認知症ケア事例ジャーナル Netカンファレンス
 
 こちらは認知症に関するテーマを基に,地域・年代・職種に関係なくおのおのの意見を述べていただく場です. 1つのテーマを基にさまざまな視点,立場からの意見および取り組みを知ることを目的としています. 日本認知症ケア学会会員,認知症ケア専門士にかかわらずお気軽にご意見をお寄せください.

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今月のテーマ

(Aさん88歳女性 現在介護施設入居中)

Aさんは大腿骨頸部骨折後,車いす生活となりました.
Aさんは高度認知症のため,歩けないにもかかわらず,車いすから立ち上がり歩こうとします.数歩歩いては転倒するため,なるべくAさんから目を離さないようにしていましたが,先日,転倒し頭を強打してしまいました.
家族から「また骨折したら困るため,立ちあがれないよう縛ってほしい」と求められ,施設側からも「車いすから立ちあがれないような工夫を」と求められました.
このようなとき,皆さんはどのような対応を行いますか.

縛ったという方もいらっしゃるかもしれませんし,さまざまな対応をされた方もいらっしゃるかと思います.さまざまなご意見をお聞かせください.

新しい記事から表示します.1度に20件の書き込みを表示します.
投稿:男性 40代  その他 福岡県 デイサービス・デイケア 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2008/06/16 22:43:20

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編集委員会より
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 多くのご意見ありがとうございました.

 今回,私がNetカンファレンスで身体拘束をテーマにしたのには理由がある.
 仕事で,日ごろは「身体拘束してはいけない」といい続けていた.同僚が,上司が,拘束しようとする場面では,厳しい態度で臨んでいた.そんな自分自身を正義の味方のように感じていたように思う.
そのような私の気持ちをもろく壊す出来事が起こった.
 それは,入院している祖母が身体拘束を受けていると,電話で母から聞いたことが始まりであった.祖母が拘束されているようすを聞いた私は,とても憤った.電話口で「次の日曜日には必ず行くから!」と,何度も口にした.すぐにでも病院に駆けつけて,病棟師長に祖母を縛っていることを抗議したい衝動にかられていた.
 しかし,日曜日までの数日間….「私が病院に抗議すると,祖母は退院を迫られてしまうのではないか」「祖母が日常のケアで手抜きをされてしまうのではないか」など,後ろ向きの考えに陥っていった.
そして,面会当日.両手足をベッド柵に紐で縛られている祖母をまのあたりにした.目は虚ろで,生気のない表情の祖母をみていながら,家族である私はなにも抗議ができなかった.
 その祖母も数年前に亡くなった.
 人生の終末を縛られたまま迎えた無念さを想うと,私は後悔の念でいっぱいになる.祖母のような人が少しでも減るよう,われわれができることをいっしょに考えたいと思い,みなさまから意見を募集した.


投稿:女性 50代  介護福祉士 福島県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/05/30 22:17:33

こんばんは、私は、平成12年4月、介護保険法施行のときに特養に勤めホームヘルパー2級からはじめて、介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、口腔ケア4級、と、資格をとってきました。
 そこで、感じたのですが、歩けないことがわからず立ち上がる、歩こうとする、ということは悪いことではないと思うのです。歩こうとすることは、其の方がたとえ歩けないにしてもよい方向で評価しなくてはならないと思います。何事にも意欲を示さなくなることのほうがよくないことで、特に問題になるとしたならば、転ぶことによって、怪我をしてしまうことが問題なのだと思います。まして、どんなときに立ち上がろうとするのか、歩こうとするのか精査する、とか、目的があって歩こうとしているので原因を探るとか、ある程度の推察はできるにしても限界があります。歩けない方が歩こうとして転んでも怪我をしない方法、宇宙服のようなものでもあれば、身体拘束にはならないだろうか、などと考えております。最近は、見守りもいずれは身体拘束に含まれるようになるであろうというようなことが取りざたされております。転んでも怪我をしない服があれば、見守りの身体拘束というのも、クリヤーできるのですが、もちろん従来の介護服のような、行動を制限するものであってはならないのですが


