほどといちじるしい記憶力の低下がみられます.Aさんは足腰が丈夫なことから昔から主に自転車で移動していますが,自動車が恐いからと交通量の少ない日中に出かけていました.しかし,最近はどういうわけか夕方の交通量が多くなる時間帯に自転車で買い物に行くようになりました.私や周囲の人が危ないから自転車に乗らないよういっても聞き入れてくれず,先日も信号を無視して渡ろうとし,もう少しで車にひかれそうになったとのことでした.実際,注意力もなくなっており,ブレーキ操作ができないこともあります.事故の危険性が高いことを息子に伝えましたが,「スーパー等が遠いため自転車で行くのは仕方がないし,好きでやっていることなので干渉しないでほしい」といわれました.
このままでは事故の可能性が大であるため,どのように対応すればよいか悩んでいます.みなさんのご意見をお聞かせください.

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投稿:男性 40代  その他 福岡県 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/09/01 15:24:39

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編集委員会より
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貴重なご意見,ありがとうございました.
以下は相談者(ケアマネジャー)から送られてきた手紙です.今回はその手紙を掲載することで総評と代えさせていただきます.
多くのご意見ありがとうございました.とても参考になりました.
以前のAさんはデイサービスに週1回通っていました.友人が多く,買い物には友人数人と出かけていました.
しかし,3か月ほどの間にAさんの認知症症状は急速に進み,いままでの生活が送れなくなっていきました.要介護度(要支援2)と比べて改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)の点数が低いのもこのためです.自宅内は汚れ,洗濯もできなくなっていました.
息子さんはAさんの家の近くに住んでいますが,仕事が忙しいとの理由で,2か月に1度ほどの頻度でAさんの家を訪れる程度です.私は息子さんに,Aさんの急速な症状進行とヘルパー導入の提案を伝えていました.しかし,息子さんは,私がAさんの状態を現実よりも悪く伝えていると思い,取り合ってもらえませんでした.
そのため,私は兵庫県の社会福祉士の女性から指摘いただいたように,まず主治医に相談することから始めました.Aさんの定期受診は半年ほどされていなかったため,主治医はAさんを受診させるように息子さんへ連絡してくれました.受診の結果,栄養失調と脱水傾向があるとのことでした.これらがAさんの急速な認知症症状の進行原因であることが主治医から息子さんに伝えられました.Aさんはしばらく通院治療が必要であったため,私はその間に担当者会議(息子さん,主治医,デイサービス職員,私の4人)を開きました.
そのころから,息子さんは少しずつ主治医や私の話に耳を傾けてくれるようになりました.そして,群馬県の介護福祉士の女性から提案いただいたように,息子さんにAさんを週に数回,車でスーパーに連れて行ってくれるように頼みました.実は息子さんもAさんが自転車で買い物に行くことを心配していたため,すぐに了承してくれました.店内ではカートを押してAさんにつき添ってくれています.購入した食料品はヘルパーが調理するようになりました.
私は息子さんがAさんの介護に協力的になっていくことに当初驚きをもち,「最初だけかもしれない」と考えたこともありました.しかし,Aさんが落ち着いていくようすをみていくうちに,私は息子さんのことを誤解していたことに気づきました.
私はAさんの買い物の時間帯が変わったことや記憶力が急速に低下したことから,Aさんの認知症症状のみに注目していました.そして,息子さんにもAさんのできなくなったことを中心に伝えていました.これでは,息子さんを不安にさせるばかりで協力を得られなかったのは仕方がなかったと反省しています.
ネットカンファレンスに投稿したおかげで,大切なことに気づくことができました.ありがとうございました.


投稿:女性 40代  介護支援専門員 新潟県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2009/08/30 21:30:24

この文章がそのまま相談しているご本人のものなら文面から焦りを感じます。ご本人、ご家族にもこの焦りがそのまま伝わっているのではないでしょうか。
ご家族には認知症を理解していただくことや現状のリスクについての説明はとても大切なことだと思います。アルツハイマー型認知症が進んでいく過程やご本人がどう変わっていくかご家族に説明し、だから今までより危険性が高いというところでご家族と相談できたらいいと思います。
また結果が決まっていてそれについてどうしたらいいのかという視点より解決策はもっと他にもあるのではないかという視点を持って家族の力や地域の力、関係機関の力を引き出してくるのも介護支援専門員として大切だと考えています。


投稿:女性 50代  看護師・保健師 長野県 病院 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2009/08/30 15:27:46

