認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
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今月のテーマ

あるグループホームで働くスタッフからの相談です.

開設から数年が経過し,利用者が重度化したことにより,生活全般にわたって介護が必要になりましたが,買い物や食事づくりはスタッフだけで行っています.そのなかの食事づくりをめぐってホームを2分する議論が起きています.1つは,「食事をつくらないグループホームなどあり得ない.食事をつくることにグループホームの意味があり,従来の施設との違いはそこである」という意見.もう1つは,「食事づくりは専用のパートさんか業者にお願いし,その空いた時間を身体的ケアに費やすべき.人数と時間が限られているため利用者の状態に合わせて柔軟に考えよう」という意見です.

利用者が重度化したいまになって考えるのはそもそもおかしな話ですが,食事づくりの是非よりも,介護職としてまずなにを優先すべきなのか……という観点から考えてみようと思っています.

みなさまのご意見をお聞かせください.

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投稿:男性 30代  その他 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/01/15 13:14:16

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編集委員会より
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貴重なご意見,ありがとうございました.

今回のテーマは,グループホームで働く介護スタッフから寄せられた相談です.
皆様から頂いたご意見の中には,テーマと同じように悩んでいるというものから,具体的な解決策を導く考え方など,示唆する内容のものが多く参考になるものばかりでした.

さて,相談内容を見ると,手段(方法)がいつの間にか目的と化しているという現状があるようです.皆様からのご意見にもありましたが,食事作りは機能を維持する(または発揮する)ケア,生活の継続を図るための手段・方法であって,食事作りをすることそれ自体は目的ではありません.したがって,食事を作ることにグループホームの意味がある,というスタッフに対しては,目的と手段のという観点からアドバイスすることが求められます.
また,入居者は何らかのケアを必要としています.相談内容にもありましたが,ケア専門職として何を優先すべきか,入居者個々の身体状態や生活に対する意向,ホーム全体の状況などを踏まえて判断することが望まれます.
相談を受けたグループホームでは,その後も引き続き議論が行われているそうです.その議論の過程で,スタッフが考えるグループホームはこうあるべき,こうありたい,こうすべきだ,これがいいはずだ…ということに,知らず知らずに入居者を付き合わせていたのではないか,という声も出されたということです.
具体的に食事作りを今後どうするかという結論は出ていないようですが,目の前で生活している入居者個々の状態,生活に対する意向など基づいて,個々のケア,ホーム全体のケア方針など全体的に見直そうという動きになっているということです.


投稿:男性 30代  介護支援専門員 北海道 グループホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/01/15 6:46:36

もし、あなたが利用者の立場だとしたら、その時はどうして欲しいと思いますか?
もし、あなたが五体満足に動けない状態だとしたら、その時に何をしたいと思いますか?
例え、専門のパートさんや業者に食事作りをお願いしても、あなたはそれで満足出来ますか?

何を優先すべきか。。。
それは「利用者の思いを受け入れる」ではないでしょうか?

利用者全員の意見があるならば、どのような日常生活を送りたいものなのかと聞いてもいいのではと思われますが、「〜すべき」とか、「〜意味がある」とか以前の問題ではないでしょうか?その時、その人に対応していくのがグループホームとしての役割かと思われますので、如何に、利用者がその場所で安心して生き甲斐が感じられる生活空間として築きあげられるかどうかは、その施設様々でしょう。
どちらかと言えば、後者の意見に近いですが、ある利用者からは、スタッフが作った食事の方が美味いという事や、あの利用者が触った物は食べられないなどという問題があったことから、日常のスタッフ役割分担を決めて、各状況に対応できるようスタッフ同士が連携し合い、見守りや周囲の日常生活等を支援しています。他の施設を参考にするのはいいと思いますが、他施設では、こうやっているから、うちもこうしようなんて事は、その利用者にとってみれば、どこかの型に嵌められているだけかと思われます。利用者から、「今日の食事は美味しかった」とスタッフが褒められる事もあり、これも一つの信頼に繋がっているのかも知れません。お金を掛ければ、あらゆる体制作りが出来るでしょうけれども、GHの収益性などを考慮する限り、経費的に贅沢出来そうな体制づくりは微妙な問題かと思われます。限りある経営資源でどのような割合で対応の配分をするかどうかは、あなた方の施設の運営体制及び、利用者の重度化の割合、スタッフ対応の力量など実質的な面を総合的に考慮したバランス対応が望ましいかと思います。こういったケースではスタッフ一人の問題ではないので、まずはリーダー格の者に相談し、今後のやり方をどのように行っていきたいかなどの意見を出し合って決定すべきではないでしょうか?
尤も、施設の運営責任者が、状況を把握してビシッと方針を決めれば良いと思いますけどね。。。