投稿:男性 20代  介護福祉士 愛知県 老人保健施設 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2008/05/29 14:47:49

私は今年3月までグループホームで7年間働き、現在は老健で働いています。このようなケースは現在の職場でも多くあります。本人がどうして立とうとするか考え支援策を検討したり、歩行訓練を行い歩行機能を回復させようとする事は、GHでも老健でも同じだと思うのですが、その本人の思いにどれだけ答えられるかは大規模施設と、小規模なGHでは少し違ってきてしまう事に悩んでいる部分もあります。GHなどでは本人に寄り添うケアも行いやすく、本人のちょっとしたサインも見逃さず、トイレや不安などキャッチし支援することで、立ち上がりのある方でも無理に座らせたり、気づかず転倒になってしまうこともほとんど無かったのですが、大規模な施設で日中、職員1人で15〜20人の利用者を見ているような環境では本人のサインを見逃してしまったり、サインをキャッチできても他の方の介助中でその方のところにすぐに行けず転倒してしまうことはあります。その為、車椅子に立ち上がりセンサーを設置したり、夜間はセンサーマットを利用するなどし、対応しています。本人の意思に反して歩けないように我慢させたり拘束したりする事は、他のBPSDの悪化や身体機能の低下につながる為良くないですが、転倒を繰り返してしまう事も、身体能力の低下につながりこれもまた本人の利益とはならない為、本人のニーズを把握しながらも拘束なく且、安全・安心に支援することはどの施設でも永遠の課題となるのではないでしょうか。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 岐阜県 その他 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2008/05/28 12:32:35

私は在宅のケアマネをしているのですが、このような事例の方のショート利用時についてよくこの問題に当たります。以前私が担当していたケースは女性で、やはり認知症により骨折の治療入院中から、骨折していることを忘れてしまって、ベッドから起きようとして「なんで立てんの?」「足が痛いんだけどなぜ?」と、その度に家族や看護師が説明することを繰り返していました。そんな方でしたから、退院後はデイでもショートステイでも自宅でも同じことの繰り返し。車いすどころかベッドから起き上がるため目が離せない状態でした。介護していた息子さん夫婦もさぞ大変だろうと思い、入所の話なども勧めていたのですが、この息子夫婦のスゴイところは、「母が自分達の顔を見分けられるうちは在宅で介護する」という考えを貫かれ、低床ベッドを和室に置き、ベッドから転落しても大ケガにならないように環境を整え、歩きたいのなら歩こうと、車イスで散歩に出た時に、車イスを本人が自分で押して歩くような時間を確保されました。本人と息子夫婦とペットの大型犬と、天気の良い日は必ず(デイに行った日も夕方に)出かけられていました。その甲斐あって、車イスを押していたのが、半年ほどで歩行器に変わるまでにADLが回復しました。
 実のところ、この方の骨折は2度目、左右とも大腿部頚部の骨折でしたから、もう寝たきりになっても仕方がないと、ケアマネとしては内心思っていた部分もあったのです。(おまけに2度ともショートステイ利用中の負傷で、施設では歩かせないように見守ることで精一杯でした)
 介護に関わる中で、家族に勝るものはないと思う場合は多々ありますが、このケースについては特に痛感しました。

 今回のケースでも、一番働きかけねばならないのは、「また骨折したら(介護に)困るので〜」という家族の気持ちや考えではないでしょうか。この方の想いは何か。スタッフだけが考えて対応するのではなく、か族にも一緒に考えてもらえると、その後のケア(抑制しないという方向)がより安定し、スタッフも安心して関わることができますね。


投稿:女性 30代  介護福祉士 三重県 老人保健施設 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2008/05/24 23:40:23