こんなにもあなたが、利用者さんのことを考えているのに、肝心の息子さんが親御さんの認知症の進行に気づいていないのが問題のひとつですよね。
 こういう「自分に面倒がかかるのが嫌で、ケアチームと協力する気がない」タイプの家族は事故などが起こった後で、責任追及してくる人が多いように思います。8月13日に投稿されたケアマネの方もおっしゃっていましたが、できるだけのことをしたうえで、家族に連絡した記録をちゃんと残しておくことをおすすめします。


投稿:女性 40代  社会福祉士 兵庫県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/08/23 21:50:23

要介護認定と長谷川式スケールの点数、現在の状況から要支援2という結果に疑問をかんじます。要支援2というのは介護が必要な状態ではないと認識されます。ご家族がお母様の現状をみるときは認定結果もひとつの指標になると思います。この結果からでは、ご家族の危機感は強くないのではないでしょうか。特に、ご家族の認知症への理解がどの程度かと合わせて考えてみる必要があると思います。
 また、最近夕方に買い物に出かけるようになったとのことですが、認知症の方の夕方になると不穏になる行動と重なっており、この段階で認知症が進行する身体的、心理的要因が何かあったのではないかと考えます。一人暮らしなので食事や服薬、水分の摂取、内科疾患の進行など合わせて考える必要があると思います。
 ご家族や関係機関で本人様の最近の変化などを話し合う場(担当者会議)を主治医の意見をまじえて持たれることを薦めます。
 また、家族が協力できないときに自転車での買い物が危険であると話をすると、家族は協力の要請や非難と捉え一緒に考えようとされないときもあるのではないでしょうか。家族の理解や一緒に考えていただくためにも認定の見直しや、担当者会議を持つこと、日ごろの会話が大切であると思います。


投稿:男性 50代  介護支援専門員 岩手県 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/08/13 1:25:22

このテーマに対する個人意見等は自由かと思いますので、結論が不透明になる前に、あくまでも人間としてどのような措置が必要であるかを適当に考えてみたいと思います。
まず、その利用者はアルツハイマー型認知症と診断され、記憶力、判断力の低下が顕著にみられていることから、日常の生活自体に何かしらの異変が生じている結果に繋がっているようです。つまり、自立して日常生活が健康的に暮らしていくことが困難な状態になりつつある感じがみられており、恐らく居宅サービスの利用者で家族側にもそういった理由等について事前に申し上げているかと思われます。事実、個人で行動する範囲に危険遭遇率が高まっていることがみられますので、家族側が放置しているということに対しては、「これから、万が一、本人が交通事故等に遭遇した場合は、当方では責任を負いかねません」などのことは説明したほうが良いかと思います。また、サービス担当者が本人の安全を確保したい為に行いたいとする意思、若しくは事業所側の指示等かも知れませんので、家族側と話し合って他の施設サービス(24時間見守れる施設など)に切り替えていくスタンスの説明等はあってもいいのではと思います。確かにサービスの適用範囲や責任というものは、その利用する事業所によって差異は出てくるでしょう。今出来る範囲で困難であるならば、もっと拡張解釈して、その本人が最適な生活が送れるサービスを受けられるものに変更すべきではないでしょうか?
因みに、「何故、その時間帯に、、、」というのは、見当識や注意力、記憶力等の諸要因から影響される結果ではないでしょうか?本人的には「当たり前の行動だと思っている」のでは?大きな事故等に遭遇しないよう、最善の手助け対策を行ったほうが最大の社会貢献に繋がるといえるでしょう。


投稿:女性 50代  介護支援専門員 和歌山県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2009/08/12 17:18:07

辛口のご意見が続き、へこんでおられないか心配です。
居宅での介護支援専門員の仕事は、生活すべてを保護できるものではありません。
利用者御自身と、御家族の思いを踏まえて、どのように生活したいかを探りながら、
情報提供をしていく仕事だと心得ています。
「なぜその時間帯に?」という疑問に対して、関係者からの(ヘルパーさんや、話のできる近隣の方など)情報収集は必要ですが、必ずほしい情報が入るとは限りません。そのときは今後の課題として残しておけば良いと思います。(昼間は暑いのかもしれません)
本人、ご家族が、どのように生活をしたいかが、もっとも重要なことであり、私たち介護支援専門員は、その手助けをする仕事です。危険を知りながら放っておけばよい、というわけではありませんが、危険を冒す権利も尊重する必要があります。
危険な状態であると、状況把握をしておられ、御家族に報告をしたのなら、「必要な仕事はできている」と、御自分で評価されても良いのではないでしょうか。
歩いて行けば?誰かに行ってもらえば?昼間の時間帯に、など、考えられる提案はすでにされていると思います。それ以上にできることがあるとすれば、なにかあった時の心構えだけでしょう。
熱心に利用者さんを見てお仕事をされているとお見受けします。どうぞへこまないで下さい。