投稿:男性 50代  医師 愛媛県 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2009/01/14 17:36:42

食事づくりは専用のパートさんか業者というのは予算の問題に絡むため、経営者の決定が必要です。ここで働く労働者としては経営者に要望を上げる程度でしょう。経営側にとっては、要介護度が上がっても得られる報酬はGHの場合、少ないので、良い返事はないでしょう。厚労省も現在の報酬体系では、GHで看続けるとは想定されていません。だから現実的にはケータリングサービスを利用するしかないでしょうね。
 利用者が重度化したことにより,生活全般にわたって介護が必要になったところで、職員での食事作りは無理でしょう。また、あまり意味もないです。北欧でも利用者の状況に応じて作ったり、運んできたりですから、この状況なら運んでくるのが普通。そして、人手を増やすのが普通。GHの場合、通常は1:1ケアですから、それより増えます。日本の状況とは大違い。住居ですから、死ぬまでそこで過ごすのが普通です。介護の必要性に応じて人を増やすのが自然な考えで、労働者として、住民として声を上げていくのも普通です。


投稿:男性 30代  社会福祉士 山口県 グループホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2009/01/09 10:32:11

認知症が重度になっただけでなく、ADLも低下した状態なのだろうと推測しました。僕の所属するグループホームの1つのユニットがテーマと同じような状態にあり、同じような議論も起きています。
僕の意見としては、皆さんの意見にあるように『アセスメント』『出来る事を探す視点』『調理の目的』等をもう一度振り返ってグループホームのスタッフとしての援助のあり方を見直して、共有する事が重要だと思います。
が、少し違う視点から…、というのも重度化した利用者のケアに直面している「調理は業者や専属のパートで…」という意見のスタッフは、いっぱいいっぱいで「援助のあり方を見直して〜」と言われてもその余裕がないのが実態のようです。
そもそもグループホームというのは万能ではありません。認知症があり活動的な利用者もいる、身体的ケアに時間が必要な利用者もいるという状態は、介護保険が始まる前の特養のような状態をイメージします。要介護者の状態に応じた介護が受けられることが制度上で当然あるべき姿ですから、身体的ケアに時間を多く費やすようになった利用者は、制度上ではグループホームの利用に合わなくなってきていると考える事が出来るのではないでしょうか。特養などへの入所を検討する時期に来ているのだと思います。
こういう話をすると利用者に対して冷たいような印象を持たれることがありますが、僕の考えとしては状態に応じたスペシャリストのケアが提供される事が専門職としては多くの場合ベストだと考えています
例えば一偏的な部分の解釈のですが、グループホームは「認知症があるが見守りや比較的少ない身体的ケアで生活できる利用者」を援助するスペシャリストのケアスタッフがいる場所、特養は「あまり活動的に動けない利用者」を援助するスペシャリストのケアスタッフがいる場所となります。
とは言っても、どのサービスを利用するか明確な線引きがあるわけではなく、グループホームと特養どちらが適しているかグレーゾーンの要介護者も多く、また多くの利用者がなじみの環境から住む環境が変わることに抵抗を感じますし、家族も不安を感じることが多い為、他の施設への入所等、生活環境を変えるといったことを検討するといった事は大変難しい作業です。ですが、利用者やその家族の不安を最小限にしてこの難しい作業を上手く行っていく技術もグループホームのスタッフに求められるスキルの1つではないでしょうか。


投稿:女性 30代  介護支援専門員 長崎県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2009/01/06 1:13:18

グループホームは食事の支度や掃除、洗濯など日常生活を入居者と共に行う場所だと思っています。自分の自宅とは違うかも知れないけれど、なじみの職員と、顔なじみの入居者同士、自宅にいるようにくつろぎ助け合いながら生活をして行く。たとえ自宅での生活が出来なくてもそんな安心できる場所で過ごしたい。私たち介護職員はそう思い日常のケアーを行っているのではないかと思います。たとえ認知症が重度になろうと、調理をする音、食事の出来上がる臭い、作っている姿を見る、などの五感はいつまでも残っていると思います。自宅でもしも寝たきりになつても傍に誰かがいて声をかけながら食事をつくってくれる、臭いがしてくるだけで食欲も湧いてくる。ただしてもらうとか、何かを行う事でなくてもこんな自然な環境がグループホームの良いところではないでしょうか。