当施設にもこのような方がたくさんみえます。
私たちは、まず「なぜAさんは立ち上がろうとするのか。どこに行こうとして歩こうとするのか」ということを探ります。もしかしたら、トイレかもしれないし、オムツが気持ち悪いのかも知れないし、誰かに会いに行こうとするのかも知れない。まずは、どこにいこうとしているか、何をしようとしているかという原因の究明を最優先にします。その間は、確かに常にそばにいないといけないですが・・・。そして、そのAさんの思いが達成できるようにどうすればよいかを考えます。
それと平行して、歩いても良いように歩行能力の向上をリハビリのスタッフと徹底します。
歩けるようになれば、問題にはなりませんから。歩くことが、どうしても無理なら、はって移動が出来るようにすると思います。
介護者側の問題は、歩けないのにあるいて怪我してしまうことですが、Aさんは、何か目的があって歩こうと思ってるわけですから、歩けないようにしても(拘束とか)、Aさんの思いは解決されないわけですから、何度もAさんは歩いて目的を達成するために挑戦するでしょう。ですから、Aさんの思いを安全に達成できるために、どうするかということを考えます。
多分、拘束をしたり、歩けないようにしても、何度もAさんは目的を達成するために同じ行動を繰り返すことになると思うからです。


投稿:男性 40代  介護支援専門員 茨城県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2008/05/24 21:47:38

どうしても現象でしか捕らえてないような気がします。こんな方は在宅にも多く存在しどうにかこうにかできているのです。まず、職員側の心の問題ではないかと思います。その方が、何をしようとしたいのか、どのような生活をしどうしたいのか、心を洞察していくことが大切です。もちろん、施設側は専門家なんですから、高齢者虐待のガイドラインを熟知して処遇しているわけですから、家族に利用者の生きる権利や本人の立場をこれまでの経験に対し尊敬の念を持ってその人の老後の生活を描いていき家族も納得し安心するような対応をする必要があります。老人福祉法の理念をもう一度読んでほしいものです。
最後に、認知症と流行のように名前や専門職の方が選考してしまい、これまでの日本人の人生の成り立ちや老後や”生老病死”というものが当たり前にあったはずなのに、最近特別なことのようにあちこちで取り上げられているのはとてもさびしいものです。われわれは、人の人生の一番大切なところの仕事をしているのですから自分の人生観や人間観や日本人というものをじっくり振り返る事がよい処遇につながるのではないかと思います。
そんなことで一人ひとりの人生を最後まで責任を持ってじっくり関わっていきましょう。


投稿:男性 40代  介護福祉士 福岡県 老人保健施設 家族介護経験なし 投稿日: 2008/05/19 7:54:42

例え認知症を患っていなくとも、人は無駄な行動はしても、意味の無い行動はしないものです。他の人から
見れば、くだらない理由であったとしても。Aさんの場合も必ず何らかの理由はあるはずです。個別に関われ
る環境、マンパワー、施設理念が揃っているならば時間は必要でしょうが、最善の対応へ結びつくものと思い
ます。しかしながら、現実は慢性的な職員不足の中において、いかに安全・安心・安楽を維持するかの戦いであり、心の中の矛盾と葛藤しながら、畳に座り「とりあえず」安全を確保された、Aさんと同じケースの利用
者さんを見ています。


投稿:女性 40代  看護師・保健師 東京都 大学・研究機関 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/05/16 9:44:24

その方が今、どうして立ち上がりたいのかを直接ご本人に尋ねて職員がそれに応じたり、職員みんなでその方の表情、行動、しぐさ、普段の生活の流れ、職員の具体的な関わり方など詳細な情報を共有して、「何を求めて」「どうして」立ち上がりたいと思っているのかをアセスメントすることが基本だと思います。すでにこのネットカンファレンスで多くの方がこのことの重要性について意見を述べていらっしゃるように!です。