投稿:男性 20代  介護支援専門員 北海道 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2009/08/11 20:27:32

息子さんに対しての説明責任をもう少し果たす必要があるような気がします。また、なぜ夕方に出かけるようになったのでしょう??時間帯に関係なくなるべく自分で自転車を使用できる間は、その能力を生かして支援できるような体制を整える必要がありますね。


投稿:女性 60歳以上  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/08/11 13:43:02

まずはじめに、「ケアマネジャー」として

最近はどういうわけか夕方の交通量が多くなる時間帯に。。。

という部分にAさんへの対応以前に問題を感じます。なぜ、そういう風になったのかAさんの生活歴を観察する能力や知識が乏しいように思います。まずは、Aさんへの対応以前に貴方自身がもっと生涯学習を行う必要があるのではないのでしょうか?

そして、Aさんの息子が、
「干渉しないで欲しい」
というのであれば、干渉しなければ良いと私は思います。貴方の仕事は、何ですか?
それでも、人間としてどうしても満足がいかないのであれば「ボランティア」として24時間付き添ってあげてはいかがでしょうか。仕事と個人的な倫理的観点からの問題を混同することによって、問題は更に難しくまた貴方自身の体力面、精神面での負担が増加します。

仕事とプライベートは別です。悩む時間があるのであれば、もっと勉強して立派な「ケアマネジャー」になってください。


投稿:女性 50代  介護福祉士 群馬県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2009/08/06 23:03:00

ご本人は別として息子さんがAさんの外出における危険性と認知症のについて理解が乏しいと感じます。
また本人については過去の生活暦となぜ夕方自転車で買い物にいきたいのか、その所を認知症について理解を踏まえながらご家族と検討し検討要件を見つけていくべきでしょう。
週1回車で息子とスーパーへ出かけ、カートを押しながら店内を楽しみながら購入品を探す。またはヘルパーサービスを使い買い物は代行してもらい購入品の検討はAさんにしていただくなど問題の原因を探し出し検討、考案して行くべきでしょう。


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/08/06 11:32:45

ご相談者がお住まいの地域の状況はわかりませんが、地方は公共の交通機関を利用しての買い物はとても不便な状況にあると思います。そのため、自動車や自転車を使って移動する生活となっている高齢者も多いのではないでしょうか。高齢社会の大問題です。
私の親も田舎で暮らしていて、アルツハイマー型認知症の診断を受けた後も、家族が止めても車を自分で運転して車で10分ほどのスーパーまで買い物に出かけていました。家族も、車の運転をして事故が起きたらたいへんだと思いながらも、交通手段がないので、車の運転を見守ってきました。
でも、事故は起こりました。他の方の車にぶつけてしまったのです。幸い相手の方はほとんどけがはなかったのですが、私の親はとても困惑し、ぶつけてしまった相手に対して何回も何回も電話をかけて「たいへんなことをしてしまった。私の頭はどうかしてしまったようだ」と毎回同じことを言うようになってしまいました。事故を起こした本人は相当ショックを受けたのです。もちろん相手の方にも事故以上の影響を与えてしまいました。自分の車にぶつけた相手が認知症で、繰り返し同じことを言われるようになってしまったのですから。
そういうことがあって、親には車の運転をやめてもらい、廃車としました。そのかわり、まわりの親戚も手伝ってくれますが、基本的には私が毎週車で一緒にスーパーまで買い物に行くようになりました。私は車で2時間くらい離れたところに暮らしています。
このような経験があるものですから、ご相談者の方には、自転車に乗らなくても買い物に行ける方法を息子さんたちご家族と一緒に考え、
自転車の運転をご本人も納得してやめてもらえるよう働きかけることをおすすめしたいと思います。



投稿:男性 40代  介護支援専門員 広島県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2009/08/03 14:26:16

事例の内容では、まず、どんなサービスを利用されているかわかないし、どんな経緯で、要支援の認定をしたのかわかりません。情報が少なすぎて、苦慮します。ニーズはあると思いますが、本人及び息子が困っていると感じていることはないので干渉しないで下さいと言うのではないかと思います。少し様子見(2ヶ月ぐらい間を置く)をした後に、私の場合は、「お母さんに何度も、夕方、自転車で買い物を言ったら、危ないよと言いましたが、聞き入れてくれないし、息子さんからも言ってくれていると思いますが、言っても言うことを聞き入れてくれないと思いますが、息子さんが困ったことがあったら、いつでも相談に乗るので遠慮しないで連絡して下さい。」と言いながら、タイミングを見逃さないように見守りながら支援していくと思います。



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