投稿:女性 20代  介護福祉士 栃木県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2009/01/03 23:39:56

利用者と一緒に食事づくり、家事を行いたいといつも考えています。 しかし、利用者の重度化、職員の人手が少なく難しいことが多いです。(感染症の面でも気になることが多いです。)
私は、一人ひとりの利用者のアセスメントが重要ではないかと考えます。 どのタイミングで、どのような声かけ、誘い方をしたらよいのか、他者とのトラブルにならないような配慮、混乱しないような工夫をしてお願いする、それぞれの利用者が気持ちよく(普段の様子から考えて)、一緒にできるよう努力しています。 とても大変なことですが、利用者の残っている力を活かせる場づくりをすることは専門職として求められ、小さなことでも継続できるように、支援方法を考えていく必要があると思います。 毎日、毎食必ず一緒に作るということでなくてもよいと思います。 少しでも余裕がある時にできたらと思います。 そのためにも日頃からのアセスメントが重要ではないでしょうか。 時には、お話や料理の相談をしながら職員が作るのを見ていてもらうのもいかがでしょうか。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 茨城県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2008/12/30 11:25:54

私は居宅のケアマネジャーとして仕事しています。誰もが住み慣れた地域でその人らしい生活が続けられることを前提として始まった介護保険制度ですが、年々進行する認知症状や高齢化で、理想とする介護や生活が難しくなっているのも実際です。本来グループホームは認知症状はあっても出来るだけ今までの生活を崩さず家事や作業出来る事が理想です。食事つくりや洗濯、掃除という日々の生活動作が、認知症状の進行を遅らせる効果もあります。グループホーム各々の方針もあるとは思いますが、私の意見としては、入居者とスタッフが一緒に生活を形成するという方が良いのではないかと思います。相談者の方はどのように考えるのでしょうか?また、経営者の方針が強く出ることが多いので、一概にはいえないかも知れませんが・・・がんばってください。


投稿:女性 30代  介護福祉士 岩手県 グループホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/12/24 11:35:31

当ホームでも同じ議論がされています。
理想と現実というよりは、あたり前の変化なのだと思っています。みんなADLが落ちていってしまうのは、あたり前。
そう考えると、この問題は『できるできない』ではなく、『できそう』を第一に考え、一つのお茶碗を拭いてもらう事だけでも『できた』達成感を味わってもらう等が大事かと思っています。
それから、グループホームでどこまで生活してもらうか、本人の意思や家族の希望等もくみいれ、本人にとっての一番良い生活の場をいつも考えて、特養等への転居も時には積極的に考慮していく事も大切だと考えます。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 広島県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2008/12/23 15:12:31

グループホームの入所とは、日常生活、一連の動作である食事の仕度、買い物、金銭管理、書類の手続き等が自力では困難となり、更に身体的機能の低下も含めた方々が入所される所ではないんですか。食事づくりをいっしょにできないのなら、入所できないの・・・。お世話させてもらって、金をもうけるための施設なの?と言いたいです。
 余生をその人らしく生きてもらうためには、何が大切かということを考えることだと思う。


投稿:男性 20代  介護福祉士 岡山県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2008/12/23 10:24:55

迷う時は必ずあると思います。
こんな時には、入居されている方の気持ちになって考えると、もっとまとまるのではないかと思います。
少し浅はかな考え方かな、とは思うのですが、一番はそこであると職員すべてが共有していないといけないと思います。


投稿:男性 50代  介護福祉士 宮城県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2008/12/21 18:12:46

私たちのホームでは、盛り付けや配膳などを中心に役割を持って頂いております。
必ずしも調理をしなければグループホームではないなどと考えなくてもいいのでは。
それぞれの利用者のできることを探してみてはいかがでしょうか?
味見をしてもらう。レタスをちぎる。大根おろし。盛り付け、取り分け。お茶の準備。
テーブル拭き。おしぼり丸めなど……


投稿:女性 40代  介護福祉士 東京都 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/12/19 18:42:39

買い物や食事つくりについて、目的と手段を間違えないようにすることが大切かと思います。何のためにそれら行為を利用者にしてもらうのか、をスタッフで考えることが必要と思います。


投稿:男性 30代  介護福祉士 神奈川県 デイサービス・デイケア 家族介護経験なし 投稿日: 2008/12/19 13:49:35

まずはご利用者様になにが必要なのか・・・それは「食事を作る」おいう作業を通して自己実現の場が必要なのか、また食事限らずもっと違う場が必要なのか、ご利用者中心に考えてみてはと思います。



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