ただ気になるのは、一般的に大腿骨頚部骨折をはじめ何らかの身体的な病気になり、治療のために入院されると、入院中から抗精神病薬や睡眠薬を処方され、退院時以降にも処方されることが多いのではないでしょうか。そうすると、その薬の影響で意識が多少でも混濁したり、身体のバランスをとりにくくなったりして、転倒・骨折のクスクがいっそう高くなってしまっているということがあるのではないでしょうか。入院・退院以降、介護保険施設を利用する中で、誰かが「この薬、本当に必要なの?」「この方の状態では、今の量でいいの?」「薬を減量あるいは中止したほうがいいのではないの?」と疑問を抱いて、もし不必要なら減量・中止に向けて医師も含めて職員とご家族とで減量・中止の方法や、そのプロセスでの具体的なケアについてなど話合いが行われる必要があると思います。
この事例の方について、服薬の情報が書かれていないのでここでは何とも言えませんが、いかがでしょうか。基本を大切にしつつ、適切な薬の使用・中止とケアについても専門職のチームアプローチがなされないと、この事例はいつまでたってもつらいままになってしまうと思いました。もしかしたら、そういう状況があって、ご家族も施設側も、再び骨折しないためにしばるしか方法はない!と思ってしまっているのかもしれません。
この事例とは直接関係がないのかもしれませんが、ひとたび入院してしまうとそれ以降、多くの認知症高齢者にそういう厳しい現実があることについて、どうしていったらいいのか考えたいなと思いました。


投稿:女性 30代  ホームヘルパー 群馬県 老人保健施設 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2008/05/14 10:58:42

施設の生活では歩行困難な場合、車いすでの生活が当たり前のように行われていますが・・・。
立ち上がる行動に抑制を考える前に「どうして」を考えてみることが大切だと思います。Aさんの体型によっては短時間でも座っていることが辛くなっていたり、性格的にじっとしていられなかったり、トイレに行きたいと感じたり、立ち上がって歩こうとする行動には理由があるのではと考えることから始めてみることが対応だと考えます。
現場の職員も「座っててもらわなければ転倒する」と思い込んでしまうと、繰り返しの対応で苛立ち対応が荒い言葉や指示的な対応となってしまうことが多いと思います。
「どうして」とAさんの行動に疑問を持ち、Aさんを知るという情報の収集・観察をすることで
その人のしたいことが見えてくると思います。
Aさんも抑制されたことで頭の中は「どうして??」でいっぱいになってしまうと思います。
私たちの現場でもAさんのような方が入所して来ますが、ご家族から様々な情報を提供してもらい相談していき対応しています。対応が検討されている期間は短時間の交代で職員が付き添い観察・記録・対応しています。


投稿:女性 50代  看護師・保健師 香川県 老人保健施設 家族介護経験あり(過去) 投稿日: 2008/05/11 17:00:16

どこの施設においてもこのような問題を抱えながら日々サービス提供を行っていると思います。家族と現場スタッフとの信頼関係が築けるような方法を施設側、スタッフ間で考えて行く必要があると思います。たとえば、ケア環境を少人数性のグループケアにして現場が身体拘束的な手段でなく、自分達が生活者としての視点で利用者と関わり、問題解決に対応していく姿勢を家族に見ていただき、家族にもそのケアに対する意見を聴きながら、共に何がベストなのかを追及していく姿勢が家族の気持ちを変え、また利用者に伝わるのではと思っております。こうすれば絶対に事故は起こらないと言うような答えは私達にはなく、常に関係者間の信頼関係を元に、この人に対してどう対応すべきかを考えて環境を整えることが対策と思います。


投稿:女性 40代  看護師・保健師 兵庫県 グループホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2008/05/10 23:51:35

Aさん家族と介護職、医師とのカンファレンスをもつ。拘束が必要か?その人らしさとは?あたりまえの暮らしの中のリスクについて。昔のAさんについて思い出してもらう。家族に理解を得たうえで拘束をしない方法を検討。
Aさんの情報収集。行動パターンを知る。
・どんな時に立ち上がろうとするのか?大抵何らかの理由があるはず。→立ち上がるサインを見逃さない。
                                →排便ならパターンを読んでトイレへ                                 早めに介助。
・ゆっくりできない理由(立ち上がらないといけない)をさぐる。→ゆっくりしてもらえる環境を整える。
                              →車いすがきちんとフィッティングされて                               いるか?フィッティングの調整
・歩行(移動)しない時にも車イスに座っている必要性があるのか?→ゆったりしてもらえる環境の設定。
                               →畳?フィッティング調整された椅子。
・車いすから立ち上がり、転倒するなら、ベッドでも?→ゆっくりとできる環境つくり。家具の配置の検討
                         →手すり代わりにできるよう家具を配置変更。
                         →早くに対応するため(転倒防止ではない)センサー                          の利用を検討
…で、いかがでしょうか?同じようなケースで以上の対応で転倒せずお元気でおられます。


投稿:男性 30代  理学療法士 秋田県 老人保健施設 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/05/09 16:30:00

以前でしたらこのような症例の方でしたら、恥ずかしながら、介助テーブルの使用など身体拘束に該当するようなことで対応しておりましたし、拘束を行うことで転倒は防ぐことができました。それではなぜ拘束を行っていたのか?それは事故(出血や骨折)などを防ぐためという目的にて行っておりました。
しかし、現在では施設内で拘束0、事故0を掲げて対応をしております。見守りや対応などで大変ですが、スタッフ総動員にて対応をしており、現在のところ骨折などの大事故はなんとか不防ぐことができております。
さて、このような状態の方は当施設でも入所されておりますので、簡単ですが、対応を紹介させていただきます。

@転倒のリスクの高い方をホールなどに集まっていただいて、見守り・対応専門のスタッフを付かせております。そのスタッフでは対応できない場合には、PHSなどにて他のスタッフに応援してもらいます。
A立ち上がり、歩行が不安定な方の歩行練習に椅子付きの歩行器(酒井医療さんやOGさんから発売されております)を使用しております。バランスを崩しても転倒が防ぐことができますので、安心して歩行練習ができます。
B夜勤帯などで職員が手薄になり、どうしても見守りが不十分になる場合は、家族の許可を得まして、和式対応をさせていただいております。和式だとベットよりも落ち着かれる方が多いように思います。


投稿:女性 30代  看護師・保健師 千葉県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2008/05/08 17:14:44

Aさん自身の希望は明らかに抑制されることではないと思われます。普通の人でもじっと同じ体勢で(座位固定など)では苦痛が生じると思います。では、ご家族はなぜ抑制してほしいのでしょう。歩くと危険だから?ですがそれではAさんの気持ちは無視されていますよね。ご家族やスタッフともに経験のない方は拘束体験を数時間でも行ってみると不条理さが理解できるかもしれません。そして行っていることが実は患者を守っているのではなく、その事故によって及ぶ自分たちへの影響(心理的・社会的・金銭的含)から守ろうとしていることだと。ご家族と「一体何を守っているのか」について話しあい、目標とするものを調整されては?危険な行動は永遠に続くものではありません。スッタフは過重労働と忍耐が必要とされますが、一時を乗り越えられれば自分らのケアを自慢にでき、自信もつきます。反対に、その一時を拘束したことで、スタッフご家族ともに後悔の念が残るかもしれません。人は相互扶助です。スタッフは頑張っているばかりでは疲れ果てます。Aさんからの見返りが期待できない分、ご家族や上司の言葉賭けがスッタフやAさんにどんな好影響を齎すのかを分かって頂き、協力してもらえれば変化が訪れるのでは..


投稿:男性 30代  作業療法士 宮崎県 老人保健施設 家族介護経験なし 投稿日: 2008/05/08 8:39:20

拘束は、つらいものです。される側にも、する側にも。
する側にも立場(責任)があることは、わかります。ただ、「拘束が当然」と思えるようになる心は、気の毒な人だと映ります。


投稿:女性 30代  介護支援専門員 群馬県 特別養護老人ホーム 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/05/07 21:03:28

特養とショートステイを担当していますが、この事例のようなケースはショートに多く見られます。   まず本人から考えたとき、立ち上がる原因を見つけることが必要と考えます。当施設で多いのが「排泄」「痛みによる座りかえ」があります。骨折=オムツとなって来荘することが多いですが、尿や便意があることも多く、日中だけでもトイレで排泄ができると落着くことがあります。トイレでの排泄を開始すると、1週間程度で落着くことが多いです。
 痛みについては、無圧クッション使用や食後の休憩を上手く取り入れ横になる事を進め体位交換を行います。また、環境整備も重要ですので、最初の方が言われていたソファーや和床を使用しています。
 また骨折の治療方法やその後のリハビリ方法、予後も病院から聞き、介護施設で動かしてよい可能な範囲を聞き、再骨折を予防するようにもしています。
 家族については、家族の意向も理解できますが、利用開始前に施設利用後に発生する可能性の高い事故についての説明、対応方法について説明をし理解を得るように努力します。
 拘束をすると、特養では多くの書類を家族や主治医に記入する必要もあります。またその拘束を解くことを前提としたカンファレンスを定期的に開き記録を残すなど事務的な作業が多くなることも理解が必要です。
 家族と同様に現場職員も危険を感じると、拘束に当たる行為と分からずに行おうとすることが見られます。その為立位や歩行が可能な方は、なるべく歩行や立位練習を排泄時に取り入れ、安定して立位や歩行が取れるように援助することも試みています。拘束をして止めようとすると、本人は抵抗を示すのか更に同じ危険な行為をしようとすることも多くあります。
 とはいっても、現在は事故が起きると「責任問題」が発生し裁判へ発展するケースもあります。特養専属の介護支援専門員としては、事前に家族へリスクの説明を率直に行い、一緒に考えてもらうことを心がけています。
他人事でないケースです。


投稿:女性 40代  介護支援専門員 大阪府 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/05/06 19:40:07

転倒を回避するために、拘束することが、はたして、Aさんの人格を尊重して、その人らしく生活を送れることになるのでしょうか。車椅子から、立ち上がるにも目的があるはずです。たとえば、長年会社勤めをされてる方でしたら、出社時間であるかもしれないですし、主婦の方でしたら、台所に立つ時間帯であるかもしれません、又体調が悪くトイレにいきたいのかもしれません、自らSOSを発信できないAさんの権利擁護について、家族も交えてケアカンファレンスを開催を提案します。施設側とすれば、特に夜間など人手が足りなく転倒リスクの高いAさんも拘束することで、事故を未然に防げるかもしれませんが、センサーを置くなど拘束する前に対応できることも、あるのではないでしょうか。転倒して、顔面や頭部を打つ事故がベット周辺で起こっている割合が多いことから、日ごろから、動線内の環境調整など、今一度確認していただきたいと思います。


投稿:女性 30代  作業療法士 京都府 その他 家族介護経験あり(現在) 投稿日: 2008/05/06 12:02:37

私がAさんなら・・・歩きたい。でも骨折したり頭を打ったりしたくない。
Aさんが母や祖母なら・・・縛られたらかわいそう。でも、怪我をしたらもっとかわいそう。マンパワーを考えると「縛らないで」とは言えないので、私が面会に来たときは、寄り添って一緒に歩きたい。
私がスタッフなら・・・気持ちの上では縛りたくないですが、家族の第一の希望が「骨折させたくないから縛ってほしい」のであれば、家族の思いをまず受け止めて、安全ベルトを装着していただき、見守り体制が十分にあるときは安全ベルトを外し、Aさんが歩きたい時に一緒に歩きます。また、同時に、歩行器導入の可能性や、どんな時になぜ立ち上がりたいのかをアセスメントし、立ち上がりそうになるサインをキャッチすように努めます。座っていることが快適になるように、シーティングも考えます。また、Aさんが座位で楽しめる作業や環境を探索します。

倫理的な実践を考える際に、Beauchampらが提唱する4原理(自律尊重・善行・無加害・公正)がありますが、この原理を適用するだけでは解決できない問題も多々あります。この場合もそうです。倫理的意思決定は、一人で行うよりも、意見の違う人と話し合う方がよいとのことですが、そういう意味においても、このNetカンファレンスは大変意味のある、学びの多い場だと思います。

Aさんも家族もクライエントであることを考えると、スタッフ間で、そして家族とも話し合いを重ねて、よりベターな方法を探ることを続けていかねばならないのだと思います。
なので、私が行いたい対応は、<まずは家族の思いを受け止め安全ベルトを装着して頂き、より良い方法を探るために施設内でカンファレンスを重ねる>です。


投稿:女性 20代  作業療法士 福岡県 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2008/05/06 0:50:19

私個人的には身体拘束はどうしても抵抗があります。以前勤めていた職場の詰め所で拘束帯により行動制限されていた患者さんのことを思い出しました。
でも、だからといって、きれいごとで片付く話でもなく、その方への更なる危険・リスクが伴うから拘束という方法が求められるのだと思います。

私がここで、大事だと思うのは「立ち上がるから立ち上がらないような工夫を」というその前になぜ立ち上がろうとするのかを知ろうとすることです。その方の日常を注意深く観察していればその方のメッセージというのはどこかで発信されているように思いますし、短絡的に考えて実行してしまえばこの問題の根本的解決にはならないような気がします。身体拘束は精神拘束にもなり得り、状況判断が困難な認知症の方はさらに不安と混乱へと陥って今以上に立ち上がろうとするかもしれません。


場合によっては一時的に立ち上がらないよう縛ることもあるかもしれません。しかし、これでめでたしではなく、立ち上がらないような方法は何も拘束だけではないと思います。24時間体制でその方の行動パターンをみていくには一人では難しく、介護スタッフなどが協力し合って同じ視点でケアしていかなければならないため、時間がかかってしまいます。カンファレンスなどを繰り返し、職員の意識統一をすることが初めの一歩ではないでしょうか。


投稿:女性 20代  介護福祉士 宮城県 特別養護老人ホーム 家族介護経験なし 投稿日: 2008/05/05 22:00:27

私の担当さんにそのような方がおり、日中はソファにて対応し、立ち上がりが困難な状態になったのですが、一歩間違えると拘束になりかねません…が、安全のほうが大事だと思います。


投稿:女性 50代  介護福祉士 東京都 その他 家族介護経験なし 投稿日: 2008/05/05 13:46:03

介護の現場では、よく耳にする事例だと思います。この場合抑制をせずにケアをしていくには、抱えるリスクをきちんと対応していかなければ、ご家族の心配や負担が増えてしまいます。きれいごとでは済まされず、他の利用者との兼ね合いや、業務上の条件もクリアしていかなければなりません。
車椅子に縛っていなくともテーブルに付けて行動を制限したり、ベット柵で降りられなくしていたりすることも抑制になってしまいます。何故、そうしなければならないかは、業務上でのリスクが高いことが原因だと思います。スタッフの人員体制や業務の内容も考えていかなくてはなりません。その条件の中でご本人の行動を理解していくことや安全性を考えた上で、統一されたケアが必要と思います。
認知症が重度であれば、ご自分の気持ちをうまく表現することが出来ないでしょうし、それを見逃してしまえばリスクに繋がってしまいます。88歳という年齢を考えるとリハビリでどこまで筋力の強化が可能かわかりませんが、生活のリハビリの中で出来るようにも思います。また、ご本人の行動を把握することや要求を満たすアセスメントが重要だと思います。拘束廃止とリスクは何時も背中合わせであることを介護者が常に認識をしていかなければ安全なケアは望めないと思います。
以前私がいた施設でも同じようなケースがありました。ご家族の要望で暫く時間拘束をしたことがあります。
その中でスタッフが詳細に記録を執り、拘束を廃止したことがありました。上記で述べたことを実施し何度もカンファレンスを行い、車椅子の生活ですが拘束をすることなく表情も穏やかになった利用者を見ることが出来ました。



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